最近、話題になっている「ChatGPT」。高精度のAIチャットボットとして、世間で大きな注目が集まっています。
しかし、「なぜここまで話題になっているのか」や「どのように活用できるのか」が分からない方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、ChatGPTの概要・優れている点や具体的な活用方法について解説します。
また始め方についても簡単にご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- もくじ
1.ChatGPTとは?概要や定義
はじめに、ChatGPTの概要や定義について解説します。「どのような仕組みなのか?」や「今後、活用される可能性があるのか?」などの基礎知識について見ていきましょう。
ChatGPTとは
ChatGPTとは、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスで、ユーザーが入力したテキストに対して最適な回答を提供するAI(人工知能)チャットボットです。
そもそもチャットボットとは、ユーザーが入力したテキストに対して、適切な返答をする対話型サービスのことです。ChatGPTは、チャットボットにAIの機能を搭載して、より正確な回答を自然な日本語で表現できるようになりました。
ChatGPTで実現できる会話には制限がなく、ユーザーの疑問点をぶつければ、なにかしらの回答をしてくれます。例えば、「チャットボットについて教えて」とChatGPTに投げかけると、チャットボットの概要を教えてくれます。ほかにも、ユーザーの指示に従って文章やプログラムコードを作成することも可能です。
このようにChatGPTは、高精度な返答ができるチャットボットであるのに加えて、文章作成も可能な最先端のサービスと言えます。ChatGPTの公開後、教育機関では学生の論文作成に不正利用される問題が発生したことなどもあり、最先端の技術に世界的な注目が集まりました。
ChatGPTは「OpenAI」によって作られた
ChatGPTは「OpenAI」と呼ばれる人工知能を研究する団体によって作られました。OpenAIは、社会的発展のためにAIの技術を広く普及させ、人々の生活に活用されていくことを目標に掲げています。また、営利法人である「OpenAI LP」と、その親会社となる非営利法人「OpenAI Inc」で構成されています。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTは「InstructGPT」をベースとした自然言語処理モデルで構築されています。InstructGPTはGPT-3と呼ばれる最新の言語モデルに、人間のフィードバックに基づいた強化学習を加えた言語モデルで、人間からの指示に対して適切な回答を返せることが特徴です。
このように、高度な自然言語処理モデルが採用されているため、あらかじめ想定された文言にのみ返答するチャットボットと違い、人間同士が対話するような自然な受け答えができます。
ChatGPTの今後
2023年3月現在、ChatGPTのアカウントを作成すれば誰でも無料トライアルで利用できます。しかし、OpenAI CEOのSam Altman氏は、ChatGPTを無料で利用し続けることはできないと明言しています。サービスの活用が進んでいく頃には無料での利用が難しくなり、有料での利用が前提となってしまう可能性が高いです。現時点では、有料のプランとなるChatGPT Proが公開されています。GPT-4に基づいて開発された人工知能チャットボットであり、より高度な自然言語処理機能を備えています。ChatGPT Proは、ビジネス、教育、医療など、多様な分野で活用されており、人間のような対話を可能にすることで、顧客やユーザーの体験を向上させることができるでしょう。
また、ChatGPTは人間のフィードバックを繰り返し学習しながら向上していく自然言語処理モデルのため、日々精度を向上させながら高度な業務にも対応できるサービスになると見込まれています。
2.ChatGPTの優れている3つの点
ChatGPTには、主に以下の3つの優れた点があります。
- 回答の精度が高い
- GUIが分かりやすい
- 有益な情報を提供してくれる
それぞれの優れた点を解説します。
回答の精度が高い
ChatGPTは、さまざまなデータを繰り返し学習するアルゴリズムが採用されているため、精度の高い回答が期待できます。先述した通り、ユーザーのフィードバックを繰り返し学習するので、時間を経るほど精度も向上するでしょう。
また、一般的な内容だけではなく、専門的分野の質問にも回答が可能です。回答に加えて、ユーザーの指示に沿った内容の文章も作成できます。
GUIが分かりやすい
