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SNS 2024.02.08
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分散型SNSとは?X(旧Twitter)からの乗り換え候補になりうる今後注目のSNSを5つご紹介

執筆: Qbook編集部

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分散型SNSとは?X(旧Twitter)からの乗り換え候補になりうる今後注目のSNSを5つご紹介

SNSは今や幅広い世代に普及していますが、そのトレンドは日々移り変わっています。X(旧Twitter)やFacebookといった従来型のSNSから徐々に発展しており、昨今 では「分散型SNS」と呼ばれるSNSが注目されているのをご存知でしょうか。

本記事では分散型SNSとは何か、従来型SNSとの違いも交えてわかりやすく解説します。また、相次いで仕様変更がされているX(旧Twitter)に代わる候補となりうる分散型SNSを5つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。

もくじ
  1. 分散型SNSとは?従来型SNSとの違い
  2. 今後注目したい分散型SNS 5選
    1. Mastodon(マストドン)
    2. Bluesky(ブルースカイ)
    3. Misskey(ミスキー)
    4. Nostr(ノストラ)
    5. Damus(ダムス)
  3. 分散型SNSのメリット・デメリット
  4. 分散型SNSは今後どうなるのか
    1. 従来型SNSを凌駕するのは簡単ではない
    2. 徐々に分散型SNSへと移行する可能性はある
  5. まとめ

1.分散型SNSとは?従来型SNSとの違い

分散型SNSとは、サービスを複数の箇所に分散させて運用する、新しいSNSの形態です。

一般的に、SNSのようなWebサービスのデータは、「サーバー」と呼ばれるコンピューターで管理します。「Facebook」や「X(旧Twitter)」のような従来型SNSでは、1箇所のサーバーで全てを管理する「中央集権型」が当たり前でした。ユーザーが中央集権型のSNSを利用する際には、基本的に同じサーバーへアクセスします。FacebookであればMeta社など、Webサービスの管理権限も1つの企業に集約されます。

一方で分散型SNSは、複数のサーバーが存在し、それぞれが独立的に稼働するのが特徴です。データ共有といったサーバー間の連携は可能ですが、サーバーごとに管理権限者は異なります。また、どのサーバーを使用するかをユーザーが選択できるため、必ずしも特定のサーバーへアクセスする必要はありません。

このように、従来は1箇所に集約されていたサーバー・管理権限を、複数のサーバーへ分散するのが分散型SNSです。なお、多くの分散型SNSでは、サーバーを「インスタンス」と呼んでいます。

2.今後注目したい分散型SNS 5選

分散型SNSにはさまざまなサービスが存在します。ビジネス・プライベートを問わず、どのサービスを選ぶかは重要です。ここでは、分散型SNSのおすすめサービスを5つ紹介します。

  • Mastodon(マストドン)
  • Bluesky(ブルースカイ)
  • Misskey(ミスキー)
  • Nostr(ノストラ)
  • Damus(ダムス)

2-1 Mastodon(マストドン)

「Mastodon(マストドン)」は、ドイツ人のオイゲン・ロッコ氏が開発した分散型SNSです。

個人のユーザーでも自由にインスタンス(サーバー)を作成できる自由度の高さが特徴といえます。1人のユーザーが複数のアカウントを作成することも可能です。また、「ActivityPub」と呼ばれる仕組みを採用し、インスタンス間のスムーズな連携を可能にしています。

2-2 Bluesky(ブルースカイ)

「Bluesky(ブルースカイ)」は、X(旧Twitter)の元CEOであるジャック・ドーシー氏が生み出した分散型SNSです。画面仕様はX(旧Twitter)に似ていますが、タイムライン(時系列での投稿表示機能)の表示対象とするサーバーを自由に決められるのがBlueskyならではの特徴といえます。また、Blueskyではログインしていなくても閲覧が可能です。

なお、Blueskyは以前は招待制だったため、招待コードを受け取らないと登録することができませんでした。しかし、2024年2月6日に招待制が廃止され、誰でも招待なしで登録できるようになりました。今後より注目が集まり、利用者が増えることが期待されます。

2-3 Misskey(ミスキー)

「Misskey(ミスキー)」は、日本人のsyuilo(しゅいろ)氏が生み出した分散型SNSです。絵文字やカスタムスタンプが充実しており、視覚的に楽しめるのが特徴といえます。また、独自のマークアップ言語「MFM」を投稿に用いることで、文字の色やフォントを変えることも可能です。Misskeyは、投稿の見た目にこだわりたい人に向いているでしょう。

2-4 Nostr(ノストラ)

「Nostr(ノストラ)」は、分散型SNSのネットワークを構築する際の土台となるプロトコル(仕組み)です。

ユーザーは「クライアント」というアプリを通じて利用でき、「リレー」というサーバーでほかのユーザーとつながれます。Nostrは、旧Twitterの前CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏がが多額の投資を行ったことでも注目されています。

2-5 Damus(ダムス)

「Damus(ダムス)」は、2023年2月1日にリリースされた分散型SNSです。こちらも旧Twitterの前CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が支援しています。

