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5分でわかる「ICT」とは?意味・活用例と企業で導入するメリット・注意点
ITニュース・ITトレンド 2024.08.09
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5分でわかる「ICT」とは?意味・活用例と企業で導入するメリット・注意点

執筆: Qbook編集部

ライター

ITと一緒に用いられることが多い「ICT」という言葉。

何となく意味を理解してはいるものの、何の略称なのか、「IT」と何が違うのか、詳しく分かっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

日本では「IT」をよく耳にしますが、国際的には「ICT」という言葉の方が普及しており、日本政府においても「ICT政策」として社会のICT化を推進しています。

企業としても、今後より生産性・効率化を高めるためにICTの導入・活用が重要なものとなりますので、「ICT」について理解を深めておくことが重要です。

そこで本記事では、ICTとは何か、ITやIoTとは何が違うのか、ICTの具体例について、図解を用いてわかりやすく解説していきます。

記事の後半では、企業がICTを導入するメリットや注意点についてもご説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

もくじ
  1. ICT(情報通信技術)とは?
    1. ICTとITの違い
    2. ICTとIoTの違い
  2. 【分野別】ICTの活用事例
    1. 企業
    2. 教育
    3. 医療・介護
    4. 防災
  3. 企業おけるICT導入のメリット
    1. 業務効率化・生産性向上につながる
    2. サービス品質・顧客満足度があがる
    3. 働き方・環境の改善につながる
  4. ICT導入の際に注意すべき3つのポイント
    1. 情報セキュリティを強化させる
    2. 社員のICTリテラシー向上させる
    3. 効果測定・改善を継続して行う
  5. まとめ

1.ICT(情報通信技術)とは?

ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称です。

インターネットなどの通信技術を用いてコミュニケーション、情報共有を実現する産業やサービス全般を指します。

具体的にはアプリ、SNS、Webサイト、ECサイト、オンライン会議システムなど、私たちの生活を便利にしている様々なものが挙げられます。

1-1 ICTとITの違い

ICTと同義で用いられることが多い「IT」とは、「Information Technology(情報技術)」という意味です。ITは、2000年に「IT基本法」が制定されて以降、日本でも広まりました。

ITとICTの違いは以下の通りです。

ITとICTの違い.png

ITは情報技術そのものを指しますが、ICTは、情報技術を使ってコミュニケーションを取る方法・技術を意味します。

デジタル化が進む中で、ただ情報を処理するだけではなく、人と人、モノと人をつなぐ技術・知識が重要視されるようになってきています。

用語としては、日本ではまだ「IT」という言葉の方が広く使用されていますが、国際的には「IT」の意味も含めて「ICT」という言葉が多く使用されています。

さらに総務省においても「ICT政策」を推進しているため、今後「ICT」がさらに広まっていくと考えられます。

1-2 ICTとIoTの違い

ICTと似ている言葉、「IoT」とは「Internet of Things(モノのインターネット)」という意味です。

ICTとIoTの違い.png

近年普及が進んでいる、スマートスピーカーや遠隔操作ができるエアコン・洗濯機などの家電などインターネットとモノがつながる技術・仕組みのことを指します。

そのためIoTはICTの一部と言えるでしょう。

総務省が進めている「ICT政策」でもIoT機器の適正利用に関する内容が存在します。

IoTについてはこちらの記事もご覧ください。

2.【分野別】ICTの活用事例

ICTは様々な分野で活用されています。

この章では分野別にICTの活用事例をご紹介します。

2-1 企業

企業で取り入れられているICTの活用事例は以下の通りです。

  • テレワーク
  • オンライン会議

コロナ禍に多くの企業が導入したテレワークやオンライン会議等は、ICT活用の一つです。企業が持つデータをオンプレミスサーバやクラウドに保存し、必要な部署ごとに管理・共有することで自宅からでもオンラインで業務を行うことができます。働き方改革の一つとして、従業員の働きやすさにもつながっています。

ほかにも、業種によって様々なICT活用事例があります。

運輸業

  • 運行管理システムの導入...車両の稼働実績・走行距離・燃料使用量等を管理できる。
  • 運送車両の位置情報管理システムの導入...空き車両の位置を把握し、無駄な空車走行を削減、効率的な配車ができる。

インフラ業

  • 図面管理・情報共有システムの導入...大量の図面をタブレットで管理。現場巡視時に撮影した写真も保存でき、作成された資料も素早く共有できる。
  • ガス検知器の遠隔監視システム...作業現場においてガス中毒や酸欠の危険性が高まった際に、作業者や監督者にアラート通知がいき、作業者の安全を守ることができる。

製造業

  • センサー付きのマシンを導入...少人数、無人での管理を実現。センサーによって故障や不具合が分かる仕組み。
  • 図面比較ソフトを導入...部分的に変更があった図面をもとの図面と比較する作業がシステム導入により効率化。

農業・漁業

  • 自動収穫ロボット、箱詰めロボット、運搬ロボット等
  • ドローン活用...農業においては重労働である農薬散布を自動飛行ドローンで実施。漁業では水質管理(赤潮の発見など)に活用される。
  • AI活用...プロの知見をAIに学習させ、初心者でも効率的に農業・漁業ができるような取り組み

2-2 教育

教育分野の活用事例としては、PC・タブレットを活用した授業などが挙げられます。教育におけるICT化はコロナ禍で急速に普及しました。

メリットとしては、ノートに書き写す時間を短縮できる、生徒全員の意見を端末にまとめられる、印刷・配布業務削減による教員の負担軽減などがあります。

また、今後社会全体としてICT化が進む中で、早いうちからICTを取り入れた環境に身を置くことで、有益な情報を取捨選択する能力や、ICT機器を扱う能力が育つことも良い効果として考えられるでしょう。

