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プロジェクトリーダー(PL)とは?主な4つの仕事内容や必要スキル・目指し方
マネジメント・働き方 更新日 2025.05.26
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プロジェクトリーダー(PL)とは?主な4つの仕事内容や必要スキル・目指し方

監修: 小島 友美

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 上席研究員

プロジェクトの成功には、チームを主導する「プロジェクトリーダー(PL)」の存在が欠かせません。しかし、プロジェクトリーダーの具体的な仕事内容や、プロジェクトマネージャ(PM)との違いがイメージできない方も少なくないのではないでしょうか。

本稿では、プロジェクトリーダーとは何か、基本をまとめてお伝えします。プロジェクトリーダーを目指す方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

もくじ
  1. プロジェクトリーダー(PL)とは
    1. プロジェクトリーダーの役割
    2. プロジェクトマネージャ(PM)との違い
  2. プロジェクトリーダーの主な仕事内容
    1. プロジェクト計画の立案支援
    2. プロジェクトメンバーの進捗管理・フォロー
    3. プロジェクトの問題対応
    4. 顧客や関係者との折衝・調整
  3. プロジェクトリーダーに求められる主なスキル
    1. IT業界を含めたドメイン知識
    2. リーダーシップとチームマネジメント
    3. マネジメントスキル
    4. コミュニケーションスキル
  4. プロジェクトリーダーを目指す方法
    1. 現場で実務経験を積む
    2. PLに関する資格を取得する
    3. 本やオンライン学習で知識を深める
  5. まとめ

1.プロジェクトリーダー(PL)とは

プロジェクトリーダー(PL)とは、プロジェクトの運営を現場で主導し、チームをまとめる責任者のことです。メンバーの進捗管理や関係者との調整などを行い、プロジェクトを円滑に進めるための中心的な役割を担います。

元々は、ソフトウェア開発プロジェクトのリーダーを指すことが多い言葉でした。しかし、昨今ではIT業界に限らず、プロジェクトの中心的な存在を指して使われています。

本稿では、IT業界のテストプロジェクトにおけるプロジェクトリーダーをモデルケースとして解説していきます。

1-1 プロジェクトリーダーの役割

プロジェクトリーダーの役割は、主に次の3つです。

  • プロジェクト活動に対する現場責任者
  • プロジェクトメンバーのまとめ役
  • 対外的な窓口

プロジェクトリーダーは現場のメンバーをまとめつつ、プロジェクト活動に責任を持ちます。さらに、外部のステークホルダーとのやり取りは、プロジェクトリーダーが窓口として主に行います。このように、プロジェクトリーダーは重要な責務を担う職種です。

1-2 プロジェクトマネージャ(PM)との違い

プロジェクトリーダーと混同されやすい「プロジェクトマネージャ(PM)」との違いを押さえておくと良いでしょう。PMはPLの上位職にあたり、プロジェクト全体を統括する責任者です。プロジェクトの計画立案から成果物のリリースにいたるまで、全体としての最終的な責任を持ちます。

一定の規模以上のプロジェクトでは、複数のチームに分かれることが多いでしょう。この場合、チームごとに1人ずつのPLが配置されることはあっても、PMは通常1人です。

また、PLは現場でチームを指揮し、プロジェクトを円滑に進めます。一方、PMは現場で直接的に指揮をとることは少なく代わりに、窓口のPLを通じてプロジェクト全体をコントロールします。ただし、小規模なプロジェクトの場合は、PMとPLを1人が兼任するケースも少なくありません。

2.プロジェクトリーダーの主な4つの仕事内容

プロジェクトリーダーは、プロジェクトを円滑に進めるために、さまざまな仕事を担当します。プロジェクトリーダーの主な仕事内容は、次の4つです。

  • プロジェクト計画の立案支援
  • プロジェクトメンバーの進捗管理・フォロー
  • プロジェクトの問題対応
  • 顧客や関係者との折衝・調整

2-1 プロジェクト計画の立案支援

プロジェクトリーダーは、PMが主導するプロジェクト計画の立案を支援します。プロジェクト計画の実現性を高めるうえでは、プロジェクトリーダーの「現場視点」が欠かせません。

具体的には、チームのリソース状況やメンバーごとの工数感などを考慮し、スケジュール調整や目標設定を行います。プロジェクトリーダーの働きによって、プロジェクト計画の細部を詰めることが可能となります。

2-2 プロジェクトメンバーの進捗管理・フォロー

プロジェクトリーダーは、チームメンバーの進捗を管理し、必要に応じてフォローを行います。

プロジェクトを円滑に進めるためには、各人が担当するタスクの進捗状況を常に把握し、計画どおりに進行しているかのチェックが不可欠です。遅延や問題が発生していれば担当者にヒアリングし、適切なアドバイスを提供します。

計画どおりの遂行が難しい場合は、タスクの優先度やアサインの調整といった対策も検討する必要があるでしょう。

2-3 プロジェクトの問題対応

プロジェクトの進行中には、予期せぬ問題に直面することもあります。

たとえば、技術的な障壁や致命的なリソース不足の場合、メンバー単位では解決が難しいでしょう。こうした問題の対応を主導するのも、プロジェクトリーダーの大切な仕事です。

プロジェクトリーダーは、チームレベルの問題に対して原因を特定し、必要に応じてチーム外の協力も得ながら解決へと導きます。

2-4 顧客や関係者との折衝・調整

プロジェクトリーダーは、チームの窓口として顧客や関係者との折衝・調整を担います。

たとえば、人員の補充やスケジュールの大幅な変更が必要な場合、PMや顧客と交渉する必要があるでしょう。

また、テストプロジェクトのPLであれば、開発チームや運用チームのPLと密に連携することも求められます。関係者と意見を交わし、合意形成を図るうえでは、プロジェクトリーダーの存在が欠かせません。

