様々な現場でQA業務に携わっている方々の「声」をお届けする『隣のQAに聞く!』。社会のデジタル化が急速に進み、教育現場ではタブレットやパソコンなどを利用したネット環境下で勉強を行うオンライン学習サービスの普及が進んでいます。
株式会社リクルートが運営する『スタディサプリ』は、小学校高学年から大学受験生まで、実力派講師陣による4万本以上の講義動画を利用することができるオンライン学習サービスです。個人の利用はもちろん、高校を中心に自治体や学校単位でも活用されており、現在は全国の高校2,109校で導入されています。(2023年3月末時点)
日本のオンライン学習サービスをリードする同社では、どのようにQA組織が運営されているか、気になるエンジニアの方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、同社の内藤史郎さんにQAのミッションやQA組織を動かすポイントをお話しいただきました。
今回インタビューを受けてくださった方

- 内藤 史郎 氏
株式会社リクルート
キヤノン株式会社、楽天グループ株式会社での品質保証担当の経験を経て、2020年にリクルートへ入社。現在は『スタディサプリ』の品質保証を担当している。
- もくじ
1.自分らしく学び、生きられる世の中を実現する
――はじめに、QA業務に携わるようになったきっかけを教えてください。
最初は社内SEとして商社で開発の業務をやっていました。しかし将来のことを考えた時に一般的なIT+αで専門性を身に付けたいと思いまして。
ちょうどその頃、某企業のシステムトラブルが大きなニュースになっており、「あれはなぜ起きているのだろう」と興味を持って調べていたときに、ソフトウェアの品質保証ということ専門職を知り興味を持ちました。
そのタイミングでソフトウェア品質保証を体系的に学習してJSTQBなどの資格を取り、QA業務に携わるようになりました。
社会人2年目までは独立度の低い開発の中での開発・品質保証の毛色が強かったと思いますが、その後は徐々に独立度の高い品質保証を行なってきました。
経歴は大きなところでいうとキヤノン、楽天、リクルート(『スタディサプリ』)にて比較的大規模なプロダクトを経験しています。
キャリア的な話をすると大規模な開発のみに従事していた印象を持たれることが多いのですが、実はそれだけではなく、セキュリティソフトやドライバなどの小規模なミドルウェアに対する品質評価業務にも従事してきました。
――現在、リクルートで担当されている事業・サービスについて教えてください。
我々は「EdTech」に位置付けられる教育アプリケーションを開発していて、私は国内向けに『スタディサプリ』海外向けに『Quipper』と呼ばれるオンライン学習サービスの品質保証の業務を担当しています。
『スタディサプリ』の事業ミッションは「自分らしく学び、生きられる世の中を」で、経済的・地理的な理由から発生する教育環境格差を解消し、すべての人たちに学ぶ機会と楽しさを提供したいという想いが、私たち『スタディサプリ』のルーツになっています。