あらゆる業種において情報収集は不可欠です。しかし、Webサイトを何度も行き来しながら情報収集をする際、「情報が古い」「必要な情報が散在している」といった問題で手間や時間のロスを感じる方も多いのではないでしょうか。そういった方におすすめなのが、OpenAIの「Deep Research」です。
本稿では、OpenAIが提供するChatGPTの新機能「Deep Research」について、特徴や料金プラン、具体的な使い方などを詳しくご紹介します。
「Deep Researchの使い方がわからない」「ChatGPTのDeep Researchを使うための費用を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
- もくじ
1. OpenAIのDeep Researchとは
OpenAIの「Deep Research」とは、生成AIツール「ChatGPT」に搭載されたリサーチ機能のことです。通常のChatGPTは事前学習した知識にもとづき回答しますが、Deep ResearchはWeb上のデータをリアルタイムに調査・分析し、結果をレポートにまとめてくれます。
一般的な生成AIと同様に、「〇〇について調べてください」「××と△△を比較してください」といった自然な言葉で指示が可能です。これにより、手作業では膨大な時間を要するWeb上のリサーチ業務を大幅に効率化できるでしょう。
1-1. Deep Researchの料金
OpenAIのDeep Researchに専用の料金プランはなく、ChatGPTの料金プランに含まれています。2025年3月時点だと無料プランでは利用できず、下記の有料プランでのみ利用可能です。つまり、Deep Researchの利用には最低でも月額20ドルの料金が発生します。
- ChatGPT Plus(月額20ドル)
- ChatGPT Pro(月額200ドル)
- ChatGPT Team(月額30ドル)
- ChatGPT Enterprise(料金は要お問い合わせ)
最新の料金や詳細については、公式サイトを参照してください。
1-2. ChatGPT(OpenAI)とGemini(Google)の「Deep Research」機能の違いを比較
Google社が提供する生成AIツール「Gemini」にも同名の機能「Deep Research」が存在します。Web上からリサーチを行う点も似ていますが、若干の違いがあります。それぞれの違いを一覧表でまとめました。
ChatGPT(OpenAI) | Gemini(Google) | |
---|---|---|
料金 |
月額20ドル~ |
2,900円~(Gemini Advanced) |
利用モデル | o3 | Geminiシリーズ |
所要時間 | 5~30分 | 数分(詳細は非公表) |
いずれのDeep Researchも、有料プランへの登録が必要です。ただし、Geminiの有料プラン(Gemini Advanced)には1か月の無料トライアルがあるため、手軽に試用できます。
またOpenAIのDeep Researchは、新たなAIモデル「o3」を採用しており、従来のGPTモデルと比べて複雑な問題の解決能力を向上させています。GeminiのDeep ResearchはGeminiシリーズを採用していますが、両者の性能について一概に 比較はできません。
2. OpenAIのDeep Researchでできること
OpenAIのDeep Researchでできることは、主に次の3つです。
2-1. 情報収集や調査の効率化
手作業の情報収集や調査では、大量のWebサイトを渡り歩いて閲覧する必要がありました。しかしDeep Researchを使えば、インターネット上に存在する膨大なWebページをAIが調査し、必要な情報を整理してくれます。Webサイトへのアクセスや情報の取捨選択といった手動プロセスが不要になるため、情報収集や調査を大幅に効率化できるでしょう。
2-2. 調査結果の要約・レポート化
Deep Researchは、ただ調査するだけではなく、分かりやすく要約したうえでレポート化してくれます。手作業の調査では、情報の出典が曖昧になるケースもあるでしょう。その点、Deep Researchは出典をリンク化して記載するため、情報源を人間が検証することも可能です。レポート作成の手間を省きつつ、根拠の明確な調査結果を得られます。
2-3. 専門的なタスクへの活用
