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イベント・セミナーレポート 第6回:JaSST’13 Tokyo(前編)

今回から2回にわたり、Qbookもメディアスポンサーを務める


『ソフトウェアテストシンポジウムJaSST’13 Tokyo』
http://www.jasst.jp/symposium/jasst13tokyo.html
日程:2013年1月30日(水)~31日(木)
場所:目黒雅叙園(東京・目黒)


についてイベントレポートをお届けする。

前編となる今回は、Dorothy Graham女史の基調講演とQbook独占インタビューとなる。
後編は、シンポジウムで開催された上記以外の講演について掲載する予定。



基調講演「Challenge in Software Testing(ソフトウェアのチャレンジ)」

はじめに


基調講演を飾ったのは、40年間に渡って情報産業本場の米国と英国でソフトウェアテストに携わり、現在は英国でソフトウェアテストの専門コンサルタントを務めるDorothy Graham氏。

Dorothy氏は、

1. 過去から現在に至るまでのソフトウェアテストの状況変化

2. 最近のテストに対する実践的アドバイス

3. 未来に向けた提言

という3部構成のテーマで進められた。



1. 過去から現在に至るまでのソフトウェアテストの状況変化

 Dorothy氏は、ソフトウェアテストの歴史と状況変化を、’70年代及びそれ以前、’80年代、90年代、と、10年ごとに分けて語られた。
 特に、’60年代から’70年代にかけてソフトウェアテストに関する最初の書籍が登場したものの、専業のテスターは未だ存在していなかった時代、’80年代にIEEE829をはじめとしたソフトウェアテストに関する標準規格が登場したものの、テストの重要性は高くなかったことから、テスターは余り評価されず、開発者の方が圧倒的に高い評価を与えられていた時代、’90年代になって初めてテストに関するカンファレンスの開催と、様々な文献が出版され、品質管理の重要性と共にテスターの価値が向上し始めた時代、のそれぞれに関して、ソフトウェア技術の変化と進化も織り交ぜ、過去どのような課題があり、乗り越えてきたかについて言及された点は、テスターのみならず、開発者にとっても感慨深いものであったに違いない。

 そして、西暦2000年以降から現在にかけて状況が大きく変わり、開発者自身もテストの重要性を認識してきたこと、開発技法の進化に応じてテスト技法も進化してきたことを、具体例と共に述べられた。
 中でも、Dorothy氏が2002年の正式発足前から関わってきた、ソフトウェアテストの国際的な標準資格認定団体であるISTQB(International Software Testing Qualifications Board)と、同団体による資格制度の重要性を強調され、ISTQBの発足以前には、多種多様かつ差異のあったトレーニングシステムや、専門知識及びスキルの共有が困難であった時代から、共通のシラバスによるレベルの統一化を実現することで、それまで評価の高くなかったテスターという存在を、今や尊敬される存在にまで高めた意義は大きいと語られた。
 なお、ISTQBの資格制度に対するアンチテーゼとしての批判的意見もあるが、これらの意見は抑々ISTQBの発足当時に共有されていた、テストにおける専門的スキルを身に着けることの意味を正しく認識していないとDorothy氏は一刀両断している。

 また、昨今、専門性の上昇とダイナミックな技術的変化が起こっているにも関わらず、マネジメント層は相変わらずテストに対して理解が不足しており、大学においてもテスト教育が不足していると指摘しています。更に、新たな開発技術は増加しながら日進月歩していることに対して、テスト技術は未だ「途上」との認識をされていた。
 従って、開発技術の増加や進化に合わせて、今後も引き続きテスト技術は改善されるべきだとDorothy氏は結ばれた。

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