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次世代AIコードエディタ「Cursor」とは?できることや料金、使い方まで徹底解説
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開発に役立つ生成AI 更新日 2025.04.04
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次世代AIコードエディタ「Cursor」とは?できることや料金、使い方まで徹底解説

執筆: Qbook編集部

ライター

近年では、AI(人工知能)を活用した高度なコードエディタが次々と登場しています。その中でも、注目を集めているのが次世代AIエディタ「Cursor(カーソル)」です。Cursorを使ってみたいものの、始め方や料金体系など不明点を抱える方も多いでしょう。

そこで本稿では、Cursorの基本事項を初心者向けにまとめてお伝えします。Cursorでできることや使い方も紹介するため、AIを活用したコーディングに興味がある方はぜひ参考にしてください。

もくじ
  1. Cursorとは?
    1. Cursorとは「AI機能を搭載したコードエディタ」
    2. Cursorの料金体系
  2. Cursorでできること
    1. AIによる高度なコード補完
    2. チャットによるAIへの質問・指示
    3. VS Code拡張機能の利用
  3. Cursorの始め方・使い方
    1. アカウント登録
    2. Cursorのダウンロード
    3. Cursorのインストール
    4. Cursorの初期設定
    5. Cursorの利用開始
  4. Cursorを活用する際の注意点
    1. 使えないVS Code拡張機能もある
    2. APIを利用する場合は料金に気を付ける
  5. まとめ

1. Cursorとは?

1-1 Cursorとは「AI機能を搭載したコードエディタ」

Cursorとは、Microsoft社製の「Visual Studio Code(VS Code)」をベースに、AI機能を搭載して作られたコードエディタです。VS Codeの基本機能は踏襲しつつ、AIのコード補完や、チャットによるAIへの質問・指示といった機能が追加されています。

ただし、Cursor自体がAIモデル(AIを用いてタスクを処理する仕組み)を搭載しているわけではありません。Cursorは、外部のAIモデルと連携するための仕組みを持ち、これによってAIを活用できるコーディング環境を提供します。

なお、ベースとなっているVS Codeにも「GitHub Copilot」を用いたAIアシスタント機能はあります。CursorのAI機能はこれとは異なり、任意のAIモデルを選択できます。

1-2 Cursorの料金体系

Cursorには、無料プランの「Hobby」、有料プランの「Pro」および「Business」があります。無料でも利用可能ですが、機能制限があるため注意しましょう。主な料金プランごとの違いについて下表にまとめました。

▼Cursor料金プランの比較表(2025年4月時点)

プラン 料金 コード補完 AIリクエスト高速 AIリクエスト低速 追加機能
Hobby 無料 月2000回 - 月50回 なし
Pro 月20ドル 無制限 月500回 無制限 無料トライアルあり
Business 月40ドル 無制限 月500回 無制限 組織向けプライバシーモード、チームへの一括請求、管理ダッシュボード、高度なセキュリティ機能

※2025年4月時点における公式サイトの情報に基づき記載しています。

無料プランでは、コード補完の回数制限やAIリクエストの上限があります。頻繁にAI機能を活用したい場合は、Proプランへのアップグレードを検討しましょう。

また、企業向けのBusinessプランでは、セキュリティ強化や運用の効率化につながる機能を使えます。たとえば、コードが外部サーバーに保存・AI学習に利用されない「プライバシーモード」を利用可能です。予算やニーズに合わせた料金プランを選択しましょう。

2. Cursorでできること

Cursorを導入する前に、何ができるのかを把握しておきましょう。Cursorでできることは、主に次の3つです。

2-1 AIによる高度なコード補完

Cursorには「Cursor Tab機能」があり、AIによる高度なコード補完を利用できます。AIがコードの流れを把握し、次に予測されるコードを提案してくれる機能です。複数行にわたる提案もでき、コーディング速度の大幅な向上につながります。

また、コードの細かいミスやずれを自動で調整してくれる「スマートリライト機能」も備わっています。特に「Python」「JavaScript」「C言語」などのプログラミング言語では多くの学習データがある分、コード補完でも高いパフォーマンスを発揮するでしょう。

2-2 チャットによるAIへの質問・指示

CursorにはAIチャット機能が搭載されており、コードベース(ユーザーの作業コード)を踏まえての質問・指示が可能です。たとえば、コードが正しく動作しない原因を質問したり、指示に合わせてコードを調整したりできます。

また「Composer機能」を活用すれば、ファイル作成などを含めた様々なコード生成の指示を出すことも可能です。簡単なアプリであればコードをほとんど書かずに開発できます。

