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書評「プロセス改善ナビゲーションガイド ~プロセス診断活用編~」

情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター (編集) , オーム社

マネジメント

概要

プロセス改善を行うにあたっては、アセスメントモデルの選定が必要となる。国際標準であるISO/IEC 15504をベースとして、アセスメントモデルの考え方、既存モデルの活用や、モデルを自作する際の注意点、ヒントをまとめた一冊。
プロセスアセスメント実務の基礎を学びたい人に好適であり、初学者は本書のシリーズである、前著「なぜなに編」の後に、合わせて読むことを勧める。

本書の使い方

第1章~第2章:プロセス改善と、アセスメントについて概要を知ることが出来る。
第3章~第5章:自組織に合ったアセスメントモデルを選択、あるいは自作してアセスメントを行う際の考え方を知ることが出来る。

何を学べるか

第1章 プロセスアセスメントの活用
本章ではプロセスアセスメントの概略と、その結果得られる情報をどのように見て、活用するのかを解説する。 アセスメントは事業目的に沿って設定したゴールに対して、現状を確認する「診断」であると著者は説明する。そしてアセスメントの結果として得られるものとしてSWOR、改善提案、能力水準の3つがあることを解説する。また改善計画の策定の仕方や、幅広く発注先も含めてアセスメントする際に考慮点すべき点なども説明する。

第2章 アセスメントモデルを活用するにあたって理解しておきたいこと
本章では、アセスメント活動では何をするか、その具体的なイメージを読者が理解できるよう説明していく。アセスメントのフローとして、計画、データ収集、妥当性確認、評定までのながれを解説する。 次にプロセスアセスメントに必要な役割、登場人物を説明する。そしてプロセスアセスメント実施前に決めておくべき、入力となる事項と、出力となる事項を説明する。また、診断の「物差し」であるアセスメントモデルについて説明する。

第3章 組織の能力を測る道具
診断をするには、共通の「物差し」がなければならない。本章では、その物差しであるアセスメントモデルを、国際規格であるISO/IEC 15504に沿って、その概要を説明する。 個々の仕事を、抽象的な括りにしてモデル化した「プロセス参照モデル」の考え方、実際の診断で用いる尺度であるプロセス能力、診断の手順であるアセスメント手法などを紹介する。 また後半では、自分たちでアセスメントモデルを作る際の注意点やヒントを詳しく解説する。

第4章 国際規格15504への適合性検証
個々のアセスメントモデルが、相互に参照可能なものであるように、国際規格15504はアセスメントモデルが満たすべき要件をさだめている。本章では、国際規格15504が定める合要件の概要を説明する。また、要件に適合しているか検証する際の具体的な指針についても説明する。

第5章 アセスメントの実施
本章では、アセスメントを実際に行う際のフローに沿いながら、具体的に、何を計画し、実行するのかを解説する。 アセスメントモデルやアセッサの選定、アセッサへのプロセスアセスメント実施の依頼、入力に必要な情報の整理、アセスメントチームの設立などアセスメントにかかわるリソースの確保、プロセス改善ならびにプロセスアセスメント実施に対する動機づけ、アセスメント結果の報告までを説明する。