上司や先輩とのコミュニケーションのコツは? 行動心理学から紐解く部下と上司の関係改善 -部下編-

最終更新日時:2022.02.16 (公開日:2022.02.16)
上司や先輩とのコミュニケーションのコツは? 行動心理学から紐解く部下と上司の関係改善 -部下編-

上司が怖くて相談しづらい。
上司が自分のことをあまり見てくれない。
そんな上司や先輩とのコミュニケーションで困っていませんか? 
そのお困り事の解決は、行動心理学にヒントがあるかもしれません。

行動心理学とは、人がなぜそのような行動をするのかを、心・感情・心理状態から研究する学問です。
コミュニケーションについても、行動心理学を活かせる場面が多くあり、部下と上司のコミュニケーションにも応用できます。

本記事では私の経験を交えて、コミュニケーションにおける部下の悩みを明らかにするとともに、悩みの解決策を行動心理学の面から紐解き、具体的なコミュニケーションのコツを解説していきます。

もくじ

若手社員の悩み

仕事をしていると様々な悩みが発生しますが、若手社員は人間関係で悩んでいることが少なくありません。

内閣府が平成30年に出した子供・若者白書では、「勤務先での人間関係がうまくいくか不安」を挙げた人が71.4%もいました。また、マイナビ学生の窓口が行った社会人1-3年目に対する調査によれば、若手社員の悩みの2位は「人間関係がうまくいかない」ことでした。具体的な回答としては「先輩とどのようにコミュニケーションをとっていいか分からない」「なかなか努力を認めてもらえない」などがありました。
本記事ではこのような悩みに対して、部下からできる「上司との人間改善の方法」をご紹介します。

上司や先輩から部下の悩みを解決する場合は、こちらの記事をご参照ください。

上司とのコミュニケーションを改善するためにやるべきこととは?

「単純接触効果」を活用してみる ~「質問をする」と「上司に頼る」~

もしあなたが上司との人間関係に悩んでいるなら、自分から積極的にコミュニケーションをとっていくことをオススメします。
「何を話せばいいの?」と不安になるかもしれませんが、話す内容はまずはなんでもかまいません。心理学的にはコミュニケーションの内容ではなく回数を増やすことで、親密な関係に繋がる傾向にあるからです。
心理学ではこれを「単純接触効果」と呼んでいます。よく行く飲食店の店員さんと顔見知りのような感覚になってしまうのが「単純接触効果」です。人は交流した回数が多いほど親密度が向上する傾向にあります。まずは部下から積極的にコミュニケーションをとっていくことが大切です。

自分から上司にするコミュニケーションのうち、部下から上司にとりやすいコミュニケーション方法が下記の2点です。

  1. 質問する
  2. 上司に頼る

それぞれについて解説していきたいと思います。

交流を増やしやすいコミュニケーション-質問をする

部下から上司にとりやすいコミュニケーションの1つ目は、上司に質問をすることです。
質問をすることで、上司と会話する機会を増やすことができます。
質問は部下から特にしやすいコミュニケーションのため、上司との会話を増やす入り口としてオススメです。質問することは今直接携わっている業務の内容に限らなくてもかまいません。

  • 仕事に向き合う姿勢
  • 一人暮らしのコツ
  • 昼休みの過ごし方

など、さまざまなことを尋ねてみましょう。

質問をすれば上司や先輩と親しくなるだけでなく、仕事スキルに関する新しい学びや一人暮らしについての有益な情報を聞くこともできます。積極的に質問をしていくのは、若手社員にとって一石二鳥とも呼べるお得なコミュニケーション術なのです。

上司に好かれるコミュニケーション-上司に頼る

部下から上司にとりやすいコミュニケーションの2つ目は、上司に頼ることです。
心理学的には、人は頼みごとをしてきた相手に対し好意を抱く傾向にあるからです。

心理学ではこれを「フランクリン効果」と呼んでいます。高校・大学の部活やサークルで後輩が頼ってくれると嬉しくなってしまうのが「フランクリン効果」です。

仕事の上司や先輩に「頼る」ことはとても大切なコミュニケーションです。
例えば、以下のようなことが挙げられます。

  • 自分の作った資料を上司に見てもらう
  • 自分の考えたアイデアを上司に聞いてもらう
  • 難しいと思った作業を一部上司に助けてもらう

上司に頼ることは、部下としては上司との親密度を上げることができ、上司としては部下が困っているポイントが分かる、Win-Winなコミュニケーションです。

改善ポイント(上級編)~「強みを持つ」と「上司をマネする」~

ここからはコミュニケーションについて、もう一歩踏み込んだ部下の取り組みを解説します。少し難しいですが、確実に効果のある取り組みです。
その取り組みが以下の2点です。

  1. 強みを持つ
  2. 上司をマネする

ハロー効果を活用した取り組み「強みを持つ」

人は強みを持つと、他人から信頼してもらえやすくなります。人はある一点が突出して優秀だと、その部分以外も優秀に見える傾向にあるからです。
心理学ではこれを「ハロー効果」と呼んでいます。例えば、高校の頃に成績の良い生徒が生徒会役員になるのが「ハロー効果」です。成績が良いと、他の生徒や先生から「生徒会活動も適切にできる」と思われます。
強みを1つ持つと、その強みだけでなく、他の部分も上司に見てもらえるようになるのです。

仕事でも強みを1つ持つと、他の部分も上司に見てもらえやすくなります。
強みは小さいことで良いし、ちょっと得意なぐらいで大丈夫です。例えば、下記のようなことです。

  • エクセル操作スキル
  • パワーポイント作成スキル
  • 議事録作成スキル
  • タイピング速度

何でも良いので強みを持つことで、上司からの信頼を獲得しやすくなります。

ミラーリングを活用した取り組み「相手のマネをする」

「強みを持つ」と並行して効果的な方法が「相手のマネをする」です。
人は自分と似ていると思うと無意識に親近感を持ちます。
そこで意図的に相手に行動を似せることで、相手に親近感を抱いてもらうことができます。
これは心理学の「ミラーリング」というテクニックです。
下記のようなことは、どれもミラーリングテクニックに当たります。

  • 会話中に相手が飲み物を飲んだらこちらも飲み物を飲む。
  • 相手が笑ったらこちらも笑う。
  • 相手が考え込んだらこちらも考える仕草をする。

部下が上司の動きをマネすることで、上司の部下に対する仲間意識を高めることができます。

おわりに

本記事では、部下の人間関係の悩みについて解説するとともに、部下から取り組むことができるコミュニケーションの改善ポイントについて説明しました。

  • 質問する
  • 頼る
  • 強みを持つ
  • マネする

コロナで出社が減り、対面での会話の機会が減った今こそ、コミュニケーション面でのスキルアップに取り組んでみてはいかがでしょうか。

参照URL

執筆者:小谷 ひかり

バルテス株式会社 Webシステム品質サービス事業部 リーダー

業務系システムの開発・運用・保守にSE兼プロジェクトリーダー兼コンサルタントとして携わった後、バルテスに入社する。入社後は、テスト自動化プロジェクト・品質保証プロジェクトを経て、現在は品質向上支援に携わっている。また、その傍らで、専門分野である心理学の知見に基づいて、新卒社員の指導や社内委員会の品質向上に力を注いでいる。