テスト計画の基礎

テストの要求分析

計画を立案する前にすべきこと

そのテストが成功するか失敗してしまうのか、多くはテスト計画で決まると言って過言ではありません。
そのテストを計画する前に、行うべきものがあります。

  • 要求を整理し、正しく理解する
  • 状況を整理し、正しく理解する
  • 未決事項・課題・リスクを整理し、戦略を練る

要求を整理し、正しく理解する

いかに技術的に秀でたテストを実施しても、顧客から求められるものに沿ったものでなければ、意味はありません。
そのため、さまざまな計画を検討する前に、まず、顧客やステークホルダから「何に対し、どんなテストを実施するよう求められているか」を確認します。
テストへの要求の、主な確認事項は以下のとおりです。

  • テスト対象は何か
  • テストの範囲は何か(特に他システムと関連する部分)
  • テストの規模はどの程度か(機能数や画面数や開発量など)
  • テストレベルは何か
  • 求められているテストタイプや観点(テスト条件)は何か
  • 顧客・ステークホルダが特に重視しているのは何か
  • テストの期間・コストはどれくらいか

上記の「テストへの要求」を明らかにする際には、なぜそれが要求されているのか、理由や背景も理解するようにします。
理由や背景を理解することで、開発プロジェクトが置かれた状況をより深く理解できます。ひいては、未決事項・課題・リスクの抽出に役立ちます。

状況を整理し、正しく理解する

テスト計画を策定するためには、テストへの要求だけでなく、ソフトウェアの開発状況や顧客・ステークホルダの状況なども整理していきます。
主な確認事項は以下のとおりです。

開発規模(プログラムStep数など)
開発難易度(スクラッチ開発、中核部分に大規模改修、新しい要素技術など)
開発スタイル(ウォーターフォール型開発、アジャイル型開発など)
仕様の明瞭さ(仕様書はそろっているか、曖昧でないかなど)
開発でのレビューの実施状況、前工程でのテストの実施状況
開発プロジェクトの進捗(何がオンスケジュールで、何が遅れているのか、及びその理由)

これらを確認するのは、以下を検討し、計画に反映するためです。

テストはどんなものが必要で、どのように進めるか
仕様理解など、テストの設計・準備・実施の他に必要な作業は、何がどの程度か
品質の良い・悪いはどの程度か、各タスクはどの程度の工数が必要か
未決事項・課題・リスクは何か

未決事項・課題・リスクを整理し、戦略を練る

テストに求められているもの、開発の状況を整理したら、更に、未決事項・課題・リスクの整理を行います。

<未決事項>

まだ正式決定されていない、合意されていないものを指す。
何が決定事項か未決事項か、意外に曖昧なことが多い。
一つひとつを確認し、未決事項であれば、その影響範囲、重要度によって、対処の優先順位を設定する。

<課題・リスク>

課題とリスクの違いは、以下のとおり。
課題 :既に何か問題が発生しており、それをいかに解決するか
リスク:まだ問題は発生していないが、未来に発生することが危ぶまれるもの

上記を踏まえて、計画を練っていく中で行いたいことは以下の二点です。

  • 未決事項や課題には、早期に適切に対策し、それを計画に盛り込む。
  • リスクを管理下に置き、問題そのものを起こさせないようにする。または問題が発生してもダメージがより小さくなるようにする。

まとめ

そのテストが成功するか失敗してしまうのか、多くはテスト計画で決まると言って過言ではありません。
そのテストを計画する前に、行うべきものがあります。

  • 要求を整理し、正しく理解する
  • 状況を整理し、正しく理解する
  • 未決事項・課題・リスクを整理し、戦略を練る

上記によって、要求と状況に沿ったテストを適確に推進できるようにします。

「問題が起きてから対策する」のような「問題の後追い」をせず、未決事項や課題には計画的に対処していきます。さらに、リスクを管理下に置いて問題そのものが発生しないように、マネジメントします。
これらの整理をした上で計画を策定すると、考慮の漏れ抜けが防止でき、細かいところまで気を配り、マネジメント力を強化することができるのです。