2-3 VS Code拡張機能の利用

CursorはVS Codeとの互換性が高く、多くのVS Code拡張機能を利用可能です。
たとえば、UIを日本語対応に変更する「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」は、Cursorでも同じように利用できます。

また、すでにVS Codeを利用している場合は、Cursor導入段階で拡張機能を引き継ぐこともできます。引き継ぎを行えば、逐一インストールし直す必要がありません。

3. Cursorの始め方・使い方

ここからは、Cursorの始め方・使い方を紹介します。Cursorを使い始める場合、次の5ステップに沿って進めていきましょう。

  1. アカウント登録
  2. Cursorのダウンロード
  3. Cursorのインストール
  4. Cursorの初期設定
  5. Cursorの利用開始

3-1 アカウント登録

Cursorの利用にはアカウント登録が必要です。まずは、Cursorの公式サイトにアクセスし、「ログイン」からアカウントを登録します。

image001.png

登録手続きは一般的なサービスと同様で、メールアドレスやパスワードの入力後、メール認証を行う流れとなります。なお、GoogleアカウントやGitHubアカウントを利用することも可能です。

3-2 Cursorのダウンロード

次に、Cursorのインストーラーをダウンロードします。公式サイトのダウンロードボタンを押すだけでOKです。なお、ダウンロードボタンはお使いのOSによって変わります。画像は、Windowsにおけるダウンロードボタンの例です。

image003.jpg

ダウンロードボタンをクリックすると、OSに合わせたインストーラーがダウンロードされます。

3-3 Cursorのインストール

続いて、ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってインストールを進めましょう。インストールに問題がなければ、指定したインストール先にCursorアプリが追加されています。画像はWindowsのインストール例です。

image004.png

3-4 Cursorの初期設定

Cursorアプリを起動すると、いくつかの初期設定を求められます。ご自身の用途や使いやすさに合わせて設定しましょう。

image006.png

主な設定項目は下記のとおりです。

設定項目 概要
Keyboard どのコードエディタにキー割り当てを合わせるか。
Language for AI どの言語でAI機能を用いるか。
Codebase-wide コードベース全体に対する質問を可能にするか。
Add to Command Line Windows「コマンドプロンプト」やmacOS・Linux「ターミナル」のコマンド経由でCursorを起動可能にするか。設定すれば、「code」や「cursor」といったコマンドの実行によりCursorを起動できる。

設定完了後は「Continue」をクリックします。また、VS Code拡張機能を引き継ぐかどうかも設定できます。引き継ぐ場合は「Use Extensions」、引き継がない場合は「Start from Scratch」をクリックしましょう。

image008.png

ご自身の利用データをCursorの学習に利用するかどうかの設定も可能です。学習させたくない場合は「Privacy Mode(プライバシーモード)」を選択しましょう。ただし、有料プランでなければ設定できません。

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3-5 Cursorの利用開始

ひと通りの初期設定が完了すると、画像のような画面が表示されます。「Log In」をクリックし、作成したCursorアカウントでログインします。コードエディタ画面が開き、Cursorを利用できるようになります。

image012.png

基本的な使い方はVS Codeなどのコードエディタと同様ですが、画面右側にチャットの入力欄が存在します。チャット欄に入力・送信することで、AIに質問・指示が可能です。

なお、初期表示は英語のため、「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストールして日本語化すると良いでしょう。

4. Cursorを活用する際の注意点

Cursorは便利なコードエディタですが、活用には注意点もあります。Cursorを活用する際の注意点2つを押さえておきましょう。

4-1 使えないVS Code拡張機能もある

CursorはVS Codeをベースにしていますが、一部の拡張機能は対応していないケースもあります。

これまで使ってきた拡張機能がある場合は、使い始める際に正しく動作するかチェックしましょう。エラーが出るなど正しく動作しない場合は、別の拡張機能への移行を検討する必要があります。

4-2 APIを利用する場合は料金に気を付ける

CursorのAI機能は無料でも一定の回数は使えますが、無料枠を超えると有料プランへの切り替えやAPI設定が必要となります。

AIモデルのAPIを設定することで、特定のAIモデルを利用可能です。ただし、APIを利用する場合は料金に気を付けましょう。

コード補完機能やチャット機能を使いすぎると、想像以上にAPI利用料金がかさむケースもあります。料金の予算オーバーを防ぐために、メール通知機能を設定する、自動チャージ機能をオフする、など対策を講じると良いでしょう。

まとめ

Cursorとは、高度なAI機能を搭載したコードエディタです。AIによる高度なコード補完や、AIへのチャットによる質問・指示を通して、コーディングの生産性を向上できます。

また、VS Codeをベースにしており、多くのVS Code拡張機能を利用可能です。

Cursorを利用する際には、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。

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執筆: Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。