文部科学省でも教育のICT化を推進しているため、今後教育分野でのICT化はますます加速していくことが予想されています。

2-3 医療・介護

医療分野の活用事例では、オンライン診断や電子カルテなどが挙げられます。

オンライン診断により、待合室で待機する時間が短縮できます。また、電子カルテの普及により、書き間違い・読み間違いが防げることや、カルテ入力などの手間が省略できるなどのメリットがあります。

高齢化が進み、医療従事者が減少している中、医療分野でのICT化は重要性が高まっていくでしょう。

介護分野では、見守りシステムや家族と面会ができるコミュニケーションツールなどがあります。

また特別養護老人ホームでは、利用者の情報やケアの記録などが管理できるシステムが導入されており、勤務者の業務効率化に繋がっているようです。

2-4 防災

防災の分野では、緊急速報や安否確認などのシステムが活用されています。これにより素早く非難することができ、親族間で安否確認をすることができます。

安否システムに関しては、企業での導入も進んでいるようです。

また、地域ごとに災害についての情報を発信するシステムや、津波等の被害を予測するシステム、災害時に利用できるWi-Fi等もあります。

3.企業おけるICT導入のメリット

ICTの概要や実際の活用例を見て、ICTの重要性がご理解いただけたかと思います。この章では企業においてICT導入を行うメリットをご紹介します。

3-1 業務効率化・生産性向上につながる

ICTを導入することで業務効率化・生産性向上につなげることができます。

人手不足が深刻化する昨今、一人ひとりのリソースがより貴重なものになっています。

そこでICTをうまく活用することで、不要な作業を削減でき、機器に任せられるところは任せ、必要なところに人員を割けるようになるでしょう。

3-2 サービス品質・顧客満足度があがる

ICTの活用により、サービス品質・顧客満足度向上にもつながります。

例えば、ICTによって自動化できる業務を増やすことでヒューマンエラーを防げるようになったり、24時間対応できるチャットボットを設置することでユーザーからの質問にいつでも回答できるようになったりなど、サービス自体の印象・評価を上げることが可能です。

3-3 働き方・環境の改善につながる

ICTは、企業で働く人にとっても良い効果を生みます。

例えばテレワーク環境を整えることで、インターネットがつながる場所であればどこからでも働くことができるようになります。家庭の事情等で遠方に引っ越しが必要になった場合でも、仕事を続けることができるため、離職・退職を防ぐことにもつながるでしょう。

また、オンライン会議やグループチャットを活用することで情報共有も容易になり、円滑に仕事を進められるようになります。

4.ICT導入の際に注意すべき3つのポイント

企業においてICTをうまく活用することはメリットが多いですが、導入する際には気を付けておきたい点もあります。

この章では導入の際の注意点を3つ解説します。

4-1 情報セキュリティを強化させる

ICT化を促進すると同時に情報セキュリティの強化が必要になります。

なぜなら、企業で扱う情報が増加することで、データ破損・情報漏洩による被害リスクが高まるからです。

例えば、システムのデータ破損や不具合が起きればサービスとしての品質が疑われてしまいますし、顧客データの流出などが発生すれば、企業存続に悪影響を及ぼす事態にもなりかねません。

ICT普及によって扱う情報が増えるため、情報セキュリティ強化が重要になるのです。

4-2 社員のICTリテラシー向上させる

社員のICTリテラシーを向上させることも重要です。

なぜならICT導入を進めたとしても、実際に働く社員がうまく使用できなければICTによる効果を発揮できないからです。

ICTリテラシーは、主にICT機器を利用して情報処理・コミュニケーションをする能力もありますが、セキュリティ事故を防ぐために正しく情報を扱う能力なども含まれます。

社員のICTリテラシーを高めるためには、経営層がまずICTリテラシーについて学んだり、社員向けの勉強会を行ったりすることが大切です。

▼インターネットリテラシーについては以下の記事をご覧ください。

4-3 効果測定・改善を継続して行う

ICT導入後は継続的な効果測定を行いましょう。

効果測定や改善を行わないまま、ただ運用を続けてしまうと、費用対効果が悪くなっている場合、気づくことができません。

効果測定の結果を定期的に確認し、運用の改善やツールの見直しをすることで、より生産性・業務効率化を高められるでしょう。

まとめ

ICTとは、「インターネットなどの通信技術(IT)を用いてコミュニケーション、情報共有を実現する産業やサービス全般」のことを指します。

関連する用語には、ITやIoTなどがあり、それぞれの違いについては以下の通りです。

用語 意味
ICT(情報通信技術) 通信技術を使ってデジタル化された情報をやり取りする技術・方法
IT(情報技術) ハードウェアやソフトウェア、インフラなどコンピュータ関連の技術そのもの
IoT(モノのインターネット) モノとインターネットがつながる技術・仕組み

様々な分野でICTが活用されており、企業においてもICT導入が進んでいくと考えられます。

企業におけるICT導入のメリットは以下の通りです。

  • 業務効率化・生産性向上につながる
  • サービス品質・顧客満足度があがる
  • 働き方・環境の改善につながる

ただし、導入にあたってはセキュリティ対策やICTリテラシー教育なども必要になっていくので、導入するだけで終わらないよう注意することが大切です。

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執筆: Qbook編集部

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バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。