#2QA最前線

「いずれ、テストをする人が設計者の隣に座ってソフトウェア開発をする時代になる」宮崎大学 片山徹郎 教授

最終更新日時:2021.12.07 (公開日:2021.12.07)
「いずれ、テストをする人が設計者の隣に座ってソフトウェア開発をする時代になる」宮崎大学 片山徹郎 教授

ソフトウェア工学やQA(Quality Assurance) に関する様々な角度からの研究について、研究者の方にお話を伺う『QA最前線!』。デジタルトランスフォーメーション時代といわれ、品質向上・QAの重要性が高まる今。最先端の現場で、どのような研究が行われているのか、教育の現場がどのようになっているのか、注目されている方も多いと思います。本記事でQA関連の研究者の方にインタビューをして皆さまにお伝えします。今回は、宮崎大学 工学部 情報システム工学科の片山 徹郎 教授にお話をいただきます。

今回インタビューを受けてくださった方

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片山 徹郎 教授

宮崎大学 工学部 情報システム工学科

宮崎大学 工学部 情報システム工学科教授。これまで、並行処理プログラムや組込みシステムを対象としたテスト手法についての研究に従事。ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)副理事長。テスト技術者資格認定(JSTQB)技術委員会委員。ソフトウェアテストシンポジウム(JaSST)実行委員。

もくじ
  • 創造性が駆り立てられるから、テストは楽しい
  • バグ「0」を目指し、信頼性が上がれば生産性も上がる
  • テストは「モグラ叩き」からコンサルティングへと進んでいく
  • ソフトウェアの「伸びしろ」を何とかしていきたい

創造性が駆り立てられるから、テストは楽しい

――これまでのご経歴と、現在、研究されているテーマを教えてください。

2000年に奈良先端科学技術大学院大学から宮崎大学に来て21年です。出身が福岡なので九州が好きというのはあったと思います。現在はテストを中心に研究しています。

大学を卒業してマスター、ドクターではテストに取り組んでいました。これは指導教員の古川善吾先生からの影響が大きいです。古川先生は九大出身で日立のテスト部門、品質管理部門を経て九大の教員になられています。

その後、奈良先端に助手として行った頃に「組込み」に出会いました。全国で研究会などが立ち上がっていた時期です。参加してみると「組込みこそ信頼性が大事だ」といった話があり、私は元々テストをやっていましたので自然に組み込みのテストを研究するようになっていきました。これもタイミングかなと思っています。

――現在も組み込みのテストを中心に研究されておられるのでしょうか?

組み込みだけに特化してはいないです。組み込みのテストはもちろん、全般的にテストの研究に取り組んでいます。

宮崎大学に赴任した時期、世の中では「テストは勘とか経験だよね」といった風潮がありました。しかし、テストこそが開発の50%~60%を占めていますので、設計やプログラミングを劇的に向上させるより、テストを劇的に良くした方が全体的にもメリットがあると考える人々が増え、2003年に「JaSST(Japan Symposium on Software Testing:ジャスト」ソフトテストシンポジウムを始めています。毎年右肩上がりに参加者数が増え、現在、東京で開催すると2日間でのべ1500~1600人が集まるようになりました。

そこから世間が追いついたのか、「テストが大事」という考え方が広まりました。私が予言したわけではありませんが、古川先生のところでテストの重要性を学び、そこから研究をしていたら現在の状況になっていた感覚です。

ただ、テストは学生にはあまり受けが良くないようです。実は私の研究室では学生全員がテストをやっているわけではありません。半分以内です。やはり学生はプログラミング・設計やUMLを使いたいようですが、それが信頼性に結びついているは私の指導のせいかもしれないですね。ただUMLを書くのではなく、信頼性の高いUMLを書くといった感じになっています。

執筆者:Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。