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UI/UXとは?改善の効果やデザインの3つのポイントをわかりやすく解説
開発技法・工程
開発技法・工程 2024.09.03
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UI/UXとは?改善の効果やデザインの3つのポイントをわかりやすく解説

監修: 木下 敦史

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部

人気サービスの多くには、優れたUI/UXが備わっています。自社のサービスを魅力的なものにするためには、UI/UXを向上させることが大切です。

しかし、そもそも「UIとUXの違いがわからない」といった疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。

今回はUI/UXとは何か、UIとUXの違いも交えてわかりやすく解説します。UI/UXを向上させるメリットやデザインのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

もくじ
  1. UI/UXとは何か
    1. UI:ユーザーインターフェース
    2. UX:ユーザーエクスペリエンス
    3. UIとUXの違い・関係性
  2. UI/UXを改善すると得られる効果
    1. ユーザーの満足度向上につながる
    2. ユーザー対応の負担を軽減できる
    3. 他社サービスとの差別化を図れる
  3. UI/UXをデザインするためのポイント
    1. ユーザー目線で考える
    2. ターゲットユーザーの特性を知る
    3. 人気サービスを参考にする
  4. 魅力的なUI/UXデザインの事例
    1. LINE
    2. Spotify
    3. Amazon
  5. まとめ

1.UI/UXとは何か

まずは、UI/UXとは何か整理しておきましょう。UIとUXのそれぞれの概要をお伝えしたうえで、それぞれの違いや関係性について解説します。

1-1 UI:ユーザーインターフェース

UIは「ユーザーインターフェース(User Interface)」を略した言葉です。インターフェースには「接点」といった意味があります。つまりUIとは、ユーザーとサービスをつなぐ接点となる要素のことです。具体的には、サービス画面上のボタンやアイコンなど、ユーザーが見たり操作したりする要素を指します。

たとえば、動画視聴サービスを利用する場合、ユーザーは再生ボタンを押して動画を視聴するでしょう。このとき再生ボタンは、サービスとユーザーの「接点」となります。

1-2 UX:ユーザーエクスペリエンス

UXは「ユーザーエクスペリエンス(User eXperience)」を略した言葉です。エクスペリエンスには「体験」といった意味があります。つまりUXとは、サービスを通してユーザーが得られる体験のことです。具体的には、ユーザーがサービスの購入・利用から得た記憶や、サービスの見た目・操作感から得た印象などが挙げられます。

たとえば、動画視聴サービスを利用する場合、「見たい動画がおすすめ表示される」という体験は「UXが高い」といえます。動画を探す手間が省け、ユーザーが快適さを感じるためです。反対に、「広告で動画が中断される」という体験は「UXが低い」といえます。動画の視聴という本来の目的が阻害され、ユーザーが不便さを感じるためです。

このように、印象・記憶をはじめとして、サービスを通して体験した(する)ことそのものがUXとなります。

1-3 UIとUXの違い・関係性

UIは、ユーザーが目にする外観や、ユーザーが操作する画面要素そのものです。つまり、ボタンやアイコンのように実際の形がある「モノ」です。一方のUXは、ユーザーの印象・記憶といった心に刻まれる「コト」であり、実際の形はありません。

ただし、両者は密接に関係し合っています。たとえば、UIの一部であるボタンが押しづらい位置にある場合、ユーザーは不便さを感じ、UXは低下するでしょう。つまり、UIの見た目や操作性などを含めた全体的な体験がUXであり、UIとUXは切り離せない関係であるといえます。

2.UI/UXを改善すると得られる効果

サービスのUI/UXを改善することで、主に次の3つの効果が得られます。

2-1 ユーザーの満足度向上につながる

高品質なUI/UXは、サービスのユーザー満足度を向上させます。ユーザーは、ポジティブな感情でサービスを使いたいと考えるに違いありません。見た目や操作性に優れ、快適さや楽しさを提供するサービスのほうが、当然ながら満足度は高くなるでしょう。UI/UXの改善によって満足度が向上すれば、ユーザーの定着率や利用頻度の向上も期待できます。

2-2 ユーザー対応の負担を軽減できる

UI/UXを改善することで、ユーザー対応の負担を軽減できます。なぜならUI/UXの低さから生じる問い合わせやクレームの減少につながるためです。たとえば、ボタンの配置を見直してスムーズな操作が可能となれば、誤操作や混乱による問い合わせ・クレームは減るでしょう。このように、UI/UXはユーザーだけでなく、自社の担当者にとってもメリットがあります。

