近年では、AI(人工知能)を活用した高度なコードエディタが次々と登場しています。その中でも、注目を集めているのが次世代AIエディタ「Cursor(カーソル)」です。Cursorを使ってみたいものの、始め方や料金体系など不明点を抱える方も多いでしょう。
そこで本稿では、Cursorの基本事項を初心者向けにまとめてお伝えします。Cursorでできることや使い方も紹介するため、AIを活用したコーディングに興味がある方はぜひ参考にしてください。
- もくじ
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- Cursorとは?
- Cursorでできること
- Cursorの始め方・使い方
- Cursorを活用する際の注意点
- Cursorに関するQ&A(よくある質問)
- まとめ
1. Cursorとは?
2023年に登場したCursorは、コーディングを効率化するツールとして開発現場でも導入が広がっています。まずは、Cursorの概要と料金体系を押さえておきましょう。
1-1 Cursorとは「AI機能を搭載したコードエディタ」
Cursorとは、Microsoft社製の「Visual Studio Code(VS Code)」をベースに、AI機能を搭載して作られたコードエディタです。VS Codeの基本機能は踏襲しつつ、AIのコード補完や、チャットによるAIへの質問・指示といった機能が追加されています。
ただし、Cursor自体がAIモデル(AIを用いてタスクを処理する仕組み)を搭載しているわけではありません。Cursorは、GPTシリーズやGeminiシリーズといった外部のAIモデルと連携することで、ための仕組みを持ち、これによってAIを活用できるコーディング環境を提供します。
なお、ベースとなっているVS Codeでも「GitHub Copilot」などの拡張機能を使えば、同様に外部のAIモデルを利用できます。一方でCursorは拡張機能を使わずAIと連携する仕組みを標準搭載しているのが特徴です。
1-2 Cursorの料金体系
Cursorには、無料プランの「Hobby」と、用途や利用規模に応じた複数の有料プランが用意されています。無料でも利用可能ですが、機能制限があるため注意しましょう。主な料金プランごとの違いについて下表にまとめました。
▼Cursor料金プランの比較表(2026年2月時点)
| プラン | 料金 | コード補完 | AI/エージェント使用量 | 追加機能 |
|---|---|---|---|---|
| Hobby | 無料 | 制限あり | 月ごとの回数制限あり | なし |
| Pro | 月20ドル | 無制限 | Hobbyの回数制限が拡張 | Background Agents(リモート環境でのタスク実行)、最大コンテキストウィンドウ(長文の読み込み対応) |
| Pro+ | 月60ドル | 無制限 | 主要モデルの使用量が3倍 | なし |
| Ultra | 月200ドル | 無制限 | 主要モデルの使用量が20倍 | 新機能への優先アクセス |
| Teams | 1ユーザーあたり月40ドル | 無制限 | Proと同等 | 組織向けプライバシーモード、チームへの一括請求、使用状況の分析とレポートなど |
| Enterprise | 要相談 | 無制限 | Teamsと同等 | SCIMシート管理、AIコード追跡APIと監査ログ、詳細な管理者権限とモデル制御など |
※2026年2月時点における公式サイトの情報に基づき記載しています。
無料プランでは、コード補完の回数制限やAIリクエストの上限があります。頻繁にAI機能を活用したい場合は、より利用枠が拡張される有料プランへのアップグレードを検討しましょう。
また、企業向けのBusinessプランでは、セキュリティ強化や運用の効率化につながる機能を使えます。たとえば、コードが外部サーバーに保存・AI学習に利用されない「プライバシーモード」を利用可能です。予算やニーズに合わせた料金プランを選択しましょう。
2. Cursorでできること
Cursorを導入する前に、何ができるのかを把握しておきましょう。Cursorでできることは、主に次の3つです。
2-1 AIによる高度なコード補完
Cursorには「Cursor Tab機能」があり、AIによる高度なコード補完を利用できます。AIがコードの流れを把握し、次に予測されるコードを提案してくれる機能です。複数行にわたる提案もでき、コーディング速度の大幅な向上につながります。
また、コードの細かいミスやずれを自動で調整してくれる「スマートリライト機能」も備わっています。特に「Python」「JavaScript」「C言語」などのプログラミング言語では多くの学習データがある分、コード補完でも高いパフォーマンスを発揮するでしょう。
2-2 チャットによるAIへの質問・指示
CursorにはAIチャット機能が搭載されており、コードベース(ユーザーの作業コード)を踏まえての質問・指示が可能です。たとえば、コードが正しく動作しない原因を質問したり、指示に合わせてコードを調整したりできます。
