<PICK UP> JSTQB FL試験対策なら「テス友」
【2021年1月追記】2020年6月28日にもシラバスがバージョンアップされました。最新バージョンに対応した試験対策なら「テス友」をご利用ください。
はじめに
バルテスで、テスト業務に関する研究開発、人材育成を担当している三堀と申します。
以前に、ソフトウェアテストの資格の1つである「JSTQB 認定テスト技術者資格」(以降、JSTQBと呼称)をご紹介させて頂きました。(/column/20180427_623.html)
この資格は2つのレベルがあり、そのうち基礎編ともいうべきレベルとして「Foundation Level」(以降、FLと呼称)があります。FLは毎年8月と2月に試験があり、次の試験は2020年2月8日に行われるのですが、実はこの2020年2月8日の試験、これまでとは大きく変わる点があります。
変更点は既にJSTQBのWebサイト(http://jstqb.jp/attribute.html)に掲載されているのですが、「じつはいまいち良く分かってない・・・」という方いらっしゃるのではないでしょうか。試験の内容に関わるため、きちんと押さえておかないと、勉強の成果を十分に発揮できなくなってしまうかもしれません。
そこで、本稿では「2020年2月JSTQB FL試験 対策講座【シラバス改定されました】」と題し、2020年2月8日試験から変わるポイントを解説いたします。試験対策にぜひお役立てください。
試験内容変わるなんて聞いてない!何が変わってしまうの?
シラバスが変わります。
JSTQBの試験では、シラバス(学習事項)というものがあり、試験の問題はシラバスに沿って出ます。シラバスというのは、「教科書」のようなものと思ってください。そして、FLのシラバスが2018年に大幅改定(メジャーアップデート)されたのですが、この改定内容が試験に適用されるタイミングが2020年2月8日の試験なのです。
試験勉強している方は、いますぐ使用しているシラバスの表紙やファイル名を確認してみましょう。「Version 2011.J02」と表記されていませんでしょうか?2020年2月試験で適用されるシラバスのバージョンは「Version 2018.J03」です。
「どうしよう・・・、2011年版で勉強していた・・・」
愕然としてしまったあなた。ご安心ください。これまでの勉強が無駄になるわけではありません。シラバスの内容がどのように変わったのか?変更された個所を押さえることができれば、大丈夫です。
ここを押さえておけばもう安心!シラバスの変更点
ということで、実際にVersion 2011からVersion 2018へのメジャーアップデートで何が変わったのか解説していきたいと思います。
主なポイントは下記の5つです。
- 本質的なことは変わっていない
- レビューの内容が拡大
- ブラックボックステスト技法の解説がより詳細に
- ホワイトボックステスト技法の難易度が低下
- 用語の追加、変更、削除
※以降の文章の中に「認知レベル」という言葉が出てきます。
「認知レベル」とは、JSTQBが求める学習具合を定量的に表したものです。詳細はVersion 2018.J03シラバスの85ページに記載されていますので、そちらをご参照ください。
1.本質的なことは変わっていない
メジャーアップデートにより、シラバスの記載内容に変更が加えられますが、シラバスの目的、章の構成などは変わりません。つまり、シラバスを通して受験者に学んで欲しい内容そのものに変更はないのです。
試験実施要領も変更はありません。試験時間は60分、出題数は40問、選択肢から正解を選ぶ、マークシート形式です。
既にJSTQB FLを取得している方の中には
「ひょっとして、もう1度試験受け直さなければならないのか・・・?」
と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。既に取得されているFL資格はそのまま有効です。
2.レビューの内容が拡大
今回のメジャーアップデートでは1点だけ新規で追加されたものがあります。それが「レビュー技法」についてです。
Version 2011では全く触れられていませんでしたが、Version 2018では認知レベル「K3」で第3章に追加されています。必ず押さえておきましょう。
3.ブラックボックステスト技法の解説がより詳細に
ブラックボックステスト技法の解説がVersion 2011より具体的になっています。
例えば、「同値分割法」では
- 有効同値クラスと無効同値クラス
- 同値分割で対象となるデータ要素とパラメータ
- 無効同値クラスをテストする際の注意点
の解説が追記されています。
