概要
開発者(プログラマ、開発リーダー、品質管理者)に必要なテストの基礎知識/技法と、その実践方法について、初心者にもわかりやすく解説した本。
Javaの開発環境であるEclipseとテスト支援プラグインを利用して、ソースコードレビューや静的解析、テストケースの作成、単体テストの作成/実行、プログラムの品質測定/評価などの各種テスト技法を、例題を通して実習する。現場で使える実践的なソフトウェアテストの手順やテクニックを学ぶことができる。
本書の使い方
Javaプログラミングの基礎知識を前提としている。
テストや品質の考え方はJava以外の言語でも参考にすることができる。
第1~2章 ソフトウェアテストと開発工程の全体像をつかむことができる。 全対象者向け
第3~7章 テスト環境の構築からテストケースの作成、単体テストの作成/実行までを具体的に解説する。 プログラマ、開発リーダー向け
第8章 ソフトウェアの品質評価の技法を学ぶことができる 開発リーダー、品質管理者向け
第9章 Webアプリケーションの現場に即したテスト法を学べる プログラマ、開発リーダー向け
本書の各章各節には、読書対象者として「プログラマ」「開発リーダー」「品質管理者」の名が詳しく明記してあり、学習者の便宜がはかられている。
何を学べるか
第1章 ソフトウェア開発におけるテスト
ソフトウェア開発におけるテストの必要性を解説する。 ソフトウェア開発で起こっている問題とテストの必要性、ソフトウェアテストの流れ、品質とは何かを解説する。
第2章 開発工程とテスト
ソフトウェア開発の全工程の概要を紹介する。「品質の高いソフトウェアを作る手順」を紹介し、それを上流工程と下流工程に当てはめて説明する。またテストの位置づけ、テストでの役割分担、テストの基本手順を解説する。
第3章 プログラミング/単体テスト環境の構築
本書を読み進める上で必要なツールのインストール方法について解説する。 Javaアプリケーションの統合開発環境であるEclipseと各種プラグインのダウンロードからインストールまでを説明する。
第4章 プログラミング時のバグ予防策
プログラミング工程においてバグを減らし、高品質なソースコードを作る方法について解説する。静的テストの進め方、コーディング規約やソースコードレビューの観点の作成方法、静的解析ツール(Checkstyle, FindBugs)の利用法などを紹介する。実践に即した例題に沿いながら、手順を追って詳しく解説する。
第5章 網羅的なテストケースの作り方
Javaにおける単体テストとテストケースの作成手順を解説する。また、ホワイトボックステスト/ブラックボックステストの各観点から、より少ない項目で必要な網羅性をカバーできる効率的なテストケースを作る考え方を解説する。例題に沿いながら、手順を追って詳しくテストケースの作り方を説明する。
第6章 テストコードのプログラミング
テスト自動実行ツール(JUnit)でのテストコードの書き方について解説する。テストコードにも規約やレビューが必要であること、誤りの少ないテストコードの書き方を、例題に即して手順を追って詳しく解説する。
第7章 効率的な単体テストの実行
テスト自動実行ツール(JUnit)の実行方法とその実行結果の記録、デバッグや再テストの方法を例題に即して手順を追って詳しく解説する。
第8章 ソフトウェアの品質評価 ~メトリクスで品質を「見える化」する
テスト結果をもとにソースコードの品質を分析・評価する方法と、その際に利用する品質指標について解説する。様々な品質指標をどのように分析するのか、図表を交えて詳しく説明する。また例題に沿って、学んだ内容を実践的に説明する。
第9章 一歩進んだテスト技法 ~Webアプリケーション開発のテスト
Webアプリケーションの単体テストの進め方について解説する。現場でのアプリケーションの特性によっては、本書の手順通りにテストを進めることが困難な場合がある。その時の対処法とその背後にある考え方、そして効率化のために利用できるツールを紹介する。