また「Composer機能」を活用すれば、ファイル作成などを含めた様々なコード生成の指示を出すことも可能です。簡単なアプリであればコードをほとんど書かずに開発できます。
2-3 VS Code拡張機能の利用
CursorはVS Codeとの互換性が高く、多くのVS Code拡張機能を利用可能です。
たとえば、UIを日本語対応に変更する「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」は、Cursorでも同じように利用できます。
また、すでにVS Codeを利用している場合は、Cursor導入段階で拡張機能を引き継ぐこともできます。引き継ぎを行えば、逐一インストールし直す必要がありません。
3. Cursorの始め方・使い方
ここからは、Cursorの始め方・使い方を紹介します。Cursorを使い始める場合、次の5ステップに沿って進めていきましょう。
- アカウント登録
- Cursorのダウンロード
- Cursorのインストール
- Cursorの初期設定
- Cursorの利用開始
3-1 アカウント登録
Cursorの利用にはアカウント登録が必要です。まずは、Cursorの公式サイトにアクセスし、「ログイン」からアカウントを登録します。
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登録手続きは一般的なサービスと同様で、メールアドレスやパスワードの入力後、メール認証を行う流れとなります。なお、GoogleアカウントやGitHubアカウントを利用することも可能です。
3-2 Cursorのダウンロード
次に、Cursorのインストーラーをダウンロードします。公式サイトの「ダウンロード」をクリックするか、ダウンロードページへアクセスしてください。
CursorはWindows・macOS・Linuxの主要OSに対応しています。お使いのOSやパソコンに合ったインストーラーを選択し、ダウンロードしましょう。
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ダウンロードボタンをクリックすると、OSに合わせたインストーラーがダウンロードされます。
3-3 Cursorのインストール
続いて、ダウンロードしたインストーラーを実行し、指示に従ってインストールを進めましょう。インストールに問題がなければ、指定したインストール先にCursorアプリが追加されています。画像はWindowsのインストール例です。
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3-4 Cursorの初期設定
Cursorアプリを起動すると、未ログインの場合はログインを求められます。「Log In」をクリックし、ブラウザで画面の指示に従ってログインしましょう。
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その後、いくつかの初期設定を求められます。ご自身の用途や使いやすさに合わせて設定しましょう。
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主な設定項目は下記のとおりです。
| 設定項目 | 概要 |
|---|---|
| Import from VS Code | 現在VS Codeを使っている場合は「Import」をクリックすることで、設定や拡張機能をそのまま引き継ぐことが可能。 |
| Keybindings | どのコードエディタにキー割り当てを合わせるか。 |
| Chat Language | AIが返答する際の言語設定。日本語で利用したい場合は「Japanese」を選択する。 |
| Open Cursor from Terminal | Windows「コマンドプロンプト」やmacOS・Linux「ターミナル」のコマンド経由でCursorを起動可能にするか。「Install」をクリックすれば、「cursor」コマンドの実行によりCursorを起動できる。 |
設定完了後は「Continue」をクリックします。次の機能紹介画面が表示される場合は、そのまま「Continue」をクリックして進めてください。
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3-5 Cursorの利用開始
ひと通りの初期設定が完了すると、画像のようなコードエディタ画面が開き、Cursorを利用できるようになります。
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基本的な使い方はVS Codeなどのコードエディタと同様です。「Open project」などからプロジェクトを選択し、ファイルの編集画面を開いてコードを記述していきます。
