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競技プログラミング・eスポーツ・ゲーム 2024.01.18
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「PG BATTLE」とは?企業・学校対抗の競技プログラミング大会を解説!

監修: Qbook編集部

ライター

「PG BATTLE」とは?企業・学校対抗の競技プログラミング大会を解説!

企業のDX化が叫ばれるなか、プログラマーの人材育成が重要なポイントになっています。なかにはローコード/ノーコード開発で対応しようという動きもありますが、実際に自由度の高いカスタマイズや細かい機能拡張を行うためには、しっかりしたコーディングの知識が必要不可欠です。

いま教育界でも情報教育やプログラミングの授業が進められています。ソフトウェア開発は、頭の柔らかいうちから学んでおくほうが、その能力も開花しやすいといわれています。

そこで、いま注目されているのが競技プログラミングです。ここでは、団体競技のプログラミングを実施する「PG BATTLE」の概要についてご紹介します。

Qbookでは、2020年にはPG BATTLEを主催する株式会社システムインテグレーター社長の梅田氏へのインタビューと、2021年に問題作成を手掛けるAtCorder社代表の高橋氏へのインタビューを実施していますので、ご興味をお持ちの方はそちらも是非ご覧ください。

もくじ
  1. 団体戦のプログラミング大会「PG BATTLE」とは?
  2. 「PG BATTLE」の競技内容・難易度と気になる賞品は?
  3. PG BATTLE 2023」が1021()にオンライン開催!
  4. 自己研鑽の場としての「PG BATTLE」に参加してみよう
  5. まとめ

1.団体戦のプログラミング大会「PG BATTLE」とは?

2023年で6回目を迎える企業・学校対抗プログラミング大会

2023年で6回目を迎える「PG BATTLE」は、1チーム3名編成の団体戦でプログラミングを競い合うユニークな企業・学校対抗コンテストです。プログラミングによる作品を提出して審査される一般的な大会ではなく、出題された問題を制限時間内でコーディングして解いていく大会で、オンラインでプログラムを提出する形式になります。

PG BATTLEの作問は、ロシアの「Codeforces」やアメリカの「TopCoder」と並ぶ世界三大競技プログラミングコンテストの一つ「AtCoder」を運営するAtCoder株式会社が行っています。そのため、高レベルで質の高い問題が出題され、チャレンジすることで、自分自身のプログラミングのスキルレベルを確認できます。

大会の出場結果によっては、会社や学校だけでなく、外部から高く評価されるようになるなど「プログラミングスキルの客観的な実力指標」としても業界内で定評があります。

2.「PG BATTLE」の競技内容・難易度と気になる賞品は?

PG Battleの概要が分かったところで、詳しい競技内容について解説していきます。出場部門の種類や、使用言語、賞品について興味のある方はおさえておきましょう。

PG BATTLEの競技内容

PG BATTLEの具体的な競技内容は、1チーム3人で参戦して、与えられた問題を解くプログラムをつくることです。

制限時間は90分間で、プログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」※ を用いて、4問のプログラムが提出されます。各人がレベルの異なる4つの問題に対してコーディングすることになりますが、団体戦とはいえ、各問題についてチームで相談し合うことはできません。あくまで一人ひとりが独力で問題を解いていく形になります。
※TOPSICとは、株式会社システムインテグレータが提供するプログラミングスキルを客観的に測定するクラウドサービスです。オンラインでリアルタイムに利用でき、プログラミングスキルが自動採点されるなどの特徴を持っており、多くの企業が採用しています。

プログラミング言語については、Java、C#、C++、Ruby、Pythonなど、自身が得意な主要言語を選ぶことができます。また日本語や英語で受験できるため、国内だけでなく、海外からリモートでコンテストに参加することも可能です。

問題の難易度は3段階

問題の難易度は「ましゅまろ」(低難易度)、「せんべい」(中難易度)、「かつおぶし」(高難易度)というユニークな名称で3段階に分かれています。(かたい順に難易度が高くなる)。そのため、チームごとに誰が、どのレベルの問題を担当するのかを事前に決めておく必要がありあります。

それぞれ出題される問題は4問で、すべての問題を解けた場合は300点満点(1名100点満点)が与えられ、合計得点によって勝敗が決まります。ただし、同じ点数を獲得した対戦チームがいた場合は、解答時間が短いチームが上位になります。