Deep Researchは医療や法律など、専門分野に関する情報収集や調査にも活用できます。Deep Researchが利用するo3モデルは、AIにとって難解な試験とされる「Humanity's Last Exam」において26.6%の正答率を記録しました(2025年3月時点)。これは過去のOpenAI製モデルと比較しても優れた記録であり、大きく精度を向上しています。人間によるチェックは必要ですが、専門分野の一次調査として活用する価値は十分あるでしょう。
3. OpenAIのDeep Researchを活用する際の注意点
OpenAIのDeep Researchは便利な機能ですが、利用には注意点もあります。OpenAIのDeep Researchを活用する際の注意点2つを押さえておきましょう。
3-1. 誤情報(ハルシネーション)に要注意
Deep Researchに限らず、生成AIは「ハルシネーション(誤った情報を生成する現象)」のリスクを完全には排除できません。そのため、Deep Researchが作成したレポートには誤情報が含まれるケースも考えられます。レポートの内容を鵜呑みにせず、出典を確認するなどして、必ず人間によるチェックを忘れないようにしましょう。
3-2. ある程度の時間・コストはかかる
Deep Researchの利用には、ある程度の時間・コストがかかります。調査完了までの所要時間は5~30分程度とされており、瞬時に調査結果を取得できるわけではありません。また、現状では有料プランへの登録が利用条件であり、月額20ドル以上の出費は必要です。導入を検討する際には、必要な時間・コストを加味しましょう。
4. ChatGPTを用いたDeep Researchの使い方
ここでは、ChatGPTを用いたDeep Researchの使い方を5ステップで簡単に紹介します。
- ChatGPTのアカウント登録
- ChatGPTの有料プラン登録
- Deep Researchの選択
- プロンプトの入力・送信
- 出力内容の確認
4-1. ChatGPTのアカウント登録
ChatGPTのアカウント(OpenAIアカウント)を持っていない方は、最初にアカウント登録を行います。前述のとおり、Deep ResearchはChatGPT内の機能として提供されているため、アカウントが不可欠です。ChatGPTの公式サイトにアクセスし、「新規登録」から登録手続きを進めましょう。
登録手続きは一般的なサービスと同様で、メールアドレスやパスワードを設定してメール認証を行えばOKです。
4-2. ChatGPTの有料プラン登録
次に、ChatGPTの有料プランに登録します。個人利用の場合、ChatGPT Plus(月額20ドル)またはChatGPT Pro(月額200ドル)への登録が必要です。プラン一覧ページからプランの内容をチェックし、登録したいプランのボタンをクリックします。
登録手続きでは、支払い情報の入力を求められます。画面の指示に従って登録を行いましょう。
4-3. Deep Researchの選択
有料プランへの登録が完了すると、ChatGPTのプロンプト(指示文)の入力欄に「Deep research」というボタンが表示されます。このボタンをクリックし、青色表示に変わるとDeep Researchが有効となります。Deep Researchを利用する場合は、このボタンを事前に選択します。
4-4. プロンプトの入力・送信
Deep Researchが有効となった状態で、プロンプトを入力・送信します。
プロンプトには、情報収集・調査したいタスクを自然な言葉で入力します。たとえば「最新のAI技術に関する研究論文を要約してください」など、依頼する内容を明確に記載しましょう。
プロンプトを送信すると、リサーチの方向性を固めるために補足情報を求める質問が返ってきます。回答に従って、補足情報を再送信しましょう。
4-5. 出力内容の確認
タスクや補足情報を送信すると、Deep Researchによるリサーチが開始します。
前述のとおり、Deep Researchの調査完了までには5~30分ほど必要です。
調査が完了すると、調査結果がレポートとして出力されます。内容をチェックし、記載が気になる箇所は出典をチェックするなどして精査しましょう。
まとめ
OpenAIのDeep Researchとは、生成AIツール「ChatGPT」に搭載されたリサーチ機能のことです。
有料プランへの登録が必要ですが、手動では時間のかかるWeb上の情報収集・調査を大幅に効率できます。
OpenAIの「Deep Research」を活用して、情報収集の効率を大幅に向上させましょう。まずは、ChatGPTの公式ページから有料プランを確認し、ぜひ試してみてください。