書評「テストプロセス改善―CMM流実務モデル―」

書評「テストプロセス改善―CMM流実務モデル―」

Tim Koomen (著), Martin Pol (著), 富野 壽(翻訳), 構造計画研究所

カテゴリ:テスト

概要

ソフトウェアテストのプロセス改善モデル「TPIモデル」について解説する。
ソフトウェアテストの全体像と、現在の問題点を概観し、テストプロセス改善の必要性について解説する。既存のソフトウェアプロセス改善のモデルを考察したうえで、あたらなソフトウェアテストのプロセス改善モデルである「TPIモデル」を提起する。その考え方、実務への応用・展開の方法、要点を解説する。

本書の使い方

前提として、ソフトウェア開発、並びにソフトウェアテストの基礎知識があることを前提に書かれている。

そのうえで、テストに関する知識の全体像をまとめるには 第2章
テストプロセスを積極的に改善するのであれば 第3章~第7章
TPIモデルの全体的な説明のみを知りたければ 第5章

が適している。

何を学べるか

第1章 はじめに
本書の全体構成、対象読者、使用方法を示す。

第2章 テストの全体像
テストとは何かを概観し、その全体像を提示する。 テストの目的。成果物。品質管理におけるテストの役割、テストレベル(フェーズ)とテスト技法、ライフサイクルモデルなどを概説する。

第3章 改善の必要性
なぜ改善が必要なのか。テストの現場で起こっている問題を解説する。次にテストプロセス改善を行い、「テストプロセスの品質、コスト、リードタイムの最適化」と定義づける。

第4章 テストプロセス改善のモデル
本書が提唱するテストプロセス改善モデル(TPI)の改善の各ステップ、参照枠組み、モデルが満たすべき要求などを、既存のテストプロセス改善モデルを参照しつつ解説する。

第5章 TPIモデル
本書の中心であるTPIモデルの全体像を説明する。テストプロセスの成熟度を評価する様々な観点である「キーエリア」、その各キーエリアの達成尺度である「レベル」、その二つを組み合わせて作成する「テスト成熟度マトリックス」、客観的に成熟度を判断するための「チェックポイント」、判定から導かれる「改善提案」を解説する。

第6章 TPIモデルの応用
TPIモデルを実際の現場にどのように応用し、改善を実施するのかを説明する。 改善が実施されるプロセスを「変更プロセス」と呼び、各プロセスの要点を図表を交えて解説し、その全体像を提示する。また、TPIを短期間で実施する方法、変更プロセスを管理するチームの編成、そのチームメンバーに求められる知識とスキル、変更プロセスにおいて予想される「抵抗」の扱い方、改善に要するコストとその利益、その他プロセス改善において成否を分ける重要な要因について解説する。

第7章 キーエリアごとのレベル
TPIモデルでは20項目からなるキーエリアによってテストプロセスを評価する。本章では各キーエリアの評価の要点を解説する。また各キーエリア間の依存性も説明する。 キーエリアの各項目は以下の通り。 テスト戦略、ライフサイクルモデル、関与の時点、見積もりと計画、テスト仕様化技法、静的テスト技法、尺度、テストツール、テスト環境、オフィス環境、コミットメントと意欲、テストの役割と訓練、方法論の範囲、コミュニケーション、報告、欠陥管理、テストウェア管理、テストプロセス管理、評価、低レベルテスト。