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ソフトウェア開発のトレンド12選!技術や手法をわかりやすく紹介
開発技法・工程 2024.11.20
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ソフトウェア開発のトレンド12選!技術や手法をわかりやすく紹介

執筆: Qbook編集部

ライター

ソフトウェア開発にはさまざまな技術や手法がありますが、そのトレンドは時代の流れと共に移り変わっていきます。

ソフトウェア開発への参入やプロセス改善を考えている場合、トレンドとなっている技術や手法を知っておくことは有用です。

そこで今回は、ソフトウェア開発でトレンドとなっている技術や手法を12点ピックアップして紹介します。

将来的にソフトウェア開発の仕事に就きたい方や、開発プロジェクトにおける課題解決のヒントを得たい方はぜひ参考にしてください。

もくじ
  1. ソフトウェア開発のトレンド技術7選
    1. 生成AI
    2. IoT(Internet of Things)
    3. サーバーレス・コンピューティング
    4. ブロックチェーン
    5. Web3
    6. メタバース
    7. PWA(Progressive Web Apps)
  2. ソフトウェア開発のトレンド手法・アプローチ5選
    1. アジャイル開発
    2. ローコード開発/ノーコード開発
    3. クラウドネイティブ開発
    4. DevOps/DevSecOps
    5. シフトレフト/シフトライト
  3. まとめ

1. ソフトウェア開発のトレンド技術7選

まずは、ソフトウェア開発のトレンド技術を7つ紹介します。これらの技術は、ITエンジニアの生産性向上や、IT企業の競争力向上につながる可能性を秘めています。

1-1 生成AI

「生成AI」は、AI(人工知能)を用いてコンテンツ(文章や画像など)の生成を実現する技術です。生成AIを搭載した「ChatGPT」をはじめとするサービスは、日本でも普及しつつあります。

生成AIの特徴として特筆すべき点は、人間の言葉で表現された指示を理解できる能力です。たとえば、「日本語に翻訳してください」といったリクエストにも応じられるため、専門知識がなくても手軽にコンテンツを生成できます。

コード生成が可能な生成AIは、特にソフトウェア開発において注目されており、プログラミングなどの業務効率化を図る職場が増えています。

なお、弊社では生成AIツールの業務利用に関してアンケート調査を実施しました。詳細については「生成AIツールの業務利用に関する調査結果」をご覧ください。

生成AIツールの業務利用に関する調査結果

今後もさまざまな分野で活用されることが期待されている中で、実際にITエンジニアは生成AIツールを利用しているのか、どのような用途で利用しているのか、アンケート結果をまとめました。

1-2 IoT(Internet of Things)

「IoT(Internet of Things)」は、さまざまなモノをインターネットに接続する技術です。

たとえば、スマートウォッチで収集した健康データをインターネット経由で送信し、サーバー側で管理・分析できます。

IoTシステムの開発は、昨今のIT業界でも注目されている開発分野です。たとえば、製造業のファクトリーオートメーション(工場の自動化)では、IoTシステムの導入が一般的になっています。さまざまな業界でIoT技術の活用が注目されており、IoTシステム開発のさらなる盛り上がりが期待されます。

以下の記事ではIoTのセキュリティについて解説しています。

1-3 サーバーレス・コンピューティング

「サーバーレス・コンピューティング」は、インターネットを介してサービスなどを利用する「クラウド・コンピューティング」の新しい形態です。

従来は、クラウドサービスの利用者がクラウドサーバーを管理する必要がありました。しかし、サーバーレス・コンピューティングではクラウドサービス側がサーバーを管理してくれるため、サーバーの構築および運用にかかる手間を省くことができ、ソフトウェア開発に専念できるようになります。

主要なクラウドサービスでも、サーバーレス・コンピューティングを採用するサービスが増えており、今後ますます普及するでしょう。

1-4 ブロックチェーン

「ブロックチェーン」は、データを複数のノードに分散して管理する技術です。

ブロックという単位でデータを区切り、チェーン(鎖)のように連結させて管理します。盗聴や改ざんのリスクを大幅に軽減し、データを安全に管理できることが強みです。

ブロックチェーンは、仮想通貨の基盤技術として注目を集めましたが、最近では仮想通貨にとどまらず、さまざまなシステムでの採用が進んでいます。そのため、ブロックチェーン開発は、IT業界の中でも注目されている開発分野です。

1-5 Web3

「Web3」は、「次世代のインターネット」として期待されている概念です。ブロックチェーン技術を用いるのが特徴で、Webデータを複数サーバーに分散して管理します。

従来のインターネットは、Google社などの大手IT企業にWebデータの管理が委ねられていました。しかし、Web3では特定のプラットフォームに依存せず、ユーザー自身がデータの所有権を持ち、自己管理できるようになります。これにより、データのリスクを分散し、より安全なインターネット環境を実現することが可能です。

Web3は、オンリーワンのデジタル資産を実現する「NFT(非代替性トークン)」などに活用されています。ブロックチェーン技術と共に普及すれば、IT業界でもWeb3関連のスキルの市場価値は高まるでしょう。

