「プログラミング」は、コンピューターを動かすために必要なプログラムを作るプロセスです。
義務教育のカリキュラムにプログラミングが組み込まれ、プログラミング学習は子供にとって身近になっています。また、大人にとってもリスキリング(新しいスキルの習得)の選択肢の1つとして、プログラミング学習が注目されています。
プログラミングの需要が高まるなか、「自分の子供にプログラミングを学んでほしい」「自分でもプログラミングを学びたい」という方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、大人も子供も学べるプログラミング学習方法を14点紹介します。ぜひ自身の学習目的や子供の年齢、興味に合わせて最適な学習方法を選んでみてください。
1.プログラミング学習方法の種類
プログラミング学習方法は多様化しており、さまざまな選択肢があります。まずは、プログラミング学習方法の代表的な4種類を知っておきましょう。
1-1 学習書
プログラミングに関する学習書は数多くあります。プログラミング言語の入門書やプログラム開発手法に関する参考書を活用すれば、1つのテーマに沿って体系的な学習が可能です。また、子供に興味を持たせるのに適したプログラミングの絵本などもあります。
知識の習得だけであれば、パソコンを使わずに学べる手軽さがメリットといえますが、パソコンを用いたプログラミングの実践とは相性が悪い点はデメリットといえるでしょう。
1-2 学習サイト
プログラミング向けの学習サイトを利用すれば、オンラインでのプログラミング学習が可能です。学習サイトで学んだ内容を自分のパソコンで試すことで、実践的なスキルを身につけられるでしょう。具体的な学び方は、スライド教材を読み進める形式や、動画教材を視聴する形式など、学習サイトによります。
最近では、モバイル端末のブラウザでも利用できる学習サイトが増えています。ただし、利用にはインターネット接続が必須であり、月額料金が発生する学習サイトが多い点に注意が必要です。
1-3 学習アプリ
プログラミング向けの学習アプリを利用すれば、スマートフォンやタブレットで手軽にプログラミング学習が可能です。イラストが中心のものや、ゲーム感覚で学べるものなど、子供でもプログラミング学習を始めやすいアプリが数多くあります。
学習アプリのメリットは、通勤・通学や家事の合間など、空いた時間を使って手軽に学べることです。ただし、タップ操作が中心となるため、パソコンと同等の実践は行えません。また、学習アプリによっては課金が必要なケースもあります。
1-4 ゲーム・知育玩具
ゲームや知育玩具を活用することで、プログラミング学習がより楽しくなるでしょう。プログラミング学習用のゲームには、RPGやパズルなどさまざまなジャンルがあり、ゲーム内に盛り込まれた問題に取り組むことで楽しく学べます。
また、ブロックなどの知育玩具を活用することで、子供は物事を順序立てて考え、論理的に組み立てる力を養うことができるため、自然とプログラミングの基礎を身につけられます。
このように、プログラミングに慣れていない人でも学ぶハードルが低いため、挫折しにくいでしょう。ただし、ほかの学習方法と比べると、本格的な学習には向かない場合があります。そのため、プログラミングを本格的に学び始める前に取り入れるのがよいでしょう。
2. 子供向け・おすすめプログラミング学習方法7選
ここでは、子供でも学びやすいプログラミング学習方法を7つピックアップして紹介します。「子供にプログラミングへの興味を持たせたい」といった場合に、ぜひ活用してみてください。
2-1 できるキッズ 子どもと学ぶ Scratch プログラミング入門
「できるキッズ 子どもと学ぶ Scratch プログラミング入門」は、ビジュアルプログラミング言語「Scratch」の基本を学べる入門書です。Scratchを用いたプログラミング手順を画面付きで丁寧に紹介しています。
Scratchは、通常のプログラミング言語のような複雑なコードを書かず、まるでレゴブロックで建物を作るように、ブロックを組み合わせてプログラムしていくのが特徴です。そのため、プログラミングの経験がない子供でも簡単に学べます。
2-2 ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング
