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書評「アート・オブ・アプリケーション パフォーマンステスト」

Ian Molyneaux (著) , 田中 慎司 (翻訳) , オライリージャパン

テスト

概要

多くのシステムは、パフォーマンス上の問題を抱いている。その解決のためには、パフォーマンステストを適切に実施し、ボトルネックを浮き彫りにすることが有効である。本書は、パフォーマンステストの考え方とその実施の要点をまとめた本である。
パフォーマンステストの基礎的な考え方から、パフォーマンステストのプロセス、結果の解釈、ツールの紹介など発展的な内容まで、パフォーマンステストを包括的に解説する。

本書の使い方

第1章~第2章:パフォーマンステストの基礎的な考え方を学ぶことができる
第3章~第4章:パフォーマンステストの実践的な計画、実行、分析のノウハウを学ぶことができる。
一度通読の上、それ以後、読者の興味関心のある部分を必要に応じて利用することを勧める。
第5章:特定のソフトウェア環境におけるパフォーマンステストのポイントを知りたいときに好適

何を学べるか

第1章 なぜパフォーマンステストをするのか?
「パフォーマンステストとは何か」「パフォーマンスはどのように計測できるのか」「パフォーマンスが良い/悪いのとは」について解説し、パフォーマンスを考慮しないことによる問題を明らかにする。そのうえで、IT業界においては、いまだパフォーマンステストを開発ライフサイクルに組み込むことの重要性が認識されていない現状を紹介する。

第2章 効果的なアプリケーションパフォーマンステストの基礎
本章ではパフォーマンステストを構成する要件を詳しく説明する。 パフォーマンステストが対象として扱う非機能要件、テスト目的を実現するためのパフォーマンステストツールの選択、テスト環境の構築、テスト結果と比較参照するための各パフォーマンス指標(パフォーマンスターゲット)とその設定、アプリケーションがテストに耐えるほど安定しているかの確認、テストスクリプト、テストデータ作成のポイント、正確なパフォーマンステストを設計するポイント、サーバーとネットワークのパフォーマンス指標の特定、などを解説する。

第3章 パフォーマンステストのプロセス
プロジェクトにおいてベストのパフォーマンステストが実施できるよう、テスト計画の立て方を段階的なプロセスに沿ってチェックリストの形式で説明する。また、前述のプロセスの適用例をケーススタディ形式で説明する。

第4章 結果の解釈:効果的な根本原因の分析
自動パフォーマンステストツールの実行によって得られる各種の出力情報を解説する。統計的データ、応答時間、スループットと最大容量、主要パフォーマンス指標(KPI)、負荷挿入パフォーマンスなどの各種情報を説明したうえで、その効果的な分析手法について解説する。

第5章 アプリケーション技術とそのパフォーマンステストへの影響
特定のソフトウェア環境下におけるパフォーマンステストへの影響と、それに対するテスト戦略のポイントを紹介する。 非同期JavascriptとXML(AJAX)、Citrix、HTTPプロトコル、Java、Oracle、SAP、サービス指向アーキテクチャ(SOA)、Web2.0、などを取り上げる。

付録A トランザクション例
パフォーマンステストで使用されるアプリケーショントランザクションの準備の例を示す

付録B POCとパフォーマンステストのクイックリファレンス
コンセプトの証明(POC)及び、パフォーマンステストの各プロセスのチェックリストを示す

付録C 自動パフォーマンスツールベンダ
無料ツールも含めた自動パフォーマンスツールのベンダ一覧を示す

付録D KPI監視のテンプレート例
パフォーマンステストプロジェクトで取得される一般的なサーバKPIを示す

付録E プロジェクトプラン例
MS Projectによるパフォーマンステスト計画の一例を示す