「新QC七つ道具」 その考え方と使い方

最終更新日時:2021.09.30 (公開日:2021.09.30)
「新QC七つ道具」 その考え方と使い方

「新QC七つ道具」と「QC七つ道具」

QCツールには「QC七つ道具」と「新QC七つ道具」という2つの道具、考え方のセットがあります。

「QC七つ道具」は定量的な現象分析を狙うものです。
「新QC七つ道具」は定性的な現象分析を狙うものです。

本コンテンツではQCツールの一つである「新QC七つ道具」について簡単に解説し、あわせてソフトウェア開発プロジェクトの現場における活用例も紹介していきます。

「QC七つ道具」に関しては別コンテンツで紹介しております。あわせてご覧ください。

「新QC七つ道具」は、

  • 親和図法
  • 連関図法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • アロー・ダイアグラム法
  • PDPC
  • マトリックスデータ解析法

の7つの手法から構成されています。


QC七つ道具のそれぞれ

抽象的な製品品質や不具合の原因といった、定性的なものを取り扱う上で、「新QC七つ道具」は非常に有効な方法です。

以下、一つ一つ見ていきましょう。

親和図法

親和図法はいろいろな細かいトラブルがたくさんあり、本質的な問題を見つけ出したいときに、収集した様々なデータを整理し、問題の本質を明らかにする際に有効な手法です。

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ソフトウェア開発プロジェクトでは、計画フェーズや、プロジェクト中に発生した不具合の分析において使用すると有効です。例えば不具合データを分析する際、個々の不具合事例をグルーピングすることにより、不具合の傾向や種類を把握するうえで有効です。具体的にはブレインストーミングなどで、参加メンバーが現在、あるいは過去に起こった不具合などをカードに記載し、そのカードを親和性のある、内容の近いもの同士で分類していきます。こうすることにより、不具合の傾向を把握し、それに対するアプローチを絞り込むことができます。

連関図法

連関図法は、問題点の相互の関係を探り、「原因―結果」もしくは「目的―手段」の関係に整理して、相互の要素の関連を系統的に整理・発見していく手法です。 

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ソフトウェア開発プロジェクトにおいては先に説明した親和図と同様、計画フェーズ、あるいはプロジェクト中に発生した不具合の分析などで有効です。実際は親和図と連関図はセットで使われることが多く、要素間あるいはグループ間の相互関連を矢印で結ぶことにより、不具合の原因を抽出したり、関連する不具合を発見するのに有効です。

系統図法

系統図法は、問題解決に至る具体的な方法を定める際に有効な手法です。WBS (Work Breakdown Structure) も、目的を細かく手段に分解していくという意味では、系統図法の流れをくむものです。下図でいえば、左端の基本目的に対してそれを実現するための第1次手段を考えます。そして第1次手段を実現するための第2手段を考えていきます。この作業を繰り返していきます。

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ソフトウェア開発プロジェクトでは、計画、準備フェーズで有効です。プロジェクトの準備に際してどのようなものが必要か、さらに先に挙げられた項目に対する準備は何が必要か、といったように準備とそれに必要な物資と作業を割り出すことができます。

マトリックス図法

マトリックス図法は取り組むべき問題は分かっているが、問題とすべき対象が多くあり、その対応関係を分かりやすくとらえる際に有効な手法です。具体的には多くの現象と要因などを列方向と行方向に分解し、その対応を多元的に把握します。

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上図は前頁の系統図法で割り出された第3次手段に対してそれぞれの手段に対して役割分担やコストなどを割り振るときに便利です。
ソフトウェア開発プロジェクトでは計画、また準備フェーズで有効です。プロジェクト準備の準備状況をマトリックスでチェックしたり、あるいはテストにおける各機能とそれに対するテスト観点の対応を漏れ抜けなく整理する時に有効です。

アロー・ダイアグラム法

アロー・ダイアグラム法は、プロジェクト推進のための日程計画を立てる方法であり、工程順に矢印を引き、クリティカルパスに当たる工程を重点的に管理する手法です。

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ソフトウェア開発プロジェクトでは、開発の各工程における日程計画を立てる際に有効です。まずWBSによって工程ごとに必要な作業を列挙し、それぞれの工程に必要な日程をアロー・ダイアグラムで図示することにより、プロジェクトの進捗管理がやりやすくなります。そしてこの際、すべての矢印をつないだときに現れる、それ以上圧縮できない最長の工程経路である「クリティカルパス」を割り出すことにより、不測の事態が起こった際の対策を考えることにも役立ちます。

PDPC

PDPC:Process Decision Program Chart

PDPCは日本語では過程決定計画図と言われています。目的を達成したり、問題解決を考える際に、万が一のトラブルが発生した場合も想定したうえで計画や検討を行います。具体的にはトラブルが起こった際の対応策や処理手順などをフローチャートの形にまとめます。

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ソフトウェア開発プロジェクトでは計画フェーズにおける、想定されるリスクとその対応策を考えたり、計画したりする時に有効です。緊急事態が起こった際の必要な作業を割り出し、その処理の手順や連絡経路(担当責任者)などについてPDPCを用いて検討・計画することができます。

マトリックスデータ解析法

マトリックスデータ解析法は、前述のマトリックス図により行列で示された数値データを、2次元の平面に展開し、その相関関係を図示する方法です。これにより、得られたデータの分布や相関関係を把握できます。そこで得られたデータから、様々な情報や問題の糸口をつかむことに用います。多変量解析では主成分分析などと呼ばれています。

matorikusu.png

ソフトウェア開発プロジェクトでは得られたテスト結果をまとめ、分析報告するフェーズにおいて有効です。たとえば、テストケースにおいて、テスト項目数と検出されたバグの発見数の相関関係を取ることにより、テストのコストパフォーマンスを調べることができます。あるいは、ある機能のテストにおいて、設定値と不具合件数をパラメータとして取ることにより、設定値が不具合件数にどの程度影響を与えているのかを解析・評価することができます。

まとめ

QC七つ道具とはどのようなものなのか、それぞれ見てきました。それぞれの目的をまとめると以下のとおりです。

親和図法 収集した様々なデータを整理し、問題の本質を明らかにする際に有効な手法
連関図法 問題点の相互の関係を探り、「原因―結果」もしくは「目的―手段」の関係に整理して、相互の要素の関連を系統的に整理・発見していく手法
系統図法 問題点の相互の関係を探り、「原因―結果」もしくは「目的―手段」の関係に整理して、相互の要素の関連を系統的に整理・発見していく手法
マトリックス図法 問題は分かっているが、問題とすべき対象が多くあり、その対応関係を分かりやすくとらえる際に有効な手法
アロー・ダイアグラム法 工程順に矢印を引き、クリティカルパスに当たる工程を重点的に管理する手法
PDPC 計画フェーズにおける、想定されるリスクとその対応策を考えたり、計画したりする際に有効な手法
マトリックスデータ解析法 得られたデータの分布や相関関係を把握するときに有効な手法

QCツールを使うにあたって

QCツールである「新QC七つ道具」と、別コンテンツで紹介した「QC七つ道具」は、どちらもチームの構成員全員を巻き込んで、チームの成長、プロセスの成熟を促すのに有用なツールです。

1人の管理者だけが、今のプロセスの状態を見るだけではなく、プロセス、進捗、品質の現状が全体としてどのような状況なのかということを構成員全体が目にすることが必要です。

それにより自分たちが当事者であるという意識を持ち、チーム全体を活性化させることができます。またモチベーションを上げるという効果が、ソフトウェアの品質に大きな影響を及ぼします。

QCツール、是非現場で活用してみてはいかがでしょうか。

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執筆者:Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。