昨今、スマホなどのモバイル端末は私たちの生活に欠かせない存在です。
現在、数多くのモバイルアプリがリリースされていますが、長く使い続けてもらえるアプリを作るためには、テストによる品質改善が重要です。
そこで今回は、モバイルアプリテストの概要や項目と、モバイルアプリテストの課題を解消する「テスト自動化」についてご紹介します。
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1.モバイルアプリテストとは?
モバイルアプリテストとは、モバイルアプリケーションが期待通りに動作し、ユーザーが快適に利用できるかを検証するプロセスです。
実際にスマートフォンやタブレットを使って動作を確認します。
モバイルアプリテストでは、単に画面や動作を確認するだけでなく、AndroidやiOSなどの多様なOSやバージョンに対応できているか、セキュリティ対策がされているかなども重要な観点になります。
モバイルアプリテストを行うことで、バグ・不具合を発見・修正し、品質を向上させることができます。
2.モバイルアプリテストの主な観点
モバイルアプリテストで実施する主なテストについてご紹介します。
どういった観点でのテストが必要になるのか見ていきましょう。
2-1 機能テスト
機能テストでは、アプリが期待通りの動作をするかを確認します。
例としては以下の通りです。
- 画面のボタンやリンクが正しく動作するか
- 入力フォームが正しく機能するか
- ユーザーの操作に対して期待通りの応答があるか
機能テストを通して、不具合やバグがないかを確認し、ユーザーが当たり前にあると期待する機能が問題なく使えるかを検証します。
2-2 UI/UXテスト
UI/UXテストでは、ユーザーの使いやすさを検証します。
例としては以下の通りです。
- 画面のレイアウトやデザインが適切か
- 画面サイズ(デバイスの解像度)に応じて適切に表示されるか
- ナビゲーションやボタンの配置が直感的か
UI/UXを改善することで、ユーザーの満足度や他社との差別化に繋がります。そのため、モバイルアプリにおいても重要な観点です。
UI/UXについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2-3 パフォーマンステスト
パフォーマンステストでは、アプリの速度や安定性を検証します。
具体的には以下の通りです。
- アプリの起動時間や動作速度
- 負荷がかかったときの動作(大量のデータ処理時など)
- メモリ使用量やバッテリー消費
どんなに機能が充実してUI/UXが整っていても、アプリがすぐに落ちてしまったり、バッテリーの消耗が激しかったりすると、ユーザー満足度は下がるでしょう。
ユーザーに安定的に利用してもらうために、パフォーマンステストは重要です。
パフォーマンステストについて詳しくはこちらをご覧ください。
2-4 セキュリティテスト
セキュリティテストでは、アプリの安全性を検証します。
例としては以下の通りです。
- 個人情報や機密データが適切に保護されているか
- 不正アクセスやデータ漏洩のリスクがないか
適切なセキュリティ対策を行わないと、個人情報の漏えいや不正アクセスのリスクが高まり、企業の信用問題にもつながります。
利用するユーザーの個人情報・機密情報を守るために重要なテストです。
2-5 互換性テスト
互換性テストとは、異なるデバイスやOSバージョン、画面サイズ、ネットワークで正常に動作するかを確認するテストです。
具体的には以下の通りです。
- iPhone、iPad、Android端末の各種モデルで動作するか
- iOSやAndroidの異なるバージョンで問題なく動作するか
- 画面サイズや解像度による表示の違いがないか
- Wi-Fi、4G、5Gなど異なる通信環境で動作するか
モバイル環境は、非常に多様です。そのため、あらゆる環境に対応するかを検証する必要があります。
2-6 ローカライゼーションテスト
ローカライゼーションテストとは、アプリが特定の地域や言語に適応して、適切に動作するかを確認するテストです。
具体的には以下の通りです。
- アプリが指定された言語で正しく翻訳されているか
- 文字化けやフォントの崩れがないか
- 地域ごとのフォーマット(通貨、日付、時間)が適切か
- 文化的な違いに配慮した表現やデザインになっているか
翻訳が誤っていたり、文字化け等で使いづらかったりするとユーザーの離脱に繋がります。
また、日付や価格表記も誤りがあると混乱を招いてしまうため、ローカライゼーションテストも重要になります。
3.モバイルアプリ開発における「テスト自動化」とは?
モバイルアプリは、多様なデバイス・OS・サービスへの対応やモバイルの特性を生かした開発・テストが求められること、加えてOSアップデートの間隔も短いことから、開発工数とコストの増加が大きな課題となっています。
そのため、テスト自動化を導入し、テストの効率化を図ることが課題解決の糸口となります。
具体的には、回帰テスト(リグレッションテスト)やパフォーマンステスト、互換性テストなどを自動化することで、工数の削減や人的ミス削減による品質向上につなげることができるでしょう。
ただし、モバイルアプリは多様な環境に対応したテストが必要になるため、テストケースが複雑になりやすく、テスト自動化の難易度も高くなります。
また、モバイルアプリに対応したテスト自動化ツールの選定にも注意が必要です。
モバイルテストの自動化について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
まとめ
モバイルアプリテストとは、モバイルアプリケーションが期待通りに動作し、ユーザーが快適に利用できるかを検証するプロセスです。
モバイルアプリテストの主な観点・項目には以下のようなテストがあります。
- 機能テスト
- UI/UXテスト
- パフォーマンステスト
- セキュリティテスト
- 互換性テスト
- ローカライゼーションテスト
モバイルアプリは、多様な環境に対応する必要があるため、開発・テストの工数増加が課題となります。
そのため、回帰テストやパフォーマンステストなど、テスト自動化を活用できるところは導入し、工数削減や品質向上につなげていきましょう。