もうすぐ新入社員が入社するシーズンに差し掛かってきましたね。皆さんはエンジニアとして駆け出しだった頃、どんな業務に就いたか覚えていますでしょうか。
新しい環境に飛び込んで最初の数か月間は、不安や緊張感でいっぱいだったことでしょう。しかし、徐々に職場に慣れ、業務にも慣れていったのではないでしょうか。
今回は、以前実施したアンケート「エンジニアとして最初にやった仕事は?」の回答結果をまとめてご紹介します。
これからエンジニアとして働き始める方、心機一転、新しい環境で働かれる方などは、先輩エンジニアの実際の経験が参考になるかと思います。ぜひ最後までご覧ください。
エンジニアとして最初にやった仕事は?
現在エンジニアとして活躍している社員の方は、どんな仕事を最初に任されたのでしょうか?
今回、エンジニアになってから最初にやった仕事についてIT・インターネット関連、メーカー関連の方々とで傾向が異なったため、それぞれ分けて紹介致します。
IT・インターネット関連
IT・インターネット業界に携わる方のうち、最も多くの方が最初の仕事として経験していたのが「コーディング・プログラミング」でした。続いて「テスト」が第2位、
第3位が「要件定義/要件分析」、第4位が「顧客への対応・折衝」、第5位は「プロジェクト管理」という結果です。
第6位以降は「社内の打ち合わせ・調整業務」「サーバやミドルウェアなどの設定」「ルーティンワーク・手伝い」などエンジニア業務以外のことを任されたという回答が多く見受けられました。
第2位に「テスト・不具合修正」が来ていることから、最初の仕事でテストが任せられる割合が高いことがよくわかります。
具体的な実施事項として回答があったのは、以下のとおりです(一部抜粋)。
コーディング・プログラミング
エンジニアとして最初に任された仕事のうち最も多かったのは「コーディング・プログラミング」でした。
当然のことながらその内容については多岐にわたります。
Visual BasicやCOBOL、アセンブラ、FORTRANといったプログラミング言語を用いたプログラムの作成、また印刷アプリといった組み込みソフトウェアや、ナビゲーションシステムのプロトタイプ製作、ECサイト構築ツールのカスタマイズなど、多種多様な業務が挙がりました。
また、製品のカスタマイズ機能追加やETL処理の追加、販売管理プログラムの開発など、顧客要望に応じた業務もあることが分かりました。
中には、MIDI音源の減音のための試聴やSDカードのデバイスドライバ開発(C言語/Linux)など、専門的かつ特殊な業務に従事していた方もいらっしゃいます。
それぞれの業務において、最初の経験が今後のキャリアに大きな影響を与えた方もいることでしょう。
業務内容
- Visual Basicによるプログラミング
- プログラム作成(COBOL)
- 印刷アプリの開発
- 自社製品のビルドツール開発
- ETL処理の追加
- MIDI音源の減音のための試聴
- ナビゲーションシステムのプロトタイプ製作
- SDカードのデバイスドライバ開発(C言語/Linux)
- ECサイト構築ツールのカスタマイズ
- オフコンによる販売管理のプログラム開発
- ソフトウェア開発(アセンブラ、FORTRAN)
テスト
具体的な内容を見ていきましょう。「コーディング・プログラミング」ほどではないにしろ、「テスト」と回答されている方も相当数いました。
ソフトウェアテストは、エンジニアとしての最初の業務の一つであり、多くの方がこの業務からスタートしていることがわかります。また、その内容としては主に既存のシステムやアプリケーションのテストや修正業務が多く、その他には新規開発に携わることもあることが伺えます。また、問い合わせ対応や夜間バッチの改修など、ユーザーに直接影響する業務にも携わることがあるようです。
業務内容
- VBアプリケーションのテスト
- システム移行プロジェクトのエラーデータ修正
- 通信F/Wの動作テスト
- モバイルアプリのテスト実行、バグ報告、修正確認
- システムテストのオペレーション
- アプリの手動テスト実行
- 問い合わせ対応、テスト、検証作業
- 夜間バッチの改修
- 既存ソフトウェアのテストと不具合修正
- システム移行プロジェクトのエラーデータ修正
メーカー関連
続いて、メーカーの方々の結果をご紹介いたします。最も多かったのがIT関連企業同様、「コーディング・プログラミング」でした。続いて「要件定義/要件分析」、「テスト・不具合修正」、「プロジェクト管理」と続いています。
IT・インターネット関連と比較すると、コーディング・プログラミングが多くなっています。要件定義/要求分析に分類される業務がテスト・不具合分析よりも多い結果となりました。一方で、最初の仕事として顧客への対応・折衝といった業務を任せられたという方も。業種が異なるため、エンジニアとしての仕事内容も大きく異なっていることがわかります。
具体的な実施事項として回答があったのは、以下のとおりです(一部抜粋)。
コーディング・プログラミング
具体的な内容を見ていきましょう。ソフトウェア開発をはじめ、計測器のソフトウェア開発や、Androidアプリの作成、半導体製造装置の機能追加、プロセスデータの上位出力対応、グループウェアのSaaS化、自動倉庫システムの画面周りの開発、生産設備の条件出し実験、AVレシーバー機器のデバッグなどが挙げられます。
これらは、製造業や自動車産業などの分野で、生産ラインや装置の制御システム、または機能強化などの改良に関わる開発が多いことが伺えます。
また、ソフトウェア開発においても、品質向上や信頼性の向上を目指す取り組みが重要視されていることがわかります。
- ファームソフト作成
- 日本語版UNIXマシンのユーティリティプログラムの作成
- 計測器のソフトウェア開発
- マイコンプログラム作成(アセンブラ4bit)
- 半導体製造装置の機能追加
- プロセスデータの上位出力対応
- グループウェアのSaaS化
- ユーティリティプログラムの機能の拡張
- 自動倉庫システムの画面周りの開発
- 生産設備の条件出し実験
まとめ
今回は「エンジニアとして最初にやった仕事」に関する結果を共有しました。
どちらの業界でも第1位は「コーディング・プログラミング」です。IT・インターネットは「テスト」が第2位、メーカーでは要件定義/要件分析」が第2位でした。
やはり始めて割り振られた仕事というのは、印象に残っているという方が多いようです。先輩社員に当たる方々は、最初に振られた業務について記憶を呼び戻しつつ、新たに入社/配属される方々にどんな仕事を振るべきか、頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか。
新入社員にとって初めての仕事は難しく感じるかもしれませんが、先輩から教わると、自分の力でゼロからつくる喜びを得られることでしょう。
最初の仕事でその人の方向性が決まるとまでは言いませんが、最初の経験がその人の将来にとって良い影響を与えるような、そうした業務割り振りを行いたいものですね。
アンケート実施情報
・アンケート名:エンジニア業務に関するアンケート調査
・取得時期:2022年8月
・回答者人数:161名
・アンケー回答者:Qbook登録者
今回実施した回答者の年齢構成は以下の通りとなりました。
アンケートに回答いただいた皆様、ご協力いただき誠にありがとうございました。