Facebook x

ジャンル

Power Automateで業務革命!? 初心者から始められる業務効率化自動化ツールの魅力をご紹介
ツール・機能・アプリ 2024.12.20
x hatenabookmark
0

Power Automateで業務革命!? 初心者から始められる業務効率化自動化ツールの魅力をご紹介

執筆: 大木 晴一郎

ライター

デジタル化が進む現代のビジネスの現場で、業務効率化は避けて通れない課題です。

そんな中で注目を集めているのが、Microsoftが提供する業務自動化ツール「Power Automate(パワーオートメイト)」です。プログラミングの知識がなくても使えるローコードツールで、直感的な操作性が魅力となっています。

本記事では、Power Automateの基本から将来の可能性までをまとめてみました。

もくじ
  1. Power Automateとは?
    1. Microsoftが提供する自動化プラットフォーム
    2. 無料版と有料版の違い
    3. Power Automateを使うメリットとデメリット
    4. Power Automateのはじめ方
  2. Power Automateの活用方法
    1. メールやファイル管理など日常業務を自動化
    2. データ集計やレポート作成業務の効率化
    3. 他業務を自動化
  3. Power Automateをはじめとする業務自動化技術の今後の可能性
    1. AIとの連携は期待大
    2. 今後のPower Automateの進化は?
    3. Power Automate活用例
  4. まとめ

1. Power Automateとは?

1-1 Microsoftが提供する自動化プラットフォーム

毎日の業務の中で、「同じような作業の繰り返しで、本来やるべき仕事に時間が取れない」という悩みを抱えている人や組織は多いと思います。
「Power Automate」は、そんな悩みを解決するためにMicrosoftが開発した業務自動化プラットフォームです。Windows10、Windows11環境で利用できます。

スクリーンショット 2024-12-12 105532.png

出典:Power Automate

最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても使えるローコードツールであることです。画面上で必要な機能をドラッグ&ドロップするだけで、複雑な業務プロセスを自動化できるのが特徴です。

Power Automateには大きく2つの面があります。

1つが「クラウドフロー」です。

これは、オンラインサービスやアプリケーション間でのデータのやり取りを自動化する機能です。
例えば、受信したメールの内容を自動的にデータベースに登録したり、特定の条件でSNSに投稿したりすることができます(後述しますが、有料版の機能です)。

もう1つが「デスクトップフロー」です。

PCのデスクトップ上で動作するアプリケーションを自動操作する機能で、毎日決まった時間にExcelファイルを開いてデータを更新し、保存するといった定型作業を自動化することができます。

一般的に最近、話題となっているのは前者の「クラウドフロー」のことで、これがPower Automateと呼ばれていることがありますので注意してください。

また、最近では、「AI Builder」が登場して、AI(人工知能)を活用した高度な処理を自動化に組み込める機能も話題になりました。画像認識やテキスト分析など、AIを業務に活用できます。

これらの機能を使うことで、全てではありませんが、日常的な業務を自動化できるようになります。例えば、メールの自動振り分けや返信、ファイルの自動バックアップ、SNSへの定期的な投稿、データの収集と分析レポートの自動生成、承認プロセスの自動化、請求書や見積書の自動作成などが自動化できるでしょう。

Microsoft製品なので、Microsoft 365など、Microsoftの他のサービスとシームレスに連携できることも特徴です。さらに数百以上友いわれるサードパーティアプリケーションと連携できるのも強みといってよいでしょう。

1-2 無料版と有料版の違い

上で少し触れましたが、Power Automateには無料版と有料版があり、用途に応じて選択できます。

用途
無料版

個人ユーザー・小規模チームにおすすめ。基本的な自動化フローの作成と実行ができるが、アクションや実行数に制限がある。

有料版 本格的な業務や大規模チームにおすすめ。すべての機能が利用可能で実行回数も無制限。

無料版は、個人ユーザーや小規模なチーム、あるいは試用としての利用に向いているとされています。Microsoft アカウントさえあれば誰でも利用できます。基本的な自動化フローの作成と実行ができますが、アクションや実行数に制限があり、さらに高度な機能が利用できなくなっています。クラウド版はお試し試用制になっています。

