新年度が始まって約2か月が経ちました。新卒社員の方、キャリアチェンジをしてエンジニアの道へと転職された方は、日々研修や新しい業務の習得に勤しんでいる時期なのではないでしょうか。
その中で、「失敗したらどうしよう...」「うまくできなかったらどうしよう‥・」と不安を抱えている方もいらっしゃるかと思います。
そこで、Qbookでは、エンジニアとしてのキャリアをスタートした方への教訓!?となるような、エンジニアの先輩方の新人時代の失敗エピソードを募集しました。
今回はアンケート調査結果をまとめてご紹介します。失敗談だけでなく、新人の失敗に対する先輩の想いについてもお伺いしていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- もくじ
1. 新人時代にやらかした失敗エピソード
エンジニアとして働いている方々に、新人時代にやってしまった失敗談についてお伺いしました。
回答が多かった順にご紹介します。
1-1 誤認識・うっかりミス
最も多かったのが誤認識によるミスやうっかりミスについての回答でした。
間違えてデータを削除してしまった、USB紛失・お茶をこぼしてしまったなどのミスについて様々な失敗談が集まりました。
- プロダクション環境にバグのあるコードを配布してしまった。サイトの中断をもたらし、会社にコストを発生させた。(30代 男性)
- 会社で運用していたオンプレサーバのメンテを任された際に、*rm -rf /コマンドで全て消しかけた。(20代 男性)
- 大切な顧客データが入った USB を紛失してしまいました(40代 男性)
- PCにお茶を大量にこぼしてしまって復旧できなかった。(30代 男性)
- 本番データを削除してしまった。(前日バックアップを戻して対応。)(50代 女性)
- エビデンス動画の取得失敗(画面真っ黒状態)により全部やり直しに。きちんと撮れているか、最初に試してみて見る癖がつきました。(30代)
- 常時起動が必要な業務用serverをシャットダウンしてしまった。(40代 男性)
1-2 プロジェクト管理・コミュニケーションの失敗
続いては、プロジェクト管理やコミュニケーションに関する失敗です。
入ったばかりの環境で、コミュニケーションがうまく取れなかった、確認せずに行ってしまったことが失敗に繋がってしまったことも多いようです。
- 仕様についてわからないことを曖昧にしたままテスト実行してしまい手戻りが発生。さっさと有識者に確認すればよかったです。(30代)
- 初歩的な確認を怠ってしまい、データを2重作成(アップロード)してしまったということがありました。(30代 男性)
- 銀行系の汎用機時代のときに、帳票を勝手に変えた。デザインを見て、こっちの方がユーザーフレンドリーだなと思い実装した。顧客からの承認を得るという手順を知らなかった。リーダーからは注意されたが、怒られはしなかった。(40代 男性)
- プロジェクトマネジメントの観点(コスト・スコープ・スケジュール)がなく、目の前の納期に固執したり、逆に完璧にテストを実施することにこだわったりしていました。仕事の背景を理解せず、ただ言われたとおりに手を動かして検討違いのことをしていたこともありました。(30代 男性)
- 常駐先のお客様テスト環境でJCLの勉強をしていて、試しに書いたJCLをよく確認せず実行しようとしたら共有ボリュームをロックしてしまい騒ぎになってしまった。(40代 男性)
- 依頼にない項目を良かれと思って修正。設計書を直していなかった点も含めて指摘を受けた。(40代 男性)
1-3 技術力不足によるミス
最後に、技術力不足によるミスについての回答です。
できると思っていたが技術力が足りていなかった、知識がなかったことで失敗に繋がったなどの回答が多く寄せられました。
- 先輩の言う通り「なんでもできます」と答えていたら、サーバの設計・構築案件に参画した際に内容が全く分からず、3日で「来なくていい」と言われた。(40代 男性)
- プログラミングを行っては、プログラムソースコードを先輩に渡すとルーチンがあり、先輩から指摘を受けたことは無かったので、自分は「結構出来ているなあ」と勝手に思っていたが、3か月後、自分の開発した部分を見たところ、原型も無くなるくらいにソースコードは改変されていた。そこで、自分のプログラミングはまだまだ製品レベルではなかったと気付いた。(50代 男性)
- TDDを全く理解してないうちに、TDDが良いと思い込んで、自分が担当する分を無理やりTDD流で実装しようとした。知識も経験もないため、規定工数で完成出来なかった。(30代 男性)
1-4 労働環境・自己管理
最後に、慣れない労働環境で自己管理がうまくいかなかったことによる失敗エピソードをご紹介します。
自分の体調管理や仕事の調整は、入ったばかりの頃はうまくいかないこともあります。
まずは、自分のキャパシティを知ることが大切になりそうですね。
- 部門内で管理していたサーバ故障時に、バックアップからデータを戻すのに時間がかかりすぎて、徹夜してしまった。(40代 男性)
- 学生時代に多少ソフトウェア開発をかじっていたという理由から、研修期間をすっ飛ばしていきなりソフトウェア開発部隊に放り込まれました。毎日終電を逃すほどの激務、もちろん土日返上。(60代 男性)
- 業務を安請け合いして、スケジュール通りに業務が終われなかった。(30代 男性)
2. 新人時代に欲しかったスキルは?
