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資格対策特集 2024.01.19
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JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験(AL TM)とは?試験内容や学習方法を紹介

監修: 江添 智之

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 副部長

JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験(AL TM)とは?試験内容や学習方法を紹介

「JSTQB認定テスト技術者資格」は、ソフトウェアテストに関わる方がスキルを証明するうえで役立つ資格です。JSTQB認定テスト技術者資格には複数の区分があり、どれを受験すべきかお悩みの方もいるのではないでしょうか。

テストマネジメントのスキルを証明したい場合、Advanced Level(AL)のテストマネージャ試験(TM)を受験するのがおすすめです。本記事では、JSTQB認定テスト技術者資格におけるテストマネージャ試験について、試験内容や学習方法を紹介します。

なお、JSTQB認定テスト技術者資格そのものの概要を知りたい方は、次の記事をご覧ください。

【JSTQB® 公認】Advanced Level テストマネージャ(AL TM) 試験対策講座

JSTQB® テスト技術者資格の上位レベル『Advanced Level』テストマネージャ試験に向けた、試験対策のためのeラーニングです。JSTQB®が公認しています。テスト専門会社であるバルテスがこれまで培ってきた実績とノウハウを、資格対策講座に詰め込みました。

もくじ
  1. JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験(AL TM)とは
    1. JSTQBにおけるTM試験の位置づけ
    2. TA試験・TTA試験との違い
  2. JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験の概要
    1. 試験の対象者:テストに携わる方
    2. 受験条件:JSTQB FL認定、および3年以上の実務経験
    3. 実施時期:通年で受験可能
    4. 実施地域:全国各地の試験会場
  3. JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験の試験内容
    1. 回答形式・試験時間・問題数:180分で全65問の選択式
    2. 合格ライン:65%以上の正答
    3. 合格率・難易度:10~30%
  4. JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験に合格するための学習方法
    1. シラバスを読む
    2. サンプル問題を解く
    3. テスト技法に関する書籍を読む
    4. eラーニングを受講する
  5. まとめ:テストマネージャ試験の合格を目指す場合は早めの対策を

1.JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験(AL TM)とは

テストマネージャ試験(TM)とは、JSTQB認定テスト技術者資格の中でもテストマネジメント領域に特化した試験区分のことです。テスト進捗やチームの管理、プロセスの改善、テスト戦略の策定といったマネジメント面の専門知識・スキルを証明できます。

テストマネージャ試験のJSTQBにおける位置づけや、関連区分との違いについてお伝えします。

1-1 JSTQBにおけるTM試験の位置づけ

JSTQB認定テスト技術者資格には、下記3つの難易度があります。テストマネージャ試験は、上級レベルの「Advanced Level(AL)」に該当する試験です。

  • Foundation Level(基礎レベル)
  • Advanced Level(上級レベル)
  • Expert Level(エキスパートレベル)

最も難易度の低いFoundation Levelでは、テストに関する知識を「記憶・理解」することが求められます。一方、Advanced Levelでは「記憶・理解」に加えて「適用・分析」することも必要です。ただ覚えるだけでは合格が難しいため、テストマネージャ試験は難易度の高い試験といえます。

また、試験区分としては下記の3つがあり、テストマネージャ試験は「Core」に該当します。Coreは特定分野に特化せず、総合力が求められる試験区分です

  • Agile(アジャイル開発に特化)
  • Core(総合力が求められる)
  • Specialist(特定の専門分野に特化

つまり、テストマネージャ試験は上級レベルの総合力が求められる難易度の高い試験といえます。

1-2 TA試験・TTA試験との違い

Advanced LevelのCoreには、TM試験以外にもTA試験・TTA試験があります。それぞれの違いを表にまとめました。

試験区分 主な出題範囲
テストマネージャ試験(TM)
  • テストマネジメント
  • 欠陥マネジメント
  • テストプロセスの改善など

テストアナリスト試験(TA)