有料版は本格的な業務での活用や、大規模な組織での利用を想定しています。すべての機能が利用可能で、フロー実行回数も事実上無制限です。高度なセキュリティ機能とガバナンス機能も備えているため、企業で利用するならこちらかもしれません。有料版には1ユーザーあたりの「Per User Plan」と、フローごとの「Per Flow Plan」の2つのプランがあります。

個人的な用途や小規模なプロジェクトの場合は、無料版でも十分使えるでしょう。
ただし、使いたい機能が有料版にしかない場合や、ビジネスで使ったり、高度なセキュリティが必要になったりする場合は有料版を選択することをおすすめします。いずれにせよ、まず、無料版からはじめてみるとよいかもしれません。

1-3 Power Automateを使うメリットとデメリット

Power Automateの導入を検討する際は、そのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

メリット

■業務効率の向上

大きなメリットは業務効率の向上です。反復する作業を自動化することで、作業や業務にかかる時間が短縮できますし、組織としても人的リソース節約できます。その時間をより創造的な業務に振り向けることができるのはメリットといえます。
また、準備さえ整えれば、24時間365日稼働することもできる鉄人ぶりも魅力です。

■ヒューマンエラーの抑制

ヒューマンエラーが減ることも期待できます。自動化することで人為的なミスを減少させることができます。特にデータ入力や転記、コピー&ペーストといった単純作業などでの範囲指定ミスなどの誤りを防ぐ効果が高いとされます。業務品質の向上にも貢献します。

■プログラミング知識がなくても使える

ローコード開発のため、使いやすいのもメリットといえます。プログラミング知識がなくても、自動化に取り組めます。業務フローを知っている現場のユーザーが直接自動化にあたるので、より柔軟な業務改善が可能になる可能性が高まります。

■人件費や開発費の削減

コスト面で見ても、人件費の削減やシステム開発にかかる時間とコストの削減が期待できます。セキュリティ面では、Microsoftの高度なセキュリティが備わっていて安心です。

デメリット

一方、Power Automateにはいくつかの課題もあるとされています。

■ある程度の技術的知識が必要な場合もある

ローコードとはいえ、効果のよい自動化フローを作成するそれなりの学習期間がやはり必要になることや、ある程度の技術的知識が必要なことがあげられます。

■ライセンス費用がかかる

組織全体での導入を考えたときはライセンス費用がそれなりにかかることも指摘されています。

■適用できる範囲が限られている

適用できる範囲には限界があることも知っておくべきでしょう。非常に複雑や特殊な自動化には不向きなケースがあるので、事前の確認、調査は欠かせません。つまり、完全なカスタマイズが必要なケースでは、従来のプログラミング手法が適しているということです。

1-4 Power Automateのはじめ方

Power Automateのはじめ方はシンプルです。

第一歩はMicrosoft アカウントを作成することで、すでにMicrosoft365などMicrosoftアカウントを使っていた人は、そのまま利用できます。

アカウントを用意したら、WEBブラウザで公式サイトにアクセスし、ログインします。

ログイン後は、Power Automateのダッシュボードが表示され、ここから新しいフローの作成や既存のフローの管理ができます。

初めて使うときは、まず、既存のテンプレートを探索することをお勧めします。多くの一般的な自動化タスクには、すでにテンプレートが用意されているため、流用可能なものが見つかるかもしれません。

2.Power Automateの活用方法

2-1 メールやファイル管理など日常業務を自動化

日常業務の自動化は、Power Automateの最も一般的な活用方法といます。ライセンスによってできることが異なるので、はじめに自分のライセンスでできるかどうかを確認してから利用を考えるとよいでしょう。

Power Automateでできる業務は多岐にわたります。例えば、メールの自動振り分けと通知の機能を使えば、特定の取引先からのメールを自動的に指定のフォルダに振り分け、さらにチームのSlackチャンネルに通知を送ることができます。

定期的なファイルバックアップも自動化できます。毎日指定時刻に、重要なフォルダ内の全ファイルをクラウドストレージにコピーし、バックアップ完了をメールで通知するといった設定が可能です。特に重要な業務データを扱う部署では、このような自動バックアップの仕組みが、データ損失のリスクを大きく減らすことができます。