現在、エンジニアとして働く方々に、新人時代に欲しかったスキルについてもお伺いしました。
回答結果は以下の通りです。
最も多かったのは「行動力・実行力」で24件です。
新人時代は、分からないことがあっても聞くことを躊躇してしまったり、「こうしよう!」と決めたことをなかなか行動に移すことができなかったりと、行動力・実行力に課題を感じる方が多かったようです。
続いて、「コミュニケーション能力・協調性」が16件。
同僚や上司、取引先とのコミュニケーションについて悩んだ経験のある人も多いのではないでしょうか。組織の中で働いていく中で円滑に仕事を進めていくためには重要なスキルになります。
次に、「プレゼンテーション能力」や「専門知識の獲得」が各12件。
実際の業務に役立つスキルを、新人時代から身に付けたかったと回答された方が多かったです。
回答数は、「ストレス耐性」が7件、「課題発見能力」が6件、「調整能力」が4件、「ビジネススキル・マナー」「語学力」「その他回答」が3件、「基礎体力」が1件という結果となりました。
3. 新人の失敗への許容度は?
様々な経験をされ、先輩エンジニアとして新人エンジニアを迎える立場になった方々は、「新人の失敗」についてどのようなお考えのお持ちなのでしょうか。
アンケートの結果と理由についてご紹介します。
「新人の失敗」については、ある程度は仕方ない、むしろ経験すべきなので問題に感じていない、という回答結果となりました。
「失敗はゆるされない」という項目を選んだ方は0でした。
ただし、同じ失敗を繰り返さないように、次に生かしてほしいという想いもあるようです。
回答の理由についてのコメントをいくつかご紹介します。
- 初めてやることは失敗して当たり前なので、個別の失敗それ自体を悲観することはない。失敗してセンスを磨けばよい。(男性 30代)
- なぜ失敗したかを考えることの方が重要だと思います。失敗はベテランでも起こりうるものであるのと、起きてしまったことは仕方が無いと考えます。ただし、失敗は学びでもあるので、失敗から再発防止策を考えていき、よりよい方法を模索し続けていくことが大切だと思います。(30代 男性)
- 私もとことん失敗して学んできた。その時上司がたくさん救ってくれたから。(30代 女性)
- 兎に角挑戦する。行動すれば1/10の成功で十分です。「人生すべからく夢なくしては叶いません」(50代 男性)
- 誰しも失敗をしないことは不可能だし、繰り返す失敗の中で自身の弱みや思考の癖などが見えてくる。それを踏まえて、次回以降をより良くこなす努力が、大きな成果につながると考える。(40代 男性)
- 新入社員に任せる業務はそれほど重要なものが無く、失敗されたとしてもいくらでもフォローができるため。それよりも一度失敗して冷や汗をかいてもらったほうが、本人的にも今後の業務で生かしていけるナレッジが増えていくと思われる。また管理者的には、どの部分で失敗したのかを把握することで、業務上の仕組みとしての改善ポイントを出すことができる。(30代)
4. 先輩から新人エンジニアへのアドバイス・メッセージ
最後に、先輩エンジニアからのアドバイスをいくつかご紹介します。
- 簡単そうに見える業務でも、なんらか新しい技術や方法論の学びに紐づけて成長機会だと捉えられると素敵だと思います。一緒に頑張りましょう。(20代 男性)
- 失敗を経験して成長すればいいです。 焦って先に進めないので焦る必要はない。仕事はマラソンのようなものだからゆっくり根気よく行けば良いと思います。(30代 男性)
- 日本に古くからある会社では未だに根性論がはびこっています。負けるな新人!(60代 男性)
- なんでも思い切って挑戦してほしいです。世の中(業務にかぎらず)やってみないとわからないことだらけだと思うので。(40代 男性)
- もし失敗したとしてもごまかさず、ありのままを報告できるようにしましょう。最初のうちは精神的に難しいかもしれませんが、怒られることは無いと思います(報告したときに上長の眉間にしわが寄っていたとしても、それはこれからどうやって改善するか、挽回するかを考えている顔なので、怒っているわけでは無いはずです)。人間だれしもミスはありますし、上長も通ってきた道ですので。あとチームで仕事をしている以上は、コミュニケーションは重要です。休憩時間や業務前業務後に同期や上長と雑談などをすることによって、人間的な見識も広げていただければと思います。ちょっとした雑談が、思わぬところで業務に役立ったりすることも多いです。ただ与えられた仕事だけをして、業務時間以外で一切コミュニケーションを取らないのは、デメリットが大きいのでお勧めしません。ぜひ自分から話しかけてみましょう。(30代)
- 思考力を磨いてください。(60代 男性)
まとめ
今回はITエンジニアの方を対象に新人時代の失敗談についてアンケートを実施しました。
エンジニアとしてこれまでキャリアを積まれてきた方々も、新人時代は様々な失敗を経験したことがお分かりいただけたかと思います。
また、多くの先輩エンジニアが「新人時代の失敗は仕方がない、失敗してしまうのは当たり前だ」という考えをお持ちのようです。今回のアンケート回答にもあったように、重要なのは失敗した後にその失敗から何を学ぶのか、どのように成功につなげるのかという点です。
これからエンジニアとして活躍される新人エンジニアの皆さんも、ぜひ失敗に臆することなく、先輩にフォローしていただきながら、様々な挑戦をしていただければ幸いです。
今回のアンケートにご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。