1-6 メタバース

「メタバース」は、インターネット上に仮想世界を構築する技術です。
Meta社(旧Facebook社)が事業の中核にメタバースを組み込んだことで注目を集めました。

メタバースのユーザーは、アバター(化身)として仮想世界に入り込み、さまざまな活動を行えます。ゲーム開発だけでなく、今後も様々な業界や分野で取り入れられていくでしょう。

近年は、メタバース空間で仮想通貨の取引を行えるなど、ビジネスとしての側面も注目されています。メタバースの市場規模は、今後の拡大が期待できるでしょう。

以下の記事ではメタバースプラットフォームについてご紹介しています。

1-7 PWA(Progressive Web Apps)

「PWA(Progressive Web Apps)」は、Webサイトをネイティブアプリ(OSにインストールして使うアプリ)のように利用可能とする技術です。

スマートフォンのホーム画面にアプリのアイコンを追加でき、スマホアプリのように操作できます。プッシュ通知も可能で、Webサイトの利便性を高めるうえで有用です。

PWAは主にWeb技術を用いて開発するため、スマホアプリの固有技術が要求されません。また、一つのアプリを開発するだけでiOS・Androidの両方に対応できるため、Web開発企業がコストや手間を抑えて、モバイル向けのアプリを開発する手段として注目されています。

2. ソフトウェア開発のトレンド手法・アプローチ5選

ソフトウェア開発に採用される手法・アプローチもさまざまです。続いて、ソフトウェア開発のトレンド手法・アプローチを5つ見ていきましょう。

2-1 アジャイル開発

「アジャイル開発」は、短期間の開発サイクルを繰り返し、ソフトウェアを完成させていく手法です。開発サイクルはソフトウェアの機能ごとに区切り、各々で要件定義・設計・実装・テスト・リリースといった工程を進めます。

アジャイル開発では、短期間の開発サイクルごとに機能をリリースできるため、リリースのスピードを大幅に向上させることが可能です。迅速なリリースが求められる現代に適した手法であり、広く普及しています。

アジャイル開発については、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

2-2 ローコード開発/ノーコード開発

昨今では、コードの記述量を抑える開発手法として、「ローコード開発」と「ノーコード開発」が普及しています。これらの手法は、高度なプログラミングスキルをもたなくても、視覚的な操作や簡単な設定だけでソフトウェアを開発できる点が特徴です。

・ローコード開発:必要最低限のコードでソフトウェアを開発する
・ノーコード開発:コードを書かずにソフトウェアを開発する

ローコード開発とノーコード開発では、専用の開発ツールを用いることが一般的です。ボタンの配置や処理の実装などを開発ツールの画面操作で行えるため、コードの記述量を削減できます。ただし、開発ツールが提供していない機能には対応できない場合があるため、注意が必要です。

ローコード・ノーコードについては以下の記事でも解説しています。

2-3 クラウドネイティブ開発

「クラウドネイティブ開発」は、クラウド環境をソフトウェア開発のベースとする手法です。

「AWS」などのクラウドサービスを用い、クラウド環境上でアプリケーションを構築・運用します。

オンプレミス(自社運用)の環境と比べてリソース調整などを行いやすいため、運用の効率化につながる点が強みです。また、サーバーレス・コンピューティングを取り入れることで、インフラ管理の負担を軽減できます。

クラウドサービスの普及に伴い、クラウドネイティブ開発はますます広がるでしょう。

2-4 DevOps/DevSecOps

「DevOps(デブオプス)」は、開発(Development)と運用(Operation)の密接な連携を実現するアプローチです。

開発チームと運用チームが緊密に連携し、協力することで、より迅速かつ高品質なソフトウェア開発と運用を実現することを目指します。アジャイル開発と相性がよく、アジャイル開発の普及に伴い、注目度が高まっています。

昨今では、DevOpsにセキュリティ(Security)の概念を組み込んだ「DevSecOps(デブセックオプス)」も注目されています。DevSecOpsは、ソフトウェア開発全体にセキュリティ対策やセキュリティテストを取り入れ、セキュリティ性を強化するためのアプローチです。

DevOpsについては、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

2-5 シフトレフト/シフトライト

テストプロセスに着目したアプローチとして、「シフトレフト」と「シフトライト」が注目されています。

  • シフトレフト:テストプロセスを本来より前工程で実施する
  • シフトライト:テストプロセスを本来より後工程でも継続的に実施する

シフトレフトは、設計段階でのレビューを強化、実装途中で簡易テストを行うなど、早期にテストや品質確認を行う手法です。これにより、後で品質上の問題が発覚した際の手戻りを抑制できます。なお、DevSecOpsもシフトレフトの一種です。

シフトライトは、運用開始後・リリース後にも、継続的にソフトウェアの品質改善を行う手法です。顧客やユーザーからのフィードバックに素早く対応できる体制を構築することで、柔軟にソフトウェアを運用していくことが可能です。

なお、シフトレフトとDevOpsは相性がよいといえます。詳しくは、次の記事をご覧ください。

まとめ

トレンドが移り変わっていくIT業界では、これからも新たな技術や手法が誕生するでしょう。そのため、トレンドは継続的に追っていくことが大切です。

ITエンジニアが市場価値を高めるうえでも、IT企業が市場で優位性を確立するうえでも、トレンドを把握することは有用です。

トレンドの技術や手法を取り入れたい方は、今回の内容をぜひ参考にしてください。

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執筆: Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。