書評「現場の仕事がバリバリ進む ソフトウェアテスト手法」

書評「現場の仕事がバリバリ進む ソフトウェアテスト手法」

高橋 寿一/湯本 剛 著, 技術評論社

カテゴリ:テスト

概要

ソフトウェアテスト管理の実践的な入門書。テストのプランニング、テストケースの作成・管理から、バグの管理、品質管理、構成管理、リスク管理、テストチームの運営に至るまでの、ソフトウェアテストにおける基本的な運用・管理方法について詳しく解説した一冊。わかりやすく、かつ日本のソフトウェア開発の実情に合わせた内容となっている。

本書の使い方

第1章~第6章
ソフトウェアテストを運営、マネージメントする上で中心的な業務となる、テスト計画の立案、テスト対象の分析、テストケースの設計・作成・管理の、手法と考え方を、事例に即してわかりやすく学ぶことができる。
ソフトウェア開発、ソフトウェアテストの予備知識と、一定程度の開発・テスト実務経験が前提とされている。

第7章~第9章
第1章~第6章で示された中心的なテスト業務を踏まえたうえで、品質管理、構成管理、リスク管理といった、テスト業務を運営するうえで、さらに押さえておくべき、ポイントを学ぶことができる。実務において役立ち、品質を向上させる多くのヒントが得られる。

第10章
テストチームの運営責任を担うテストマネージャが押さえておくべきポイントを学ぶことができる。筆者の長年のテストマネージャ経験で培われた貴重なヒントが得られる。

何を学べるか

第1章 テストとは?テストのマネージャとは?
ソフトウェアテストとは「バグを見つけること」という定義から始まり、テストチームを率いるテストマネージャに求めらる管理スキルにはどのようなものがあるのかを考察する。

第2章 テストのプランニング
テストの「憲法」ともいえるテスト計画の立て方を解説する。踏むべき手順、必要な項目、陥りがちなミスなどを、実例を踏まえてわかりやすく説明している。IEEE829(ソフトウェアテストドキュメント標準)のテストプランに沿いながら、記載例を示しつつ各項目の要点を解説している。

第3章 テスト対象の分析とテスト設計
テストケースを作成する際に、いきなりテスト設計技法を使おうと思ってもなかなかうまくいかないことを踏まえて、実際にテストケースを作成する際に必要なプロセスを説明する。テスト対象の分析、テスト設計の仕方、テストケースの作成方針の決め方を、具体例を交えてわかりやすく解説する。

第4章 テストケースの管理
テストケースをきちんと書き、きちんと管理することはテスト活動のメインテーマであることを踏まえて、本章では、各種テストのテストケースの書き方、スケジュールの立て方、テストケースの管理の仕方の要点を解説する。

第5章 要求ベースのテスト
「要求が無ければ何のテストもできない」。にもかかわらず、実際の開発現場においては要求のないプロジェクトも少なくない。本章では、テスト可能な要求の書き方について解説する。また、要求として記述があいまいになりがちな非機能要求に関するテストについて解説する。

第6章 バグの管理(障害管理)
バグ管理には「バグの追跡」と「バグの情報収集・分析」の2つの側面があることを述べ、考察を加える。バグ報告の仕方、バグが発見されてから修正されるまでのライフサイクル、見つけたバグの分析事例、バグ管理ツールなどを解説する。

第7章 本当の品質とは(品質管理)
品質を管理するためには、品質に対する適切な定義と尺度が必要になる。筆者は『Good Enough Qualityソフトウェア=てーげーソフトウェア』 という言葉を引き、現実的かつ適切な品質の定義、尺度を考察する。

第8章 品質の足腰(構成管理、統合、ビルド)
システムの複雑化、増大化に伴い、構成管理体制がまずかったために起こるバグが増えていることを踏まえて、「構成管理上で起こるバグ」を見つけるための「構成管理テスト」と、「ソフトウェアの統合で起こるバグ」を見つけるための「統合テスト」、「デイリービルド&スモーク・テスト」を解説する。

第9章 リスク管理
リスク管理はもっとも困難で重要なものであることを踏まえて、ソフトウェア開発におけるリスクを「製品品質に関するリスク」、「テストチーム運営に関するリスク」、「大規模プロジェクトでのリスク」の3つに分類して、考察する。

第10章 テストチームの運営
課、あるいは部としていかにテストチーム(品質保証チーム)をマネージするかについて解説する。ゼロからテストチームを人員構成する際の要点、お金に絡む仕事として品質コストの見積もりや、コストの減らし方、チームメンバーの採用・面接の要点、メンバーのモチベーションの維持・向上、チーム内の良好な人間関係の維持、アウトソーシングの活用法などが述べられる。