従来の手動テストに比べて大幅な工数削減が期待でき、システム移行プロジェクトなどで注目されている現新比較自動検証ツール「PerfecTwin(パーフェクツイン)」。
現行システムで業務中に発生したトランザクションをキャプチャし新システムに再現することで、新システム稼働前に本番同様の処理を行わせて機能完成度と性能品質を自動検証することが可能です。
日本を含め、世界6か国の特許出願が完了している唯一のツールであり、バルテス株式会社はPerfecTwinの正式代理店です。
本記事では、株式会社LG CNSジャパンの洪 錫杓 氏へのインタビューを通じて、PerfecTwinの特徴や導入のメリット、さらに同社がバルテスとパートナーシップを結んだ経緯について詳しくご紹介します。
今回インタビューを受けてくださった方

- 洪 錫杓(ホン ソクピョ) 氏
株式会社LG CNS ジャパン 部長
1997年1月にLGに入社。SEとして多数の日本の大手IT企業の大型プロジェクトに参加し、システム開発からフロントSE、PMなどを経験(業種は金融、電力、通信)。現在は日本の銀行向けのシステム(チャネル系、勘定系、情報系)の企画員として活動および金融ITコンサルタントとして活動。韓国と日本間のDXソリューション展開など、IT関連交流を推進している。
- もくじ
1.現新比較自動検証ツール「PerfecTwin」とは
──御社の事業・サービスについて教えてください。
LGグループは様々な系列会社があり、その中にはLGエレクトロニクスやLGエネルギーソリューション、LG生活健康など、日本でビジネスを展開している会社も少なくありません。
LG CNSはこのグループ会社のITシステムを開発・運営する、いわゆるLGのSI担当会社という位置付けでグループ内部のシステムを開発・運営しています。クラウド、生成AI、ビッグデータ、スマートファクトリー、スマートシティ、スマート物流、デジタルマーケティングなど、さまざまな新技術を開拓し続けてきました。
また、金融、製造、公共部門、その他のさまざまな産業で革新的なシステム統合(SI)およびシステム管理(SM)のプロジェクトを通じて市場をリードしています。
──御社が開発・運営する現新比較自動検証ツール「PerfecTwin」とは、どのような製品なのでしょうか?
PerfecTwinはLG CNSが開発した現新比較テスト自動化ソリューションです。
現新比較テスト自動化ツールとは、システムを改修する前に、現行のシステムと新システムの動作やデータを比較し、変更や不具合を検証するためのツールです。PerfecTwinは、世界唯一の本番トランザクションによる現新比較テスト自動化ソリューションであり、プランとしては、Standard EdtionとERP Editionの2つがあります。
PerfecTwin Standard Edtionは適用可能な業種の制限がなく、現行システムと新規システムが存在すれば、適用可能な現新比較テスト自動化できるのが特徴です。導入いただくことでクラウド移行やインフラ更改のほか、SI、運営・保守などのITプロジェクトのテストを効率化し、品質向上およびコスト削減を実現します。
次に、ERP Editionですが、これはSAP ECCからSAP S/4 HANAへの移行に特化したバージョンです。ERP Editionでは、SAPの標準モジュール間の連携やデータの一貫性チェック、運用環境を再現した高負荷テストを実施できます。移行プロセスにおいて、システム間で異なるデータ構造をマッピングする機能を備えているため、特に大規模なERP移行プロジェクトで強力なサポートを提供します。
どちらのエディションにも共通する利点として、ヒューマンエラーを防ぎつつ、リアルタイムでテスト結果を解析して問題箇所を迅速に特定できることが挙げられます。また、一度取得したトランザクションを再利用することで、再テストの効率も大幅に向上します。
▼PerfecTwin概要(日本語字幕あり)
2.導入実績は世界100社以上、本番稼働後の障害発生率ゼロとなった成功事例も
──PerfecTwinを導入することで、具体的にどのような課題を解決できるのでしょうか?
PerfecTwinを使用してテストをすることで、主にテストコスト節減・品質向上・問題の早期発見のような課題解決の効果が期待できます。
まず、テストコスト節減については手作業による繰り返しテスト(リグレッションテスト)作業を自動化することで、テスト時間を大幅に短縮できます。
例えば、現行システムでのエンドユーザが多様なパターンの実務をしながら発生させた実トランザクションを利用するので、この実トランザクションがテストシナリオとテストデータになり、テストシナリオ作成とテストデータを作成する必要がなく、シナリオ作成とテストデータ作成の工数が節減できるのです。
また、検知した障害を修正後に再テストの際に、取得したトランザクションを再利用して自動テストするので、手作業のテストの場合に必要な追加のテスト工数を減らすことが可能です。さらに、機能テストと同時に性能テストもするので、別途の性能テストのためのツール導入や作業費用も節減できます。
次に品質向上についてです。
PerfecTwinは自動化されたテストケースにより、ヒューマンエラーを防ぎ、より高い精度のテストを実現。実業務同様の大量の実トランザクションを利用してテストするので、手作業でテストできない多様なパターンのテストが可能です。
そのため、手作業や既存のテスト自動化ソリューションでは提供できない高品質のテストで、これまで検知できなかった潜在障害の発見ができるなど、品質向上が期待できます。また、リアルタイムのシミュレーションとテスト結果データの分析を通じて、問題を早期に検出することも可能になっています。
──導入したお客様からはどのような評価を受けているのでしょうか?
