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JSTQB Foundation Level(JSTQB FL)とは? 資格取得のメリット、学習のポイントをおさらい

最終更新日時:2021.06.07 (公開日:2021.05.24)
JSTQB Foundation Level(JSTQB FL)とは? 資格取得のメリット、学習のポイントをおさらい

はじめに

JSTQBの試験のうち、基礎編ともいうべきレベルとして「Foundation Level試験/資格試験」(JSTQB FL、以降「FL試験」と呼称)があります。ソフトウェアテストに携わる仕事を担当されている方、その他ソフトウェアテストに関心がある全ての方を対象にしています。

今回は、JSTQB FL試験の対象者、学習の目的や資格取得のメリットについて解説します。JSTQBについては、こちらの記事もご参照ください。

FL試験の学習の目的

FL試験では、シラバスの全ての内容をテスト業務で適用できる知識レベルは求められていません。シラバスの各セクションで、以下のいずれかの知識レベルが設定されています。FL試験の学習を通して、指定された知識レベルに達成した上で試験に挑む必要があります。

  • K1:記憶レベル・・・用語や概念を記憶している
  • K2:理解レベル・・・テスト手順や概念を理解している
  • K3:適用レベル・・・概念や技法を理解して、実際に適用できる

FL試験の受験資格

特に決まった受験資格はありません。ソフトウェアテストに興味を持たれている方であればどなたでも受験可能です。ただし、シラバスでは以下のレベルに達している方を推奨しています。

  • システムテストやユーザー受け入れテストなどのテスト業務やソフトウェア開発業務を半年以上経験していること。
  • ISTQB®に加盟している各国の委員会(日本では JSTQB®が該当)が認定した教育コースを受講していること。

FL試験の対象者

シラバスではソフトウェアテストに携わる仕事の一例として、以下のような職種が紹介されています。あくまで一例としてご参照ください。

  • テストエンジニア
  • テスト担当者
  • テストアナリスト
  • テストコンサルタント
  • テストマネージャー
  • ユーザー受け入れテスト担当者
  • ソフトウェア開発担当者
  • プロジェクトマネージャー
  • 品質管理マネージャー
  • ビジネスアナリスト
  • 経営コンサルタント

FL試験の構成、必要な学習時間の目安

シラバスは 6つの章で構成されています。各章の内容と必要な学習時間の目安は以下の通りです。シラバス全体の学習時間の目安は1005分(16 時間 45 分)です。

  • 1 章 テストの基礎(学習時間175分)
  • 2 章 ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト(学習時間100分)
  • 3 章 静的テスト(学習時間135分)
  • 4 章 テスト技法(学習時間330分)
  • 5 章 テストマネジメント(学習時間225分)
  • 6 章 テスト支援ツール(学習時間40分)

FL試験の試験構造

試験の形式は多肢選択式です。問題数と合格の目安は以下の通りです。

  • 問題数:40問
  • 試験時間:60分
  • 合格基準:正解率 65%以上(26問正解が目安)
  • 合格率:約55%(2021年4月時点)

試験は2019年までは年に2回(2月、8月)実施されていました。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で年に1回(2月)でした。今後も新型コロナウイルス感染症の影響で、今までとは申し込み方法、日程、定員が変わる可能性があります。公式ホームページから最新情報を確認するようにしましょう。

FL資格取得のメリット

ここからは、FL資格の取得のメリットについて見ていきましょう。

テストエンジニアのことを全体的に知れる

テストエンジニアの仕事はソフトウェアを実行して結果を確認しているだけだと誤解されることが多いです。しかし、実際はテスト結果の確認作業はテストエンジニアが担当している作業のほんの一部に過ぎません。テストエンジニアは他にもさまざまな作業を担当しています。

具体的には、テストの計画、テスト結果の分析・設計、テスト実装、テスト進捗管理、テスト結果報告、テスト対象の品質評価といった作業も担当しています。FL資格では、このような、テストエンジニアが担当している業務内容を全体的に知ることができます。

知識を業務に活かせる

FL資格では、テスト計画からテスト結果報告までソフトウェアテストに必要な知識を体系的に学習できます。そのため、自身が担当しているテスト工程に関連する知識も身に付、すぐに業務に活かすことができるでしょう。

具体例としては、テスト項目の作成を担当されている方であれば、シラバスの4章で学ぶテスト技法を活用して、新たなテスト観点を追加できるかも知れません。テスト作業の効率化を検討されている方であれば、6章で学ぶテスト支援ツールの中で業務を効率化できるツールが見つかる可能性があります。

このように、学んだ知識を活用して、より高品質なテストを実施することで、ソフトウェアの品質を向上させることができるのです。さらには周囲からも評価されてキャリアアップも期待できるでしょう。

受験条件の場合もある

以下の資格試験を受験するためには、FL資格の取得が前提条件です。このようにFL資格を取得することで、より高度な資格試験に挑戦できます。

  • JSTQB Foundation Level Specialist 自動車ソフトウェアテスト担当者
  • JSTQB Foundation Level Extension アジャイルテスト担当者
  • JSTQB Advanced Level テストマネージャー(TM)試験
  • JSTQB Advanced Level テストアナリスト(TA)試験

テストエンジニアとして認められる

JSTQB認定テスト技術者資格は「JSTQB」と呼ばれる組織が運営しています。JSTQBは日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定を運営している組織で、2005年4月にソフトウェアテストに関する国際的な資格認定団体ISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に、その加盟組織として認定されています。

ISTQBに加盟している組織は資格、教育、訓練を相互認証しているため、JSTQBが運営するソフトウェアテスト技術者資格は海外でも有効な信頼度の高い資格です。そのため、資格を取得していれば周囲から一定レベルのスキルを持ったテストエンジニアとして認めてもらえるでしょう。

昇格できる可能性が上がる

会社によってはFL資格の取得を昇格の条件にしているところもあります。また、もし昇格条件になっていない場合でも、資格を取得していればソフトウェアテストに関する知識を取得していることをアピールできるため、テストに関わる新しい仕事を任せてもらえる可能性が高くなるでしょう。

まとめ

今回は、JSTQB FL試験の取得のメリットや、受験対象者について紹介しました。

JSTQB FL試験は、ソフトウェアテスト技術者の入門的な立ち位置の資格試験です。ソフトウェアテストに直接関係する方はもちろん、一般的なソフトウェアエンジニアの方にもおすすめできる資格です。学習することにより、ソフトウェアテストとはなんぞや、という基本的なところを一通り学ぶことができます。

スキルアップやキャリアアップを求めているエンジニアの方は、資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

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執筆者:Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。