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AI時代に注目のG検定とは?受験資格や難易度、ポイントを紹介
開発に役立つ生成AI
開発に役立つ生成AI 更新日 2025.09.08
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AI時代に注目のG検定とは?受験資格や難易度、ポイントを紹介

監修: 小島 友美

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 上席研究員

近年、AI(人工知能)技術の進化は著しく、私たちの暮らしやビジネスのあり方に大きな変化をもたらしています。このAI時代において、AIに関する知識やスキルの重要性はますます高まっています。

その中で、自己啓発やキャリア形成の手段として注目されているのが「G検定」です。

本稿では「G検定とは何か」をテーマに、試験の基本情報から解説します。G検定の難易度・合格率や合格のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

もくじ
  1. G検定とは:JDLAが実施するAI・ディープラーニングの試験
    1. 証明できる知識・スキル
    2. E資格との違い
  2. G検定の基本情報
    1. 受験資格
    2. 実施概要
    3. 受験料
    4. 試験日程
    5. 難易度・合格率
  3. G検定を受験するメリット
    1. AI人材を目指しやすくなる
    2. AI・ディープラーニングの体系的な知識が身につく
    3. 人脈の拡大を図れる
  4. G検定の取得を成功させるポイント
    1. 受験日を見据えて学習計画を立てる
    2. 過去問題集や参考書を活用する
  5. まとめ

1. G検定とは:JDLAが実施するAI・ディープラーニングの試験

G検定とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する民間資格です。AIやディープラーニング(深層学習)に関する知識・スキルが問われます。

ディープラーニングとは、人間の脳構造を模した「ニューラルネットワーク」を用い、AIに高度な学習を行わせる手法のことです。ディープラーニングが普及し、AIの性能・精度は飛躍的に向上しました。そのディープラーニングを通して、日本の産業と社会の発展を目指す団体がJDLAです。

G検定は、ビジネスにおけるAIやディープラーニングの活用に焦点を当てています。G検定の「G」は、Generalist(幅広い知識やスキルを持つ人)の頭文字です。技術面を深く掘り下げるよりも、全体像や体系的な知識を幅広くカバーする内容となっています。

1-1. 証明できる知識・スキル

G検定に合格することで、AIとディープラーニングの活用に必要となる広範な知識・スキルを持っていると客観的に証明できます。たとえば、AIの基本的な仕組みや関連する法律・倫理、ディープラーニングの具体的な手法やアルゴリズムなど、多岐にわたります。

G検定は、ビジネスでAIやディープラーニングを取り入れるための素養が試される資格です。AI開発に携わるエンジニアでなくても受験しやすく、企画・営業・管理職など、AI導入を判断する立場の方にも有用といえます。

1-2. E資格との違い

G検定と同様に、JDLAが主催するAI関連の資格に「E資格」があります。両者の違いを押さえておきましょう。

E資格の「E」はEngineer(エンジニア)の頭文字から来ています。つまり、AIやディープラーニングに携わるエンジニア向けの資格です。E資格は、理論や実装といった技術面に重点を置いており、より実践的で専門的な内容が問われます。

たとえば、E資格ではAIの主要な開発言語である「Python」を用いたプログラミングや、数学的な理解が要求される問題なども出題されます。一方、G検定ではコードの記述やアルゴリズムの実装までは求められず、知識ベースの出題が中心です。

そのため、G検定は非エンジニアやビジネス職でも取り組みやすく、AI活用の入り口としても適しています。

2. G検定の基本情報

G検定を受験する前に、受験料や試験日程など、基本的なことを知っておきましょう。ここでは、G検定に関する5つの基本情報についてお伝えします。なお、2025年7月時点での公式サイトの情報にもとづき記載しています。

2-1. 受験資格

G検定を受験するために特別な資格は必要ありません。年齢や職歴、学歴を問わず、誰でも受験できます。AIやディープラーニングに関する知識・スキルを証明したい方は、気軽に受験を検討すると良いでしょう。

2-2. 実施概要

G検定は、インターネットを通して受験する「IBT(Internet Based Testing)方式」の試験です。そのため、インターネット環境があれば、自宅のパソコンから受験できます。

試験時間は120分で、複数の選択肢から正しい答えを選ぶ多肢選択式です。出題数は約160問とボリュームがあるため、時間配分を意識しながら効率よく解答することが求められます。