2-3 他社サービスとの差別化を図れる

優れたUI/UXは、他社サービスとの差別化ポイントにもなります。どのサービスも多機能化が進んでいる昨今、機能面で差別化を図ることは容易ではありません。その点、UI/UXはオリジナリティを出しやすく、意匠権の取得による保護も可能です。また、高品質なUI/UXでユーザーの心をつかめば、他社サービスに模倣されても離脱はされにくいでしょう。差別化を図りやすいUI/UXの改善は、市場競争における優位性を築くポイントです。

3.UI/UXをデザインするためのポイント

UI/UXの改善によるメリットを得るためには、高品質なUI/UXデザインのポイントを把握することが大切です。UI/UXをデザインする際のポイントを押さえておきましょう。

3-1 ユーザー目線で考える

UI/UXのデザインにおいては、ユーザー目線で考えることが大前提です。サービスの開発者目線で考えると、ユーザーの事情や感情が考慮されていない設計となってしまいます。

たとえば、開発者の好みで高度なアニメーションを取り入れた結果、速度低下によりユーザーが不満に感じる、といったケースは起こり得ます。

「ユーザーにとって本当に必要なものなのか」「ユーザが不満に感じる部分はないか」などユーザーの立場になって考えましょう。

3-2 ターゲットユーザーの特性を知る

サービス利用のターゲットとなるユーザーの特性を知ることも大切です。ユーザーの年齢層や性別などによって特性は変わるため、UI/UXに対する評価も変わってきます。

たとえば、操作に不安のあるシニア世代がメインターゲットの場合、大きく見やすいボタンが喜ばれるでしょう。一方、トレンドに敏感な若者がメインターゲットの場合、デザイン性に不満を感じることも考えられます。

ターゲットユーザーの特性や好みを分析し、ニーズに合わせてUI/UXをデザインしましょう。

3-3 人気サービスを参考にする

人気サービスのUI/UXを参考にするのも良いでしょう。人気サービスは、UI/UXも高く評価されているケースが多いです。画面のレイアウトや機能のガイダンスなどを自社サービスと比較すれば、人気サービスならではの工夫や魅力に気づけるでしょう。

ただし、他社サービスの良い要素を完全に模倣することは良くありません。

「どのような要素がユーザーに好まれているのか」「どのような導線だとユーザーが使いやすいか」など、ヒントを得る程度にとどめましょう。

4.魅力的なUI/UXデザインの事例

UI/UXは、人気サービスから学べることが多くあります。ここでは、魅力的なUI/UXデザインのサービス事例を3つ紹介します。

4-1 LINE

LINE.png

出典:LINE

「LINE」はコミュニケーションアプリの代表格の1つです。シンプルなUIですが、メッセージ入力・送信ボタン押下だけで快適にやり取りが行えるUXを実現しています。

その手軽さから、利用率が全年代平均で90%を超える人気アプリとなりました。また、独自性の高いスタンプが豊富にあり、非言語コミュニケーションが行えるのも魅力です。

4-2 Spotify

Spotify.png

出典:Spotify

「Spotify」は、世界で5億人以上のユーザーを持つ音楽再生サービスです。

黒を基調としたシンプルなデザインながら、音楽の検索や再生などがスムーズに行えるように設計されています。

必要な機能だけを1画面に集約した無駄のないUIは、快適に音楽を聴けるUXを提供します。

4-3 Amazon

Amazon.png

出典:Amazon

「Amazon」は、世界トップシェアを誇る通販サービスです。

購入履歴や検索履歴からユーザーに合った商品をおすすめする「レコメンド機能」など、UXを向上させる仕組みが充実しています。

スマートフォンやタブレットなど、デバイスに合わせて表示される見やすいUIにも定評があります。

まとめ

UI(ユーザーインターフェース)はユーザーとサービスをつなぐ「モノ」であり、UX(ユーザーエクスペリエンス)はユーザーの心に刻まれる「コト」です。

いずれもユーザーの満足度に直結する大切な要素であり、他社との差別化を図るうえでのポイントにもなります。

UI/UXを改善することで主に以下のような効果・メリットを得ることができます。

  • ユーザーの満足度向上につながる
  • ユーザー対応の負担を軽減できる
  • 他社サービスとの差別化を図れる

UI/UXのデザインにあたっては、ユーザー目線での検討やターゲットの分析、人気サービスの調査がポイントです。サービスのUI/UX改善を図る際には、今回の内容をぜひ参考にしてください。

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監修: 木下 敦史

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部

家電メーカー(研究開発)、産官連携事業(研究責任者)、大学講師(情報科学分野)を経てバルテスに入社。プログラマ、研究者、教員として幅広い業務を経験してきた。現在は、新入社員研修をはじめとした人材育成の実施、教育コンテンツの開発を中心に担当する。講師としてのモットーは「分かりやすく、論理的に」。学位:博士(工学)