「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」は、プログラミング学習のきっかけ作りに適した絵本です。主人公・ルビィの冒険を通して、プログラミングに必要な「順序を立てて考える」「問題を解決する」といった考え方に触れられます。
プログラムのコードは登場しないため、プログラミングの知識がなくても楽しく学べます。「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」は、子供のプログラミングに対する興味を引き出したい場合におすすめです。
2-3 デジタネ
出典:https://digitane.jp/online/
「デジタネ」は、小中学生のプログラミング学習に特化した学習サイトです。人気のゲーム「マインクラフト」などの題材を用いた動画教材で、プログラミングの基礎を楽しみながら学習できます。
子供向けの題材が豊富で、飽きずにプログラミング学習を続けやすいのが特徴です。ただし、マインクラフトなどの購入が必要となる場合があります。
2-4 Code Karts
出典:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.edokiacademy.babycoding&pli=1
「Code Karts」は、カーレースを題材にしたパズルゲームで、プログラミングの感覚を養える学習アプリです。矢印付きのブロックを並べて、レーシングカーをゴールまで到達させます。
直感的に操作できるため、小学校入学前の子供でも楽しめます。プログラミング学習の入り口として、本格的に始める前に取り入れてみるのがおすすめです。
2-5 Viscuit
「Viscuit(ビスケット)」は、ゲーム感覚で扱えるビジュアルプログラミング言語とそのプラットフォームです。描いた絵を組み合わせて、簡単な絵本やゲームを制作できます。「メガネ」という独自の仕組みにより、さまざまなプログラムを直感的に作れるのが特徴です。
プログラミングの考え方に触れるだけでなく、子供の創造力を養うことにもつながります。ブラウザ版またはアプリ版から、家庭に合った学習方法を選びましょう。
2-6 LightBot
「LightBot」は、ロボットを題材にしたパズルゲームを楽しめる学習アプリです。論理のブロックを組み合わせ、ロボットをゴールまで到達させます。
「繰り返し」や「関数」といったプログラミング的な考え方に触れることができ、やや難易度が高めなため、小学校中学年から高学年に適しています。
2-7 レゴ ブースト
出典:https://www.lego.com/ja-jp/product/boost-creative-toolbox-17101
「レゴ ブースト」は、ブロック遊びで有名な「レゴ」にプログラミングの要素を取り入れた知育玩具です。
アプリで作ったプログラムを用いて、レゴブロックで組み立てたロボットを動かせるので、制作過程でものづくりやプログラミングの楽しさに触れられるでしょう。
ただし、アプリの導入と「レゴ ブースト クリエイティブ・ボックス」の購入が必要です。また、後者は製造終了しているため、中古で探してみましょう。
3. 大人向け・おすすめプログラミング学習方法7選
ここでは、大人向けのプログラミング学習方法を7つピックアップして紹介します。
「自分でもプログラミングを学びたい」という場合に、ぜひ活用してみてください。
3-1 おうちで学べるプログラミングのきほん
「おうちで学べるプログラミングのきほん」は、プログラミングにおける「基本の基本」から学べる入門書です。パソコンを実際に使い、プログラムがどのような仕組みで動くのかを理解できます。
コンピューター関連の用語に関する説明もあるので、IT初心者でも安心して学べるでしょう。「おうちで学べるプログラミングのきほん」は、プログラミング学習に向けて前提知識を身につけたい方におすすめです。
3-2 プログラミング入門講座――基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業
「プログラミング入門講座――基本と思考法と重要事項がきちんと学べる授業」は、これからプログラミング学習を始める方向けの入門書です。
プログラミングを学ぶメリットやおすすめ教材など、本格的な学習前に役立つ情報が集約されています。
プログラミングの難しい概念は登場しないため、未経験でも問題なく読み進められます。「プログラミング入門講座」は、何から手を付けたらよいかわからないと悩む方が、プログラミング学習の全体像を把握する際に有用です。