2-3. 受験料

G検定の受験料は一般が13,200円(税込)、学生が5,500円(税込)です。学生として受験する場合、学生証の提示が必要となります。

支払いは、クレジットカード決済やコンビニ決済が利用できます。各種割引制度を適用できるケースもあるため、最新の情報は必ず公式サイトで確認してください。

2-4. 試験日程

G検定の試験日程は年ごとに変わるため、必ず開催スケジュールを確認してください。近年では、1年に5~6回ほどの頻度で開催されており、奇数月(1・3・5・7・9・11月)に開催されることが多いです。

また、開催日よりも1週間以上前に申し込みが締め切られるため、余裕をもって申し込みを済ませるのがおすすめです。計画的に準備を進めましょう。

2-5. 難易度・合格率

G検定の難易度は、AIやディープラーニングの基礎知識がある方であれば十分に合格を目指せるレベルです。公式サイトのデータによると、2024年以降の合格率は、おおむね70~80%で推移しています。

事前にしっかりと試験対策を行えば、十分に合格を狙えるでしょう。出題範囲が広いため、体系的な学習が合格への鍵となります。

3. G検定を受験するメリット

G検定を受験するメリットは、スキルを客観的に証明できることだけではありません。G検定を受験するメリットは、主に次の3つです。

3-1. AI人材を目指しやすくなる

G検定に合格すれば、AI人材を目指しやすくなります。G検定を持っていれば、AIやディープラーニングに関する基礎知識とビジネス活用能力を客観的に示せるためです。特に、AIの導入に積極的な企業にとっては大きなアピールポイントとなるでしょう。AI人材としての第一歩を踏み出したい方にとって、G検定は今後のキャリア形成を有利に進めるきっかけとなるはずです。

3-2. AI・ディープラーニングの体系的な知識が身につく

G検定の取得に向けて取り組む過程で、AI・ディープラーニングの体系的な知識が身につきます。G検定の合格には、AIの基礎概念からディープラーニングの手法、法律や倫理といった周辺知識まで、幅広い学習が必要です。そのため、多くの参考書やオンライン講座では、こうした知識を段階的に学べるカリキュラムが組まれています。適切な試験対策を行えば、AI分野の全体像をつかみつつ、実務にも応用できる基盤を築けるでしょう。

3-3. 人脈の拡大を図れる

G検定に合格することで、人脈の拡大を図れます。G検定やE資格の合格者は、JDLA公認の合格者コミュニティ「CDLE」へ参加可能となるためです。CDLEには9万人以上の合格者が所属しており、オンラインでの交流に加え、JDLA主催イベントで直接つながる機会もあります。同じ分野に関心を持つ人々と交流することで、新たなキャリアの可能性にもつながるでしょう。

4. G検定の取得を成功させるポイント

G検定を取得するためには、適切な準備と学習が欠かせません。G検定の取得を成功させるためのポイント2つを押さえておきましょう。

4-1. 受験日を見据えて学習計画を立てる

G検定の本番を万全の状態で臨むためには、計画的な学習が重要です。まずは受験日を決め、そこから逆算して無理のない学習計画を立ててください。取り組むべき学習項目と、それらに費やす時間を考慮し、日単位や週単位の進捗目標を設定しましょう。適切な学習計画に沿って取り組むことで、着実に知識やスキルを身につけられるはずです。

4-2. 過去問題集や参考書を活用する

G検定の試験対策には、過去問題集や参考書の活用が効果的です。過去問題を解けば出題傾向を把握でき、参考書を使えば知識を体系的に吸収できます。ここでは、おすすめの2冊を簡単に紹介します。

書籍名 概要
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト JDLA監修で信頼性が高く、体系的に学べる公式テキスト
ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集 G検定のプロが監修した、頻出問題やポイントを網羅した問題集

まとめ

G検定は、AIやディープラーニングに関する知識・スキルを証明できる資格です。

G検定に合格することでAI人材を目指しやすくなる上に、対策過程でAIやディープラーニングについて体系的に学習できます。CDLEで人脈拡大を図れるのも嬉しいポイントです。

G検定に合格するためには、計画的かつ効果的な学習が欠かせません。今回の内容を参考に、G検定の取得に向けて取り組んでみてください。

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監修: 小島 友美

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 上席研究員

入力/出力系システム、ファイル管理システムのシステムエンジニア、品質管理の専門職(ソフトウェア品質管理、ソフトウェア品質保証)、リーン・シックスシグマ講師を経て、現職。担当業務は、品質教育サービス「バルカレ」講師とコンテンツ制作を担当する。