他にも「境界値分析」、「デシジョンテーブルテスト」、「状態遷移テスト」、それぞれで新たな解説が加わっています。
より詳細に記載されたということは、この部分は試験に出るかもしれません。要注意です。
4.ホワイトボックステスト技法の難易度が低下
Version 2011では認知レベル「K4」でしたが、Version 2018では「K2」へ下がりました。
「ステートメントカバレッジ」と「デシジョンカバレッジ」のみに触れており、「条件カバレッジ」、「複合条件カバレッジ」の記載が無くなっています。
ホワイトボックステスト技法を重点的に勉強しようとしていた方は、その時間は他の章の勉強に回した方が良いかもしれません。
5.用語の追加、変更、削除
用語の変更も行われました。変更要因は大きく2種類に分けられます。
1つは『用語の扱いそのものが変わったもの(ISTQBにおいても変更されている)』、もう1つは『日本語訳が変更されたもの(ISTQBでは変更が無い)』です。
それぞれ下記にまとめました。
<用語の扱いそのものが変わったもの>
- インシデントレポート → 欠陥レポート
※「インシデント」という用語が削除- テスト設計技法 → テスト技法
※テスト設計だけに使われるわけではないため変更- テストプロセス定義の変更
【Version 2011(2つのプロセスで1セットになっていた)】
「計画とコントロール」
「分析と設計」
「実装と実行」
「終了基準の評価とレポート」
「終了作業」
【Version 2018(各プロセスが個々に分かれた)】
「テスト計画」
「テストのモニタリングとコントロール」
「テスト分析」
「テスト設計」
「テスト実装」
「テスト実行」
「テスト完了」
<日本語訳が変更されたもの(用語の意味は変わらない)>
- 同値分割 → 同値パーティション
(同値分割法はそのまま同値分割法)- 保守テスト → メンテナンステスト
- 回帰テスト → リグレッションテスト
- 方法論的戦略 → 系統的戦略
- 公式レビュー → 形式的レビュー
ここでのポイントは、「扱いが変わった言葉」と「訳だけ変わった言葉」があること。
この違いをきちんと押さえておきましょう。
以上が、メジャーアップデートによるシラバスの変更点となります。
5つのポイント。結局どれが一番重要なの?
重点を置くべきと思われるのは、
2.レビューの内容が拡大
3.ブラックボックステスト技法の解説がより詳細に
5.用語の追加、変更、削除
ではないでしょうか。
新しく追加された「レビュー技法」。
より詳細に記述されている「ブラックボックステスト技法」。
これら新しく追記された内容は理解しておくべきでしょう。
そして変更された用語。
試験では、シラバスの内容を理解している前提で問題が出ます。つまり、問題に使用される用語もシラバスに沿った内容で出てくるわけです。用語の変化を分かっていないと、問題を誤解してしまう恐れがあります。言い方だけ変わった言葉は何なのか?意味も変わった言葉は何なのか?その違いを把握しておいた方が良いでしょう。
変更点分かったけど、試験日も迫ってきているし不安・・・
ここまでシラバスの変更点について解説してきましたが、
「今から変更点を勉強したとしても身に付くかどうか・・・」
「最新版に対応した教材用意しないと・・・」
など、不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。
そんな皆様へ。
以前にご紹介いたしました(/column/20180427_623.html)、弊社バルテスが開発したJSTQB FL試験対策アプリ「テス友」。この度、最新シラバスに対応した新バージョンをリリースいたしました。
※Android版は2019年12月6日、iOS版は12月23日にリリースしております。
「テス友」は、演習問題を実施できるだけでなく、新シラバスの閲覧も可能です。演習問題にチャレンジして、解答できなかった新シラバス変更点をそのまま確認する。非常に効果的な対策が可能です。
ぜひ、ご活用ください!
おわりに
2020年2月8日の試験から、最新化されたシラバス「Version 2018.J03」が適用されます。
本稿で紹介した5つの変更点、
- 本質的なことは変わっていない
- 第3章に「レビュー技法(K3)」が新規追加
- ブラックボックステスト技法の解説詳細化
- ホワイトボックステスト技法の難易度低下
- 用語の追加、変更、削除
を、バージョンアップした「テス友」で対策して、ぜひ合格を勝ち取ってください!
関連サイト
JSTQB 認定テスト技術資格 公式サイト
JSTQB 認定テスト技術資格についての費用や受験方法、シラバスなど記載されています。
http://jstqb.jp/index.html