2-2 データ集計やレポート作成業務の効率化

データ集計やレポート作成の自動化に、Power Automateを活用する人も多いようです。
複数のシステムからのデータ収集を自動化することができます。
毎週月曜日の朝9時に、CRMシステムから顧客データ、会計システムから売上データ、マーケティングツールからキャンペーンデータを自動的に抽出し、それらをExcelファイルに統合するような作業が可能になります。

2-3 他業務を自動化

分野別で見ても、Power Automateは、人事、カスタマーサポート、マーケティングなど、さまざまな業務分野で活用できます。

人事部門では、新入社員のオンボーディングプロセスを効率化できます。
例えば、新入社員の情報がHRシステムに登録されたら、自動的にアカウントの作成依頼が行われ、必要な研修資料へのアクセス権が付与され、さらにオリエンテーションのスケジュールが生成される......といった具合です。これにより、人事担当者の負担を軽減できます。

カスタマーサポート部門では、サポートチケットの処理を自動化することが考えられます。
新規のサポートチケットが作成されると、適切な担当部署に振り分けることができます。これにより、対応時間の短縮と顧客満足度の向上が期待できると思います。

マーケティング部門では、上で述べたように、データ集計を自動化し、さらにキャンペーンの実行と効果測定を自動化することが期待されます。

3.Power Automateをはじめとする業務自動化技術の今後の可能性

3-1 AIとの連携は期待大

Power AutomateとAIの連携は、業務自動化の新たな可能性を開きつつあります。

AI Builder機能を活用することで、画像認識やテキスト分析、予測モデルなど、高度なAI機能を業務フローに組み込むことができます。

例えば、請求書の画像から必要な情報を自動的に抽出したり、カスタマーサポートへの問い合わせ内容を自動的に分析して適切な部署に振り分けたりすることができるようになるでしょう。

機械学習モデルとの統合も進んでいます。過去の販売データを分析して将来の需要を予測したり、センサーデータから異常を自動検出したり、顧客の行動データを分析して個別化されたマーケティングを展開したりすることができます。これらのAI機能により、より高度で知的な業務自動化が実現可能となっています。

3-2 今後のPower Automateの進化は?

Power Automateは、より使いやすく、より強力なツールへと進化するでしょう。すでにMicrosoftは、Microsoft365で、ビジネスに不可欠ともいるWord、Excelなどさまざまなツールで「天下を取っている」状況です。

その中にあって、Power Automateがより使いやすくなり、AIによるフロー作成支援などが強化されることで、業務の自動化は一気に進みそうな気がします。

3-3 Power Automate活用例

各業界でPower Automateの活用が広がっています。ここでは自動化に焦点を広げて見ていきたいと思います。

製造業では、IoTセンサーからのデータをリアルタイムで収集して生産ラインを監視し、異常を検知したら即座に担当者に通知するシステムを構築しています。

小売業では、販売データとAI予測を組み合わせて最適な在庫レベルを維持する自動発注システムの構築や、顧客の購買履歴を分析して個別化されたレコメンデーションを提供するなど、データを起点とした自動化が進んでいるようです。

金融サービス業では、顧客データと外部データを組み合わせて自動的にリスクスコアを算出し、融資判断を支援するシステムの構築や、取引データをリアルタイムで分析して不正を検知するなど、高度な自動化が実現されています。

このように、Power Automateは、業務効率の向上と競争力強化のための強力なツールとして、今後さらなる進化と普及が期待されています。

まとめ

Power Automateは、ローコード技術を活用した包括的な自動化プラットフォームです。

メール管理からデータ分析まで、幅広い業務を効率化できる強力なツールとして、今後さらなる進化が期待されます。

業務効率の向上と競争力強化のために、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。

ツール・機能・アプリ
x hatenabookmark
0

執筆: 大木 晴一郎

ライター

IT系出版社等で書籍・ムック・雑誌の企画・編集を経験。その後、企業公式サイト運営やWEBコンテンツ制作に10年ほど関わる。現在はライター、企画編集者として記事の企画・編集・執筆に取り組んでいる。