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Androidアプリのツボ  第13回 : Android開発のためのAnt、Jenkins活用方法
前回の連載ではAndroid開発でJenkinsを導入するための基本的な手順について解説しました。
しかし、実際にプロジェクトに適用する場合に知っておいた方が便利なことがたくさんあります。
この記事では、JenkinsでAndroidアプリをビルド・テストするためのより高度な設定方法などについて解説します。

次章以降で、以下の方法について解説します。

1.Antをさらに活用する
 ・Antでビルドするための解説
 ・署名を自動化する
 ・生成されるAPKファイル名をカスタマイズする
2.Jenkinsをさらに活用する
 ・Jenkinsのアップデートや再起動
 ・Jenkinsの起動オプション変更(ポート番号やメモリの設定変更)
 ・テスト結果をテストレポートとして見やすく表示する
 ・いろいろな環境でテストする(マルチ構成プロジェクト)
 ・Jenkinsの便利なプラグイン
3.Jenkins x Android はまるポイント


1.Antをさらに活用する

前回の記事では、Antを利用してJenkinsでビルドやテストを行いました。
androidコマンドで自動生成される設定そのままでビルドしましたが、実際の開発でAntを利用する場合は独自の設定が必要になることもあります。

著者:宮田 友美
株式会社オープンストリーム(http://www.opst.co.jp/)において、アーキテクトとしてAndroidの調査・研究および案件支援に従事。約1年の育児休業を終え、2013年4月から職場に復帰。一児の母として業務に勤しむ毎日を送っている。Androidテスト部部長( http://www.android-tec.org)。

今回は、Antの設定を変更して、APKファイル名を変更する方法やAntで署名する方法について解説します。


Antのビルドファイル作成について

カスタマイズ方法を解説する前に、まずはAntのビルドファイルについての解説を行います。
どのファイルをバージョン管理対象とするか、バージョン管理対象からはずすか、また利用するファイルの解説を行います。

ビルドファイル作成
前回の記事でも少し解説しましたが、androidコマンドでAntのビルドファイルを自動生成することができます。Antのビルドファイルを生成するためのコマンドは以下の通りです。

通常のAndroidプロジェクト
  android update project -p [Androidプロジェクトのパス]

Androidテストプロジェクト
  android update test-project -p [テストプロジェクトのパス] -m [テスト対象プロジェクトのパス]


これらのコマンドを実行すると、以下のファイルが生成されます。
以下の2つのファイルは、実行環境に依存した情報が記述されています。バージョン管理の対象外にしておくとよいでしょう。

build.xml
 ・ビルドファイル。Antでのビルドで使用します

local.properties
 ・コマンドを実行した環境での、Android SDKのパスを保存

ここで具体的なコマンドの例を見てみましょう。
 /MyProject ・・・テスト対象プロジェクト
 /MyProjectTest ・・・テストプロジェクト

上記のようなディレクトリ構成となっている場合、次のようなコマンドを実行します。

MyProjectのルートディレクトリでコマンドを実行
 android update project -p .
MyProjectTestのルートディレクトリで以下のコマンドを実行
 android update test-project -p ../MyProjectTest -m .


Antを利用してビルド・テストする

ビルドファイルができたら、実際にビルドやテストを試してみましょう。

ビルドするためのコマンドは以下のようになります。

 ant clean debug

cleanでは、classファイルの出力先ディレクトリ(デフォルトではbin)と自動生成されるファイルの出力先ディレクトリ(デフォルトではgen)を削除します。

debugでは”プロジェクト名-debug.apk”というファイルを出力します。プロジェクト名はデフォルトではメインアクティビティ名になります。
変更したい場合は、android update project コマンドで、--nameオプションをつけます。

 android update project -p . -n [プロジェクト名]

テストをするためのコマンドは以下の通りです。

 ant clean debug installt test

このコマンドを実行すると、テストプロジェクト、テスト対象プロジェクトの両方をビルド、インストールしテストを実行します。


Antでのビルドをカスタマイズするためのファイル

androidコマンドで自動生成されたファイルは、自分で変更してはいけません。
自動生成されるビルドファイルの内容はAndroid SDKのバージョンに依存しているため、ビルドを実行する環境ごとに自動生成するべきだからです。
このファイルを自分で編集すると、自動生成した後に、自分がカスタマイズした箇所をマージしてあげる必要がでてしまい、運用が大変です。

編集しないファイル(バージョン管理しない)
 ・build.xml
 ・local.properties

ではビルドをカスタマイズするためにはどうするかというと、以下のファイルを作成します。

編集するファイル(バージョン管理する)
 ・ant.properties
 ・custom_rules.xml

ant.propertiesは、Antでビルドする際に参照するプロパティを登録するファイルです。${ANDROID_HOME}/tools/build.xmlに定義されているプロパティもこのファイルに定義し直すことで値を変更することが可能です。
custom_rules.xmlはAntのtargetを定義することができるファイルです。独自のtargetを定義したい場合は、build.xmlではなくcustom_rules.xml を編集します。


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