  • テスト設計、分析
  • テスト技法(主にブラックボックス)
  • 品質特性(ハイレベル寄り)など

テクニカルテストアナリスト試験(TTA)

  • 分析技法(静的解析、動的解析)
  • テスト技法(主にホワイトボックス)
  • 品質特性(ローレベル寄り)など

名前のとおり、テストマネージャ試験はマネジメント、テストアナリスト試験・テクニカルテストアナリスト試験は分析を軸にした出題となります。TA試験とTTA試験は、出題の方向性は似ています。ただし、TA試験はハイレベル(要件・要求)寄り、TTA試験はローレベル(設計・コード)寄りの出題範囲となるのが違いです。

なお、テストアナリスト試験について詳しくは、次の記事をご一読ください。

2.JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験の概要

次に、テストマネージャ試験(TM)の概要として、試験の対象者や受験条件、実施時期、実施地域についてお伝えします。受験を考えている方はしっかり確認しておきましょう。

2-1 試験の対象者:テストに携わる方

テストマネージャ試験の主な対象者は、ソフトウェアテストにおいて上級レベルのキャリアを築いている方です。ただしテストマネージャだけでなく、テスト担当者やテストエンジニアなど、テストに携わる方であれば受験できます。

また、直接的にテストと関わりのないプロジェクトマネージャや経営コンサルタントのような方も、後述の受験条件を満たせば受験が可能です。テストに関する深い理解を求める方であれば、全員が試験の対象となります。

2-2 受験条件:JSTQB FL認定、および3年以上の実務経験

テストマネージャ試験に限らず、Advanced Level(AL)を受験するためにはFoundation Level(基礎レベル)のJSTQB認定を受けている必要があります。そのため、まずはFoundation Levelを受験しなければなりません。

また、Advanced Levelの受験には3年以上の実務経験が必要であるため、実務経験を示せる経歴書の提出が求められます。シラバスには明記されていないため、不安があれば試験委員会や試験認定委員会に問い合わせましょう

2-3 実施時期:通年で受験可能

以前のテストマネージャ試験は不定期実施で、2月または8月の年1度開催が通例でした。しかし2022年からは、CBT(コンピュータ・ベースド・テスティング)方式が導入されています。CBT方式は、会場にあるパソコンを用いて回答する受験形式のことです。

CBT方式では、予約さえできれば年中いつでも受験できます。CBT方式について詳しくは、次の記事をお読みください。

2-4 実施地域:全国各地の試験会場

JSTQB認定テスト技術者資格では、CBT方式としてポピュラーな「ピアソンVUE」を採用しています。ピアソンVUEの試験会場は全国各地にあり、受験者が選択可能です。 詳細な試験地はピアソンVUEの公式サイトを参照してください。

3.JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験の試験内容

続いて、テストマネージャ試験(TM)がどのような試験なのか、内容を掘り下げてお伝えします。

3-1 回答形式・試験時間・問題数:180分で全65問の選択式

テストマネージャ試験の問題はすべて選択式です。与えられた選択肢から正しいものを選んで回答します。180分の中で、全65問を回答しなければなりません。1問あたり3分も使えないため、スムーズに回答を進めていくことが求められます。また、試験時間が長いため、集中力を保つことも大切です。

3-2 合格ライン:65%以上の正答

テストマネージャ試験の合格ラインは、JSTQBの親組織であるISTQBの「Advanced Level Exam Structure & Rules」に準拠します。同資料によると、少なくとも「65%以上の正解」が必要とされています。細かい配点は公表されていませんが、目安として44~45問程度は正解する必要があるでしょう。

3-3 合格率・難易度:10~30%

合格率は開催ごとに前後するものの、例年10~30%程度となっています。なお、Foundation Level試験の合格率はおよそ60%前後です。テストマネージャ試験の難易度はかなり高いといえるでしょう。

