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JSTQB Advanced Level テストアナリスト試験とは?学習方法や受験のメリットに関して紹介します。

最終更新日時:2022.01.07 (公開日:2021.12.28)
JSTQB Advanced Level テストアナリスト試験とは?学習方法や受験のメリットに関して紹介します。

はじめに

JSTQB認定テスト技術者資格というものをご存知でしょうか。

IT系のエンジニアの多くが受験する代表的な資格として、「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」が広く知られていると思います。

ソフトウェアテストに関しては、「JSTQB認定テスト技術者資格」という資格があります。

「JSTQB認定テスト技術者資格」のFoundation Level試験に関しては、2021年12月時点で受験者が35000人、合格者が20000人を超えるような試験となっています。(http://jstqb.jp/attribute.html

本記事では、「JSTQB認定テスト技術者資格」の中でも、Advanced Levelの「テストアナリスト」という資格について、受験のための条件などの基礎知識を含め、学習方法や受験のメリットを紹介します。

受験を検討されている方はもちろん、ご存知ない方も今後の受験を検討する際の参考にしていただけると幸いです。

なお、バルテスでは、テストアナリスト試験のe-learning試験対策講座を提供しています。受験をされる方は、勉強方法の一つとしてeラーニングをご検討されてはいかがでしょうか。

JSTQBとは

JSTQBとは、Japan Software Testing Qualifications Boardの略称で、日本におけるソフトウェアテスト技術者資格認定の運営組織です。

各国のテスト技術者認定組織が参加しているISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に加盟しており、ISTQBの加盟組織の各国団体は、資格の相互認証を行っています。

つまり、「JSTQB認定テスト技術者資格」は世界中で通用する国際資格といえます。

JSTQB、並びにJSTQB認定テスト技術者資格については、以下の記事もご覧下さい。

JSTQB認定テスト技術者資格とは

先に「JSTQB認定テスト技術者資格」は世界中で通用する国際資格と紹介しました。

具体的にどのような資格試験が実施されているかを紹介します。

ISTQBにおいて紹介されている図を下記に示します。

レベルは「Foundation Level」、「Advanced Level」、「Expert Level」に分けられており、区分としては、「Agile」、「Core」、「Specialist」に分けられています。

下図のうち赤枠で囲まれているものは、2021年12月現在、JSTQBにおいて試験が実施されているものとなります。

  • Foundation Level(下図:Foundation Level Certified Tester / 区分:Core)
  • Foundation Level Specialist 自動車ソフトウェア担当者 (下図:Automotive Software Tester / 区分:Specialist)
  • Advanced Level テストマネージャ(下図:Advanced Level Test Manager / 区分:Core)
  • Advanced Level テストアナリスト(下図:Advanced Level Test Analyst / 区分:Core)

資格の図.PNG

https://www.istqb.org/about-us/istqb-levels-and-modules.htmlより引用)

今回紹介するAdvanced Levelテストアナリスト試験(以降、テストアナリスト試験と記載)は、JSTQBにおいて実施されている試験の1つとなります。

これ以降は、テストアナリスト試験の概要や学習方法、受験のメリットについて紹介いたします。

JSTQB Advanced Level テストアナリスト試験の概要

試験の対象者

テストアナリスト試験の対象は、テストに関与する人々、およびソフトウェアテストの知識のさらなる向上に関心を抱いている人々すべてを対象にしており、テスト分析、テストコンサルティング、およびソフトウェア開発などの活動を行っている人々が含まれるとされています。

詳細は「ISTQBテスト技術者資格制度Advanced Levelシラバス 日本語版 概要 テストアナリスト テクニカルテストアナリスト Version 2019.J02」を参照してください。

業務においてソフトウェアテストを行う人はもちろん、直接ソフトウェアテストにはかかわっていないが、ソフトウェアテストに関する知識を深めたいエンジニアの方もぜひ受験を検討してみると良いでしょう

受験条件

テストアナリスト試験の受験には、下記の2つの条件を満たしていることが必要となります。

Foundation Levelの資格を取得していること 業務経験3年以上 受験の際には、Foundation Level認定証番号が必要となります。

Foundation Levelに合格していない方は、まずはFoundation Levelの合格を目指しましょう。

また、「業務経験3年以上」の条件において対象となる業務は下記となります。必ずしもソフトウェアテストに限ったものではありません。受験を検討されている方は確認しておきましょう。