3-3 Progate
「Progate」は、スライドを読み進めながらプログラミングを学べるプラットフォームです。
JavaScriptやRubyなど、Web開発向けのプログラミング言語を広く扱っています。スライドにはイラストが豊富に盛り込まれているので、プログラミング初心者でも直感的に学べるでしょう。
Progateは、プログラミング言語の基礎固めをしたい方におすすめです。なお、Progateにはアプリ版もあり、こちらは子供の学習にも取り入れやすくなっています。
3-4 paizaラーニング
「paizaラーニング」は、1本あたり3分程度の動画でプログラミングを学べる学習サイトです。C言語やJavaなど、人気のプログラミング言語を幅広く扱っています。
コードを記述するスペースが用意されており、ブラウザ上で実践できるのが特徴です。「paizaラーニング」は、テキストを読むよりも動画で直感的に学びたい方におすすめです。
3-5 Codewars
「Codewars」は、さまざまなプログラミングの問題にチャレンジできる学習サイトです。
歴史あるプログラミング言語に加え、Go言語やKotlinといった比較的新しい言語も扱っています。
プログラミングの問題を解いていくことで、実践感覚を養えるでしょう。「Codewars」は、プログラミング言語の基本を学んだ方のステップアップにおすすめです。
3-6 エンジニア大学
出典:https://apps.apple.com/jp/app/id1609827348
「エンジニア大学」は、プログラミング学習をゲーム感覚で始められる学習アプリです。
Web開発の主要なプログラミング言語に対応し、モバイル端末でもコードを記述して実践できるのが特徴です。
イラスト中心のコンテンツで、直感的に理解できる内容となっているので、初心者でも学びやすいといえます。ただし2024年10月時点では、iOS版のみの対応となっています。
3-7 コードクロニクル
出典:https://paiza.jp/codechronicle
「コードクロニクル」は、プログラミング学習にRPG要素を取り入れたプラットフォームです。C言語やJavaなど、実際に仕事でよく使われている人気のプログラミング言語を幅広く学べます。
単にプログラミングの問題を解くだけでなく、仲間を増やしたり、ガチャを引いたりといった、ゲームらしい要素が豊富に盛り込まれています。
「コードクロニクル」は、ゲームをプレイするような感覚で、楽しくプログラミングの基本を学びたい方におすすめです。
4.子供にプログラミングを学習させる際のポイント
子供にプログラミングを学習させる際は、学習意欲を高めるポイントを押さえておくことが大切です。子供へのプログラミング教育を考えている方は、次のポイント3つを押さえておきましょう。
4-1 簡単な教材から始める
まずは簡単な教材から始めましょう。プログラミングの具体的な概念や文法を理解することは、子供にとってハードルが高いといえます。いきなり難しい教材から始めると、プログラミングに苦手意識を持ってしまいかねません。
最初はゲームや知育玩具といった学びやすい教材から始め、プログラミングへの興味を引き出すことが大切です。
4-2 親も一緒に楽しむ
親も子供と一緒にプログラミング学習を楽しみましょう。親と一緒に学ぶことで安心感が生まれ、子供がプログラミング学習を継続しやすくなります。
親が学ぼうとする姿勢を見せることで、子供も前向きに取り組みやすくなるでしょう。子供がプログラミング学習に慣れるまでは、親が寄り添ってあげることが大切です。
4-3 すぐに答えを教えない
子供がプログラミング学習で困っている場合は、親がサポートしてあげるべきです。ただし、すぐに答えを教えるのはよくありません。
答えを教えると自分で考える習慣が身につかず、子供の成長を妨げることになります。親も一緒に考えながら、子供が答えにたどり着けるようなヒントを教えてあげましょう。
まとめ
プログラミングは、大人・子供を問わず学習することが可能です。
本格的に学べる学習書や学習サイトがある一方で、子供でも学べるゲームや知育玩具もあります。
さまざまな教材のなかから、自分や子供に合ったプログラミング学習方法を見つけましょう。
子供のプログラミング学習は、論理的思考力や創造力を育むことにつながります。また、大人もプログラミング学習することで、キャリアの幅を広げられます。今回の内容を参考にして、早めにプログラミング学習を始めましょう。