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スキルアップ 2024.04.18
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これが無料!? 企業が公開するエンジニア向け研修資料 9選と資料作成のポイント

執筆: Qbook編集部

ライター

これが無料!? 企業が公開するエンジニア向け研修資料 9選と資料作成のポイント

最近は、企業が社内のエンジニア向けの社内研修資料を社外に公開しているケースが多く見られます。シニアクラスのエンジニアが見ても「これが無料で?」と驚くほど、内容のクオリティが高いものが多く、特に駆け出しエンジニアにとってはどれも大変参考になる資料であるといえます。

今回は、参考になる有名企業9社のエンジニア研修資料を紹介します。エンジニア研修資料を作成するポイントもお伝えするのでぜひお役立てください。

もくじ
  1. 各企業が公開するエンジニア研修資料 9選
    1. サイボウズ
    2. リクルート
    3. MIXI
    4. pixiv
    5. 日本経済新聞
    6. メルカリ
    7. GMOペパボ
    8. サイバーエージェント
    9. ブレインパッド
  2. エンジニア研修資料を作成する際の4つのポイント
    1. 受講者のレベルに合わせた内容にする
    2. 伝えるべき内容を作成前に洗い出す
    3. 必要以上の情報を入れない
    4. 実践パートを盛り込む
  3. まとめ:研修資料をスキルアップや新人教育に役立てよう

1.各企業が公開するエンジニア研修資料 9選

本記事では、9社のエンジニア向け研修資料をピックアップしました。こうした資料を公開している企業の多くはIT企業ですが、近年では非IT企業でも公開の動きが見られ始めています。

1-1 サイボウズ

グループウェアなどのクラウドサービスを提供するサイボウズ株式会社は、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、ソフトウェアテストやセキュリティなどに関する資料を閲覧可能です。

ソフトウェアテストの研修資料を見ると、前提知識の少ない新人に向けてテストの概要や重要性からわかりやすく説明しています。導入部分では、受講者に問いかけることで自然に対話が生まれる構成となっており、講師と受講者の距離を縮める工夫が見られます。また、全体的に1スライドの文章量を抑えて読みやすくしているのもポイントです。

なお、同社のようにYouTubeで実際の研修の映像を公開している企業もあります。研修資料の使い方や講義の進め方も参考にしたい場合は、企業のYouTubeチャンネルもチェックすると良いでしょう。

1-2 リクルート

求人サイトをはじめとする人材系のサービスを幅広く提供する株式会社リクルートは、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、エンジニアの心構えやプログラミング言語などに関する内容を閲覧可能です。

エンジニアの心構えに関する研修資料は、技術書の出版関係者が手掛けており、エンジニアを続けていくうえでのコツを多数紹介しています。著名な技術者の体験談や有名人の名言などを豊富に入れることで、説得力をプラスしているのがポイントです。画像やイラストなどを多用し、見た目にも飽きさせない工夫が盛り込まれています。

なお同社の研修資料のように、書籍やサイトなどから引用する場合は引用元を明記しましょう。

1-3 MIXI

SNSやスマホゲームなどを提供する株式会社MIXIは、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、データベースやアプリ開発など技術的なテーマに関する内容を閲覧可能です。

Androidアプリ開発の研修資料を見ると、Androidアプリが動く仕組みや開発環境からわかりやすく解説しています。技術的な要素ながら、豊富な図解やアニメーションを用いて初心者でも理解しやすく表現しているのがポイントです。途中からは簡単なアプリ開発を実践できる内容となっているため、受講者の知識が定着しやすいでしょう。

1-4 pixiv

イラストコミュニケーションサービスを提供するピクシブ株式会社は、社員ブログで研修資料を公開しています。他社のようなスライドは少ないものの、研修用の独自チュートリアルサイトやソースコードなどを閲覧可能です。

この資料としては、「お絵描きSNS」の開発実践を通じてiOSアプリ開発を学べるチュートリアルサイトを公開しています。1つずつ課題を解決していきながら、iOSアプリが完成するまでの流れを体感できるのがポイントです。操作手順やサンプルコードが豊富にあるため、初心者でも実践しやすいでしょう。

1-5 日本経済新聞

新聞の出版だけでなく電子メディアにも力を入れている株式会社日本経済新聞社は、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、セキュリティに関する内容を閲覧可能です。

資料では、セキュリティの定義から丁寧に解説しています。専門的な内容ではあるものの、図解やクイズを盛り込み受講者の学習ハードルを下げているのがポイントです。「日経電子版」における事例を盛り込むなど、同社ならではの工夫も見られます。

1-6 メルカリ

フリーマーケットサービスを提供する株式会社メルカリは、社員ブログで研修資料を公開しています。

この独自の技術研修「DevDojo」の資料では、機械学習やモバイル開発といった技術的なテーマに関する内容を閲覧可能です。ただし、多くのスライドは英語で表記されています。