4.JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験に合格するための学習方法

前述のように、JSTQB Advanced Level テストマネージャ試験(TM)は合格率が低い試験です。正しい対策学習ができなければ、合格にはつながりません。テストマネージャ試験の合格を目指す場合は、ここで紹介する4つの学習方法を知っておきましょう。

4-1 シラバスを読む

テストマネージャ試験の問題は、シラバスに沿って出題されます。そのため、まずはシラバスの内容を熟読し、体系的に理解しましょう。ただし、テストマネージャ試験ではFoundation Levelの内容も出題される場合があります。テストマネージャ試験の受験前に合格することになりますが、Foundation Levelのシラバスも復習しましょう

4-2 サンプル問題を解く

サンプル問題を解くことで、試験本番に近い感覚で練習ができます。JSTQBの公式サイトでは過去問がいくつか公開されているため、腕試しに解いてみるとよいでしょう。ただし、公式サイトの過去問は一部に限られます。幅広い問題を解きたいのであれば、書店やオンラインショップにある非公式の問題集を活用するのも1つの方法です。

4-3 テスト技法に関する書籍を読む

テスト技法やテストマネジメントに関するさまざまな書籍を読むことも効果的です。テストマネージャ試験では、Foundation Levelの内容も含めて幅広いテストの知識が問われます。体系的に知識がまとめられた書籍であれば、1冊でも集中的な学習が可能です。ただし、古い書籍だと情報がアップデートされていない場合もあるため注意しましょう

4-4 eラーニングを受講する

オンラインで効率的に学びたい方には、eラーニングの受講がおすすめです。パソコンを使って学べるeラーニングであれば、重い書籍を手に取ってめくるストレスが発生しません。動画の教材であれば、視覚・聴覚を用いて効率よく情報をインプットできます。

弊社では、Advanced Level テストマネージャ試験のeラーニングを提供しています。動画とテキストを組み合わせた効率的な学習が可能です。専門家が監修した信頼性の高い教材で、日本で唯一、JSTQBの公認を受けている動画コンテンツとなります。受験を予定している方はぜひこちらのeラーニング講座を受講ください。

【JSTQB® 公認】Advanced Level テストマネージャ(AL TM) 試験対策講座

JSTQB® テスト技術者資格の上位レベル『Advanced Level』テストマネージャ試験に向けた、試験対策のためのeラーニングです。JSTQB®が公認しています。テスト専門会社であるバルテスがこれまで培ってきた実績とノウハウを、資格対策講座に詰め込みました。

シラバスによると、テストマネージャ試験の合格に必要な学習時間の目安は約33時間です。このeラーニングであれば約8時間で効率的に学べるため、短期間で学びたい方はぜひお試しください。

まとめ:テストマネージャ試験の合格を目指す場合は早めの対策を

JSTQB Advanced Level(AL)のテストマネージャ試験(TM)とは、テストマネジメント領域に特化した試験区分のことです。現在はCBT方式が採用されているため、予約さえできれば年中いつでも受験できます。

ただし、テストマネージャ試験は合格率が低く、不十分な対策では合格につながりません。テストマネージャ試験の合格を目指す場合は早めに対策しましょう。短期間で学びたい場合は、eラーニングを活用するのもおすすめです。

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監修: 江添 智之

バルテス・ホールディングス株式会社 R&C部 副部長

WEB系、エンタープライズ系、医療系など様々な開発業務にプログラマ、システムエンジニア、プロジェクトリーダーとして携わった後、バルテスにてテストエンジニア・コンサルタント業務に従事。現職では主にテスト業務に関する研究開発および人材育成を担当。Scrum Alliance認定スクラムマスター、ディープラーニング検定(G資格)、ネットワークスペシャリスト、データベーススペシャリスト、JSTQB Advanced Level(テストマネージャ、テストアナリスト)など、ソフトウェアの開発およびテストに関する資格を多数取得。JaSST Kansai 実行委員。現在の関心は機械学習のテスト分野への応用と効率的なテスト自動化。