ユーザー同士でビットコインのやり取りができる機能「zaps」が導入されているなど、他のSNSとは別の特徴があります。

Damusは前述の「Nostr」上に構築されたSNSプラットフォームで、NostrとDamusは別物です。2つの名称を合わせると、預言者として有名な「Nostradamus(ノストラダムス)」になります。

3.分散型SNSのメリット・デメリット

分散型SNSには、メリットだけでなくデメリットも存在します。主な特徴を下表にまとめました。

メリット デメリット

・セキュリティリスクを分散できる
・自由な言論・表現が行いやすい
・特定のターゲット層にアプローチできる

・サーバーによっては閉鎖のリスクがある
・アカウントの管理が煩雑になりやすい

各特徴について、簡単に説明します。

メリット① セキュリティリスクを分散できる

従来型SNSの場合、1つのサーバーで情報漏えいが発生すれば、全ユーザーが不安にさらされるでしょう。その点、分散型SNSではサーバーが分散しているため、セキュリティリスクも分散されます。仮に1つのサーバーで情報漏えいが発生しても、自らが選択したサーバーでない限りはほとんどダメージを受けません。

メリット② 自由な言論・表現が行いやすい

従来型SNSの場合、サービスの管理が1社に統括される分、恣意的な運用が行われる懸念があります。一方で分散型SNSでは、サーバーごとで管理権限者が異なり、それぞれで独自のコミュニティが形成されます。自分の意思でサーバーを選び、合わなければ変更も可能です。そのため、自分に合ったサーバーで自由な言論・表現がしやすいでしょう。

メリット③ 特定のターゲット層にアプローチできる

分散型SNSでは、趣味や指向が似ているユーザーが同じサーバーに集まります。ビジネス利用の場合、自社のターゲット層が集まるサーバーを選択すれば、ピンポイントなアプローチが可能です。自社への潜在的なニーズを抱えているユーザーが多い分、投稿に関心を持ってもらえる可能性は高いでしょう。

デメリット① サーバーによっては閉鎖のリスクがある

分散型SNSのサーバーは、少人数のチームや個人が運営しているケースも珍しくありません。分散型SNSはサーバーによって運営者が異なるため、Webサービスとしての信頼性は大きく変わってきます。運営体制がそれほど強固でないサーバーだと、突然閉鎖されることもあるでしょう。閉鎖されれば、自分のデータが全て失われるリスクもあります。

デメリット② アカウントの管理が煩雑になりやすい

複数のアカウントを使い分けられる分散型SNSもあります。ただし利用においては、アカウントの管理が煩雑になりやすいことに注意が必要です。アカウントごとにログイン情報を正しく管理しなければならないため、アカウント管理の負担は増加するでしょう。

4.分散型SNSは今後どうなるのか

新しいSNSの形態である分散型SNSは、今後どのように社会で評価されていくのでしょうか。ここでは、分散型SNSの将来についてお伝えします。

4-1 従来型SNSを凌駕するのは簡単ではない

分散型SNSの認知度は徐々に高まっているものの、従来型SNSの人気を凌駕することは簡単ではないでしょう。新しいSNSを始めることはハードルが高いためです。

新しいSNSを始める場合、利用中のSNSに使える時間は少なくなってしまいます。分散型SNSの比率が高くなれば、従来のSNSを切り捨てることにもなりかねません。しかし、これまでに築いてきたSNS上での人間関係をないがしろにはできないでしょう。

また、X(旧Twitter)やInstagramといった従来型SNSには根強い人気があります。その人気が即座に分散型SNSへと移ることは考えにくいでしょう。

4-2 徐々に分散型SNSへと移行する可能性はある

従来型SNSのシェアを徐々に分散型SNSが奪っていく可能性はあります。それは、SNSを乗り換えざるを得ない「きっかけ」が生じた場合です。

たとえば、人気の従来型SNSであるX(旧Twitter)は、2023年10月に有料プログラムの試験導入開始を発表しました。無料で使えることにメリットを感じていた既存SNSユーザーにとっては、有料化は望ましくありません。

このような変化が今後起きることで、従来型SNSからの乗り換えを検討するSNSユーザーが増え、移行先として分散型SNSを選ぶ可能性はあるでしょう。

まとめ

分散型SNSとは、サービスを複数のサーバーに分散させて運用する新しいSNSの形態です。セキュリティリスクを分散できる、自由な言論・表現が行いやすい、など分散型SNSには多くのメリットがあります。

また、いま注目の分散型SNSは以下の5つです。

  • Mastodon(マストドン)
  • Bluesky(ブルースカイ)
  • Misskey(ミスキー)
  • Nostr(ノストラ)
  • Damus(ダムス)

分散型SNSをビジネスに活用している企業はまだ多くないため、他社との差別化を図ることも可能です。本記事の内容を参考にして自社に合ったサービスを導入し、分散型SNSを有効活用してみてはいかがでしょうか。

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執筆: Qbook編集部

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バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。