同社で採用されている開発手法である「スクラム開発」に関する研修の動画では、スクラム開発の基礎知識から丁寧に解説しています。文章量は全体的に多いものの、フォントを細かく調整することで読みやすくしているのがポイントです。専門的な話が多いものの、ケーキ屋の例え話を取り入れるなど、わかりやすくする工夫が見られます。

1-7 GMOペパボ

レンタルサーバーやEC支援サービスを提供するGMOペパボ株式会社は、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、Web開発やモバイル開発に関する内容を閲覧可能です。

「覚えておきたい5つのこと」という研修資料では、プログラミング言語のJavaScriptやTypeScriptの概要について解説しています。サンプルコードや図解が充実しており、全体的に見やすくしているのがポイントです。JavaScriptの章には実践パートがあり、受講者がプログラミングを体験できる内容となっています。

1-8 サイバーエージェント

スマホゲームやメディアを提供する株式会社サイバーエージェントは、社員ブログで研修資料を公開しています。

この資料では、チーム開発の進め方やソースコードの品質などに関する内容を閲覧可能です。

「エンジニアとしてのプロダクト貢献」という研修資料では、プロダクトとの向き合い方に関するヒントが紹介されています。ポイントを押さえた文章と充実した図解により、直感的に理解しやすくしているのがポイントです。プロダクトを作る理由からエンジニアとしての貢献方法まで、全体的に視認性の高さが際立っています。

1-9 ブレインパッド

データ活用を軸にしたサービスを幅広く提供する株式会社ブレインパッドは、独自プロジェクト「OpenBrainPad」で研修資料を公開しています。

研修の実施年度などは明記されていませんが、データ活用や開発ツール・技術に関する内容を閲覧可能です。

「Gitハンズオン研修」の資料では、バージョン管理システム「Git」の基本について解説しています。充実した実践課題に加えて、想定質問への回答や途中段階での要点整理など、初心者が挫折しないための工夫が豊富です。また図解がわかりやすく、スライドにも統一感があるため、読み手に優しい資料という印象を感じられます。

2.エンジニア研修資料を作成する際の4つのポイント

今回紹介したのは9社だけですが、エンジニア向けの研修資料と一口にいっても各社工夫をこらせて制作しており、様々な内容のものが存在することがわかります。これらはあくまで参考であり、自社で研修を実施する場合、研修目的に合わせたカリキュラムの精査が求められるでしょう。エンジニア研修資料を作成する際に押さえておきたいポイントは、次の4つです。

2-1 受講者のレベルに合わせた内容にする

エンジニア研修資料の内容は、受講者のレベルに合わせましょう。たとえば、同じ新卒エンジニア研修でも、企業の採用条件によっては受講者のスタートラインが変わってきます。高度すぎる内容では理解が難しくなり、易しすぎる内容では退屈に終わるでしょう。研修の効果を高めるためには、受講者のレベルを事前に把握し、それに合わせて資料を作ることが理想です。

2-2 伝えるべき内容を作成前に洗い出す

研修資料を作り始める前に、伝えるべき内容を洗い出しましょう。伝えるべき内容が漏れていれば、研修の品質は下がりやすくなります。作成を始めてからだと、途中で気付いた際に調整が大変になるため、事前に洗い出しておくことが大切です。そのうえで、スライドの全体構成から作り始めると良いでしょう。

2-3 必要以上の情報を入れない

伝えるべき内容を厳選し、必要以上に情報を入れないようにしましょう。研修資料は、あくまで受講者がポイントを理解しやすくするものです。情報を詰め込みすぎるとスライドが乱雑になり、かえって理解しづらくなります。講師が口頭で補足すれば済むレベルの情報は省略することも考えましょう。

2-4 実践パートを盛り込む

ただ知識について説明するだけでなく、実践パートも盛り込むことを意識しましょう。座学中心の研修では、受講者が受け身になりやすく、知識が定着しづらいです。その点、実践パートがあると受講者が能動的に考え、体験できるため知識の定着が加速します。実践パートがある旨は、研修の冒頭に伝えると、受講者の参加意欲が高まるでしょう。

まとめ:研修資料をスキルアップや新人教育に役立てよう

今回ご紹介した資料には、エンジニアの方に役立つ内容が詰まっています。年ごとに最新の情報が確認できますし、研修用のためわかりやすく解説されているケースも多いです。

これからよりエンジニアとして知識を蓄えていきたい方は、ぜひチェックされてみてはいかがでしょうか。また、エンジニアを育成していきたい研修担当の方にとっても資料作成の参考になるでしょう。

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執筆: Qbook編集部

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バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。