ただし特徴として、画像のようにAIと対話するためのチャット入力欄が存在します。画像は、WindowsにおけるCursorバージョン2.4.22の画面例です。
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チャット欄に入力・送信することで、AIに質問・指示が可能です。なお、初期表示は英語のため、「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストールして日本語化すると良いでしょう。
4. Cursorを活用する際の注意点
Cursorは便利なコードエディタですが、活用には注意点もあります。Cursorを活用する際の注意点4つを押さえておきましょう。
4-1 使えないVS Code拡張機能もある
CursorはVS Codeをベースにしていますが、一部の拡張機能は対応していないケースもあります。
これまで使ってきた拡張機能がある場合は、使い始める際に正しく動作するかチェックしましょう。エラーが出るなど正しく動作しない場合は、別の拡張機能への移行を検討する必要があります。
4-2 APIを利用する場合は料金に気を付ける
CursorのAI機能は無料でも一定の回数は使えますが、無料枠を超えると有料プランへの切り替えやAPI設定が必要となります。
AIモデルのAPIを設定することで、特定のAIモデルを利用可能です。ただし、APIを利用する場合は料金に気を付けましょう。
コード補完機能やチャット機能を使いすぎると、想像以上にAPI利用料金がかさむケースもあります。料金の予算オーバーを防ぐために、メール通知機能を設定する、自動チャージ機能をオフする、など対策を講じると良いでしょう。
4-3 セキュリティ・機密情報の取り扱いに注意する
AIにコードを読み込ませるという仕組み上、セキュリティには十分な配慮が必要です。入力内容をAIの学習に利用する設定が有効だった場合、入力内容が別ユーザーの回答に使用され、情報が漏えいするリスクもゼロではありません。顧客や自社に関する機密情報、APIキーのような認証情報などを安易にAIチャットで送信しないようにしましょう。
もし入力内容をAIに学習されたくない場合は、下記の手順で学習設定をOFFにすると良いでしょう。なお、細かい手順は変わる場合があります。
- 画面右上の歯車アイコンをクリックし、「Cursor Settings」を選択
- 「General」の設定を下にスクロールし、「Privacy」の「Share Data」と書かれたリストを選択
- リストから「Privacy Mode」を選択
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上記の設定を行えば、AI機能を使いつつ、入力内容が学習に使われることを防げます。より強固にセキュリティを保ちたい場合は、企業向けの有料プランを利用しましょう。
4-4 人間が必ず最終チェックする
AIが提案するコードが常に正しいとは限りません。一見正しく動くように見えても、セキュリティ上の脆弱性を含んでいたり、非効率な処理になっていたりする場合があります。
そのため、最終チェックは必ず人間が行いましょう。コードの内容が本当に妥当であるか、実際に想定どおり動くか、AIの出力を鵜呑みにせず確認することが大切です。
Cursorに関するQ&A(よくある質問)
最後に、Cursorの導入を検討する際によくある3つの疑問について回答します。
Q1.Cursorは無料で使い続けられる?
Cursorは無料の「Hobby」プランでも、基本的なコード補完やチャット機能は利用し続けることができます。
ただし、AIへのリクエスト回数には月ごとの制限があります。Cursorで頻繁にAIを利用したい場合は、制限を拡張できる有料プランの登録を検討しましょう。
Q2.日本語で使える?
初期設定時に「Japanese」を指定すれば、AIとのやり取りを日本語で問題なく行えます。
初期設定では表示言語が英語となっていますが、前述のようにVS Code拡張機能で日本語化が可能です。UIを日本語対応に変更する「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストールしましょう。
Q3.今使っているVS Codeはどうする?
VS Codeはアンインストールせず、そのまま残しておいて問題ありません。Cursorは、VS Codeとは別の独立したアプリとしてインストールされるため、両方を共存させることが可能です。「基本はCursorを使い、特定の拡張機能が必要なときのみVS Codeを使う」といった使い分けもできます。
まとめ
Cursorとは、高度なAI機能を搭載したコードエディタです。AIによる高度なコード補完や、AIへのチャットによる質問・指示を通して、コーディングの生産性を向上できます。
また、VS Codeをベースにしており、多くのVS Code拡張機能を利用可能です。
Cursorを利用する際には、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。