部門別に対決!ユニークな「飛び賞」も用意

PG BATTLEでは、1000名を超える社会人、学生が参加し、熱いバトルが繰り広げられます。参加部門は以下の3部門に分かれており、参加費は無料です。

  • 高校、中学、小学校(その他スクール含む)の部(18歳以下、パソコン教室などのIT系教育機関)
  • 大学&大学院、高専、専門学校の部
  • 企業の部

2022年の参加者をみると、高校・中学・小学校の部53チーム、大学&大学院・高専・専門学校の部134チーム、企業の部191チームで、全378チーム・1134名が集結しており、かなり大規模な大会だということが分かります。参加チームのなかで優秀な成績をおさめて入賞すると、各部門で1位 24万円、2位 12万円、3位 6万円のamazonギフト券が進呈されるほか、上位の成績でなくてもスポンサー賞(飛び賞)が用意されている点も大きな魅力です。

3.「PG BATTLE 2023」が10月21日(土)にオンライン開催!

PG BATTLE 2023は、すでに2023/10/21(土)13:00〜14:40での開催が終了しています。

その後10月28日(土)にYouTubeのライブ配信で結果が発表されました。

今年の大会で優勝した、企業の部・大学&大学院の部では、上位3チームが280点を獲得されています。同じ得点の場合は、競技時間の短いほうが勝ちになるので、いかに問題を解いて素早くコーディングを行えるスキルはもちろんのこと、バグが出たときでも焦らずに修正していけるような能力も求められます。

PG BATTLE 2023

開催日時:2023/10/21(土)13:00〜14:40
開催形式:オンライン
参加費:無料
開催内容:「企業」「大学・大学院・高専・専門」「高校~小学校」の3部門でそれぞれ競います。
応募要項:1チーム3名でのご参加になります。1社あるいは1校から複数チームの参加可能ですが、1人が複数チームに属することはできません。
賞品(チームのみ):amazonギフト券・賞品
結果発表会:2023/10/28(土)16:00~
ウェブサイト:https://products.sint.co.jp/pg_battle

4.自己研鑽の場としてのPG BATTLEに参加してみよう!

PG Battle参加でプログラマーの意識改革を

日本にはスキルを持つ優秀なプログラマーも多いのですが、概してプログラミングに対する世間の評価はあまり高くはないようです。本イベントでは、卓越したプログラミング能力がある人材の存在を世の中に知らしめて、プログラマーに対するリスペクトを得ると同時に、「なんちゃってプログラマー」の意識改革も促そうという意図があります。

また、これまでプログラミングについては、他のスポーツやゲームのように団体戦で競い合う場がほとんどありませんでした。このPG BATTLEでは、あまり目立たなかったプログラミングの世界に陽を当て、日ごろから高いスキルを磨いてきたプログラマーたちがチーム戦に参加することで、新たな切磋琢磨の場が生まれることを期待しているのです。

出場前に過去問題で対策しよう

PG Battleに参加したい方は、まずは過去問題にトライしてみましょう。どんな問題の傾向があるのか探ってみると良い試験対策になります。今年2023年大会の問題と解答は、「PG BATTLE 2023 問題一覧」で閲覧できます。

参考までに以下に3つの異なるレベルの問題を示します。前出のように問題レベルは3段階に分かれていますが、同じレベルでも問題の難易度が異なっています。

【ましゅまろ】難易度1:物理現象グラフィックバトル

image1.png

【せんべい】難易度2:7番勝負

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【かつおぶし】難易度3:階上の桁数

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ここでは特に紹介していませんが、より長文で、問題の意味や条件をしっかり把握しなければならない問題も多くあります。そのため90分間という制限のなかで、解きやすそうな問題から手を付けて、余った時間で面倒な問題にチャレンジするなど、時間配分を考えながら挑戦すると、余裕をもって問題を解けるでしょう(なかには、あっという間に問題を解いてしまうツワモノもいますが......)。

まとめ

PG BATTLEは、プログラミング競技の世界では珍しい団体戦なので、堅苦しく考えることなく、単純に楽しめるイベントとして参加する人も多いようです。仲間同士、コミュニケーションを深めながら、大会を盛り上げていきましょう。

またプログラミングのスキルを測る方法がほとんどない状況のなかで、自分のスキル水準を客観的に知るモノサシにもなるでしょう。競技に参加して、相対的な順位と自身の実力を知り、スキルアップのモチベーションにもつなげられると思います。

ぜひ、PG BATTLEに参加し、プログラミングの腕試しをしてはいかがでしょうか?

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監修: Qbook編集部

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バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。