GUIとは、Graphical User Interface(グラフィカルユーザインターフェース)の略称であり、コンピューター上で操作するための画面表示や入力機器を使った直感的な操作方法のことです。ChatGPTは、チャット形式での利用ができるため分かりやすいGUIであることも特徴の一つです。利用方法は後ほど解説しますが、登録をすればチャット欄に入力するだけで、その質問や指示に適した回答をしてくれます。
有益な情報を提供してくれる
ChatGPTは、学習しているデータの範囲が非常に広いため、多様なトピックについて有益な情報を提供してくれます。質問に対して迅速に回答するだけでなく、会話の流れを理解してフォローアップの質問をすることも可能です。
さらに、常に最新の情報を学習しつつ多言語に対応しているため、グローバルな視野から情報を提供できます。そのため、ChatGPTはビジネス、教育、医療、カスタマーサポートなど、様々な分野で有用なツールとして活用が期待されるでしょう。
3.ChatGPTの始め方を4ステップで解説
ここからは、ChatGPTの始め方を以下の4ステップで解説します。
- ステップ1:ChatGPTにアクセス
- ステップ2:アカウントを作成
- ステップ3:規約に同意する
- ステップ4:チャット欄に質問を入力
ステップ1:ChatGPTにアクセス
まずは、ChatGPTの公式サイトへアクセスします。もしくは、Webブラウザの検索欄に「ChatGPT」と入力して検索しましょう。
ステップ2:アカウントを作成
サイトへアクセスしたら、「Try ChatGPT」をクリックし「Sign up」を選択します。
次の「Create your account」画面ではメールアドレスかGoogleアカウントを選択し、指示に従って個人情報を入力するとアカウントが作成されます。
ステップ3:規約に同意する
アカウントの作成後、ChatGPTから利用に関する規約が表示されるため、内容に問題がなければ同意しましょう。
ステップ4:チャット欄に質問を入力
規約に同意するとChatGPTのメイン画面に切り替わり、利用できるようになります。質問は、画面の下のほうにあるテキストボックスに入力します。
質問を入力してしばらくすると画面が切り替わり、ChatGPTが自動で文章を生成し始めます。さらに質問をしたり、会話を続けたりすることも可能です。
4.ChatGPTの活用方法5選
ChatGPTの活用方法は、主に以下の5つのようなものが考えられます。
- 文章の作成
- 翻訳
- 要約
- 質疑応答
- コーディング
それぞれの活用方法について見ていきましょう。
文章の作成
ChatGPTは、ユーザーから与えられた指示に基づいた文章の作成が可能です。これまでもAIによる文章作成ができるツールはありましたが、ChatGPTはその中でも「自然で読みやすい日本語の文章の生成ができる」ことが最大の特徴となります。
ただし、テーマによっては、ある程度の手直しが必要になる可能性が高いです。文章の作成で活用するときには、文章の推敲やファクトチェックなどの添削が必要であることを認識しておきましょう。
翻訳
ChatGPTには翻訳機能も搭載されています。日本語や英語をはじめ多言語に対応しています。現在も言語モデルのトレーニングによって学習を繰り返しているため、翻訳の質が向上していくでしょう。
要約
ChatGPTは、与えられたテキストデータからポイントを抜き出して、要約した文章を作成できます。先述した通り、要約の内容には間違った情報が含まれる可能性があるため、人の目で推敲やファクトチェックを行う必要があります。
質疑応答
ChatGPTは、投げかけた質問に対して適切な回答を返答してくれます。カスタマーサポートなどで活用できれば、顧客の問い合わせ対応の効率化につながります。繰り返し学習すれば、過去にあった問い合わせから適切な回答を生成できるため、人手を介さずにユーザーサポートが可能です。しかし、精度を担保するには時間がかかるでしょう。
コーディング
ChatGPTは、指示された内容に基づいたプログラミングが可能です。プログラミング言語の種類は問わず、指定した言語のコーディングをしてくれます。
例えば、企業のWebサイトを構築しようと思ったときに、表現したい内容をHTMLでどのように記述すればいいかを質問すると、その内容に応じたHTMLコードを返してくれます。ただし、指示を明確にしないと想定しているコードを作成してくれないため、指示の仕方にはコツが必要となるでしょう。
まとめ
ChatGPTとは、入力されたテキストに対して、自動で回答をしてくれるAIチャットボットです。自然な日本語で文章などを自動生成するだけでなく、プログラミングや多言語にも対応しています。
現時点では、不得意な領域や事実誤認と思われる文章を生成してしまうといった課題もありますが、活用方法によっては大きな可能性を秘めていると言えます。ユーザーのフィードバックをもとにAIが学習を深めていくため、今後、改善や精度の向上が期待できるでしょう。
また、2023年2月にはGoogleが会話型AIサービス「Bard(バード)」を一部ユーザーにテスト公開しました。今後もChatGPTに限らず、こうした会話型AIサービスの開発が増加していくと考えられます。