3.プロジェクトリーダーに求められる主なスキル

プロジェクトリーダーがプロジェクトを成功に導くためには、多岐にわたるスキルが求められます。

プロジェクトリーダーに求められる主なスキルは、次の4つです。

  • IT業界を含めたドメイン知識
  • リーダーシップとチームマネジメント
  • マネジメントスキル
  • コミュニケーションスキル

3-1 IT業界を含めたドメイン知識

プロジェクトリーダーには、IT業界をはじめとする各業界・分野のドメイン知識(その業界・分野に特化した専門知識)が求められます。

豊富なドメイン知識があれば、メンバーの技術的なフォローや、実現性の高いプロジェクト計画の立案支援が可能です。

たとえば、IT業界のプロジェクトリーダーには、ネットワークやセキュリティといったドメイン知識が欠かせません。一方、建設業界のプロジェクトリーダーであれば、建築基準法や施工管理などに関するドメイン知識が求められます。

特に、昨今ではプロジェクト管理などにITツールを用いることも多いため、業界を問わずIT業界の基本的なドメイン知識はあったほうが良いでしょう。

3-2 リーダーシップとチームマネジメント

プロジェクトリーダーは、チームを牽引するリーダーシップと、チームマネジメントのスキルが不可欠です。

困難な問題に直面した際でも冷静かつ的確な判断を下し、メンバーを励まし、共に解決へと導ける人材であることが求められます。

また、チームメンバーに規範を示し、目標達成に向けて適切な指導とフォローを行うこともチームマネジメントの一環です。リーダーシップとチームマネジメントに優れるプロジェクトリーダーは、チームの結束力を高め、個々の能力を最大限に引き出せるでしょう。

3-3 マネジメントスキル

プロジェクトリーダーには、プロジェクトを適切に管理するためのマネジメントスキルが欠かせません。

プロジェクト内で扱うヒト、モノ、カネといったリソースを適切に把握・調整し、最大限に活用することが求められます。

プロジェクトリーダーに必要なマネジメントスキルには、プロジェクト計画の策定や進捗管理、問題解決といったスキルが含まれます。プロジェクトに関するマネジメント業務は多岐にわたるため、高いマネジメントスキルがなければ務まりません。

3-4 コミュニケーションスキル

プロジェクトリーダーにとって、コミュニケーションスキルは非常に重要です。

チーム内外とのやり取りが日常的に発生するため、円滑なコミュニケーションを取れる必要があります。

相手の考えを正しく理解し、自分の考えを分かりやすく伝えるために、双方向のコミュニケーションが欠かせません。高いコミュニケーションスキルがあれば、情報共有の効率化やステークホルダーとの良好な関係構築につながるでしょう。

4.プロジェクトリーダーを目指す方法

プロジェクトリーダーを目指す方法は、主に次の3つです。

  • 現場で実務経験を積む
  • PLに関する資格を取得する
  • 本やオンライン学習で知識を深める

4-1 現場で実務経験を積む

プロジェクトリーダーを目指す場合、基本的には現場で実務経験を積むべきです。プロジェクトリーダーに必要なスキルは、基本的に実務経験から培われます。

そのため、現場でプロジェクトに所属し、チーム作業や問題解決の経験を積極的に重ねることが重要となります。

実務経験が増える過程で、プロジェクトリーダーに必要なスキルの多くを実践的に養えるでしょう。

4-2 PLに関する資格を取得する

プロジェクトリーダーに必要な知識・スキルを証明できる資格は多数あります。こうした資格取得を目指すのも効果的です。

対策学習の過程で体系的に必要な知識を吸収できるだけでなく、転職の際にスキルを客観的にアピールしやすくなるでしょう。

プロジェクトリーダーを目指す方におすすめの資格2つを下表にまとめました。

資格名 概要
PMP(Project Management Professional) プロジェクトマネジメントに関する幅広いスキルを証明できる国際資格
プロジェクトマネージャ試験 日本のIPAが主催する「情報処理技術者試験」の一区分で、プロジェクトマネジメントに特化した国家資格

4-3 本やオンライン学習で知識を深める

プロジェクトリーダーには多岐にわたる知識・スキルが求められます。実務経験だけで網羅的に知識やスキルを習得するのは限界があるでしょう。

そのため、プロジェクトマネジメントなどに関する本やオンライン教材を活用し、体系的に学ぶのがおすすめです。

なお、プロジェクトリーダーを育成したいIT企業の方は、ソフトウェア品質教育サービス「バルカレ」をご活用ください。

バルカレでは、プロジェクト経験の豊富な講師による、プロジェクトリーダー育成に向けた質の高い教育を提供しています。

まとめ

プロジェクトリーダー(PL)とは、プロジェクトの運営を現場で主導し、チームをまとめる責任者のことです。

プロジェクト計画の立案支援から進捗管理、問題対応、顧客や関係者との調整まで、幅広い業務を担当します。

プロジェクトリーダーを目指す場合、さまざまな知識・スキルを身につける必要があります。実務経験を重ねつつ、本やオンライン学習などで知識を深めましょう。

プロジェクトリーダーを目指す方は、今回の内容をぜひ参考にしてください。

マネジメント・働き方
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監修: 小島 友美

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 上席研究員

入力/出力系システム、ファイル管理システムのシステムエンジニア、品質管理の専門職(ソフトウェア品質管理、ソフトウェア品質保証)、リーン・シックスシグマ講師を経て、現職。担当業務は、品質教育サービス「バルカレ」講師とコンテンツ制作を担当する。
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