PerfecTwinは、日本、アメリカなどのIT先進国へも進出しており、多様な業種の企業さまに導入いただいています。なかでもStandard Edtionを導入した企業様は100社以上あり、主に金融業、製造業、公共期間、IT企業などの幅広い業種で導入が進んでいます。
特に大規模システムのテスト自動化が必要な企業様の満足度が高く、「テスト効率が大幅に向上した」「ヒューマンエラーが減少した」「コストを65%も削減できた」などの業務効率化とコスト削減の評価を受けてきました。
また、「既存のテストは限界があり、テストが不足と思われる不安を払拭できた」「本番稼働後の状況が事前に分かったことで、安心して本番稼働を迎えた」のほか、クラウド移行したお客様からは「本番稼働前に実トランザクションによるテストでシステムを安定化したので、本番稼働後に障害0%で運営している」などの高い評価をいただいております。
特に、ERPや業務アプリケーションのテスト自動化においては、短期間での効果が実感できたとの声を多くいただいております。
▼PerfecTwin 導入顧客の声
3.バルテスとの協業で細かなニーズにも応えられる
──2024年10月に、バルテスとのパートナーシップ契約を締結されましたが、バルテスとパートナーシップ契約を結んだことで期待している効果はありますか?
日本市場への進出するにあたって、テスト自動化に対する需要の拡大と日本企業が抱える品質保証の課題を解決するためのパートナーシップを構築したいと考えていました。
日本企業の慎重な意思決定プロセスに対応するため、信頼できる会社を探していたときに出会ったのがバルテスです。
バルテスはソフトウェアテストおよび品質保証の分野で長年の実績を持つリーディングカンパニーです。その高い専門性と豊富な経験により、ユーザーに対してPerfecTwinの導入の質の高いサポートが提供できると期待し、パートナーシップを締結しました。
バルテスがPerfecTwinのパートナーシップに参加したことは、ユーザーにとって大きなメリットがあると確信しています。
──ありがとうございます。バルテスを介してPerfecTwinを導入する場合のユーザー側のメリットを具体的に教えてください。
具体的なメリットとして、大きく3つのポイントを期待しております。
まず1つ目は、専門的なコンサルティングです。ユーザーの業務環境やニーズに応じた最適なテストプロセスを設計できるのはもちろん、テストの自動化作業の効率化を支援しています。
続いて、信頼性の高いサポート体制です。バルテスは日本国内での幅広いネットワークを活用し、迅速かつ丁寧な対応が可能。トラブルシューティングやアフターサポートにも強みを持つのも大きなポイントです。
最後に、業界トップクラスの品質基準が挙げられます。
バルテスはISOやISTQB認証を保有しており、国際的な品質基準に基づいたサービスを提供していますよね。PerfecTwinの導入プロジェクトにおいても、高い品質基準を維持できるメリットがあります。
LG CNSとしては、バルテスとの連携を通じて、PerfecTwinの導入を加速させるとともに、ユーザーに対してより高品質なテストソリューションを提供していきたいと考えています。
4.グローバル市場でテスト自動化の新しい基準を目指す
──今後、PerfecTwinを通じて取り組んでいきたいことや目標をお聞かせください。
まず大きな目標は、日本市場におけるテスト自動化のリーダーとなることです。PerfecTwinを日本市場における標準的なテストツールとし、特にERPや業務アプリケーション分野での採用を拡大したいと考えています。
また、高品質で信頼性のあるテストを提供し、ユーザーの信頼を獲得することを目指していきます。さらに、IoTやスマートシティ関連のテスト分野にも展開し、さらなる市場拡大にも取り組んでいきたいと考えています。
今後、私たちはPerfecTwinが日本市場だけでなくグローバルにおいてもテスト自動化の新しい基準となるよう尽力していきます。これらの目標を通じてより多くの世界のお客様と共に成長していけることを楽しみにしています。

現新比較サービスPerfecTwin導入ガイド
PerfecTwinは現行システムで業務中に発生したトランザクションをキャプチャし新システムに再現することで、新システム稼働前に本番同様の処理を行わせて機能完成度と性能品質を自動検証することが可能です。日本を含め、世界6か国の特許出願が完了している、唯一のツールです。
──本日は、ありがとうございました。