  • ソフトウェアテストに関する業務
  • プロセス改善を含む品質保証に関する業務
  • ソフトウェア開発に関する業務
  • ソフトウェアの研究開発(R&D)に関する業務

Foundation Levelについては、こちらの記事も参考にしてください。

実施時期

テストアナリスト試験は毎年1回、2月の第二土曜日に実施されています。受験を検討されている方は、申込時期を逃さないように注意しましょう。

2020年2月実施の第5回からは、新型コロナウイルス感染症対策のため、各会場において定員が設定されています。

定員に達したことで受験ができなくなることを避けるために、申込が開始されたら、早めに済ませるようにしましょう

実施地域

テストアナリスト試験は、通常ですと、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇の6地域で実施されます。

各地域により定員が異なり、2022年2月に実施される第7回では、最も多い東京では270名、少なめに設定されている札幌、那覇はそれぞれ40名、33名となっていました。

希望する実施地域で受験するためには定員に達する前に申し込むことが重要となります。

受験地域に関しても早めに検討しておくようにしましょう

JSTQB Advanced Levelテストアナリスト試験の問題構成

  • 形式:マークシート形式
  • 試験時間:120分
  • 問題数:40問(80点満点)

テストアナリスト試験は、マークシート形式で、40問の問題が出題されます。試験時間は120分です。

出題内容は、テストアナリスト向けのシラバス(http://jstqb.jp/syllabus.html)の内容から出題されます。

各問題にはレベル別に配点が設定されており、レベルやシラバスの章別に出題される問題の配分が決められています。

試験全体で80点満点となるように設定されています。

〈出題レベル〉

  • K1レベル[記憶レベル]:学習目的の内容を覚えている。
  • K2レベル[理解レベル]:学習目的の内容を理解して、説明できる。
  • K3レベル[適用レベル]:学習目的の概念や技法を使うことができる。
  • K4レベル[分析レベル]:学習目的の内容を分析して、それに合わせた手順や技法を適用することができる。

〈レベル別出題数〉

レベル 問題数 配点 合計点
K2 17 1 17
K3 6 2 12
K4 17 3 51

※K1レベルの出題はなし。

〈章別問題数〉

レベル 問題数 配点 合計点
1章 K2 4 4 10
K3 0 0
K4 2 6
2章 K2 0 0 2
K3 1 2
K4 0 0
3章 K2 3 3 44
K3 1 2
K4 13 39
4章 K2 9 9 15
K3 0 0
K4 2 6
5章 K2 0 0 6
K3 3 6
K4 0 0
6章 K2 1 1 3
K3 1 2
K4 0 0


ちなみに、試験の形式はマークシート形式と先に記載しましたが今後 変更される可能性があるようです。

2021/12/15にJSTQBの認定試験にピアソンVUE(CBT:コンピュータ・ベースド・テスティング)による試験の導入準備を開始したと発表されています。

CBTの導入タイミングに関しては、決まり次第、別途案内されるとのことです。

より受験しやすい試験になっていくことが期待されます。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000054604.html

JSTQB Advanced Level テストアナリスト試験 合格難易度と合格率

合格基準と合格点難易度

  • 合格基準:52点以上/80点(65%)

80点満点中52点以上の獲得が必要となります。

65%の正答率とあまり高くないように見える方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、前述の問題構成において示したように、最もレベルの高いK4レベルの問題が80点満点中の51点を占めており、単純に内容の暗記や理解だけでなく、学習した内容を使いこなせるということが必要となるため、簡単ではないといえます

合格率

試験日 受験者数 合格者数 合格率
第1回ALTA試験
(2016/2/13)
351名 43名 12.25%
第2回ALTA試験
(2017/2/11)
269名 17名 6.32%
第3回ALTA試験
(2018/2/10)
283名 64名 22.61%
第4回ALTA試験
(2019/2/09)
504名 128名 25.4%
第5回ALTA試験
(2020/2/08)
453名 94名 20.8%
第6回ALTA試験
(2021/2/13)
288名 39名 13.5%
2148名 385名

参考:http://jstqb.jp/attribute.html

試験の前提条件としてFoundation Levelの合格、および業務経験が3年以上必要ということからもその難しさがうかがえると思います。

実際に、2021年12月時点のデータの場合、過去6回の実績としては、合格率が20%程度の時が3回ありますが、低いときは6%程度となっています。

合格率の低さからも難しさがお分かりになると思います。

JSTQB Advanced Levelテストアナリスト試験に合格するための学習方法

テストアナリスト試験に向けた学習方法としては下記のものが挙げられます。

他のIT系の資格と比べて、試験対策用の参考書等の出版もなく、学習方法が少なくなっています。

1.シラバスを読む

問題構成の節でも記載した通り、試験問題は、「ISTQBテスト技術者資格制度 Advanced Level シラバス 日本語版 テストアナリスト」の内容を基に出題されます。

シラバスはJSTQBのサイトからダウンロードできるため、勉強を始める際には、まずシラバスのダウンロードから始め、内容を読み込んで理解するところから始まります。

受験を検討されている方も、どのような内容が記載されているか確認してみると良いでしょう。(http://jstqb.jp/syllabus.html#syllabus_advanced_altta

2.サンプル問題を解く

ISTQBのサイトでは、実際の試験を想定したサンプル問題がダウンロードできるようになっています。

日本語版のものはありませんが、どのような内容が問われるのか、どのような内容を身に付けておく必要があるのかということをイメージするには適しています。

また、過去の問題に関して、JSTQBでAL試験過去問題解説セミナーというものが行われており、JSTQBのサイトにおいて、その際の資料と動画を見ることができます。

併せて確認すると良いでしょう。(http://jstqb.jp/syllabus.html#sample_advanced

3.テスト技法に関する書籍を読む

テストアナリスト試験では、試験問題において、シチュエーションに合わせてテスト技法を用いるような問題が出題されます。

ただし、シラバスには、テスト技法の詳細に関して記載されていないため、参考文献を用いて勉強を進める必要があります。

上記に記載した過去問題解説セミナーの資料においては、「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法(リー・コープランド著)」(https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/05/P82510/)などが紹介されています。

最近出版された書籍としては、「この1冊でよくわかる ソフトウェアテストの教科書[増補改訂第2版](布施昌弘 他著)」(https://www.sbcr.jp/product/4815608750/)などもあります。

書店で自分に合ったものを探してみると良いでしょう。

4.e-learningを受講する

弊社バルテスでは、テストアナリスト試験のe-learning試験対策講座を提供しています(https://www.qbook.jp/event/20211216_1284.html)。

この講座は、上記のシラバスの解説はもちろん、試験問題の傾向解説や例題集、理解度チェックも利用することのできるコンテンツとなっています。

オンラインで、有効期間中であれば、何度でも動画コンテンツを視聴することができ、場所や時間を問わず、自分のペースで効率的に学習を進めることができます。

ぜひ利用を検討してみてはいかかでしょうか。

受験のメリット

受験することによって下記のメリットがあるといえます。

1.ソフトウェアテストに関する知識・技術を学ぶことができる

JSTQB認定テスト技術者資格の勉強をすると、ソフトウェアテストに関する知識を体系的に整理することができます。

特に、テストアナリスト試験の勉強を進めると、テストケースの選択や実施などテスト対象の分析に関するスキルを磨くことが可能です。

2.テスト技術者としてのスキルの証明となる

どの資格にも言えることではありますが、第三者に客観的にスキルの証明することができます。

JSTQB認定テスト技術者資格の場合は、テスト技術者としてのスキルを証明することが可能です。

テストアナリスト試験の場合は、Foundation Levelとは異なり、テストアナリストとして高い技術を持っていることの証明につながりますので、キャリアアップなどにつなげられる可能性があります。

まとめ

今回はJSTQB Advanced Level テストアナリスト試験を紹介しました。

現代の暮らしを支えるソフトウェアの品質を保証するために欠かせないソフトウェアテストに関して、合格に向けた勉強の中で得られるものも多い試験となっています。

難しい試験であることは間違いないですが、合格により高い技術を持っていることの証明にもなります。

テスト技術者として、キャリアアップを目指す方などは、積極的に挑戦してみましょう。

皆さんの挑戦の際に、この記事がお役に立てば幸いです。

執筆者:八ツ山 金尚

バルテス株式会社 クロス・ファンクショナル事業部 R&C部

バルテスに入社後、車載系案件、医療系案件においてテスト設計・実施に携わる。現在は主にバルテス社内において、新入社員などの人材育成、およびセミナー講師として従事。 「JSTQB Foundation L...