人工知能が小説を作ってくれる?「AIのべりすと」とは

最終更新日時:2022.06.06 (公開日:2022.06.03)
人工知能が小説を作ってくれる?「AIのべりすと」とは

AIを小説の制作に利用する試みが現在は活発に見られ、2022年2月に発表された日本経済新聞社主催の第9回「星新一賞」では、応募総数2603編のうち、114編がAIを利用して作成されています。

なお、昨年は14編しかなかったことから、この分野の飛躍具合が伺えます。

本記事では、人間に代わりAIが小説を代筆してくれる文章・小説作成アプリケーションソフトウェア「AIのべりすと」の紹介と、どのように活用できるのか、小説を書く以外にはどのような使い道があるのかについて解説します。

もくじ
    1. 「AIのべりすと」とは?
    2. 小説以外に使える使い方
    3. AIのべりすと文学賞を開催!
    4. まとめ

「AIのべりすと」とは?

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「AIのべりすと」はゲームクリエイターのSta氏が開発し、Google TRCの協力により作成されたツールです。日本語最大級のパラメータとコーパスより訓練されたAIであり、非常に精度の高い文章の生成ができます。

文庫本に換算すれば174万冊分の知識を学習しているAIであり、様々な組織や開発者の支援のもとで制作されたツールです。

AIが小説を作ってくれる

「AIのべりすと」を用いれば、誰でも簡単にAIの力を借りながら小説を書くことが可能です

最初にいくつかの文章を入力することで、セリフの口調や文脈にあった物語の展開がAI側によって生成されます。

AIが作成した文章にさらに加筆を行うことで、簡単にオリジナリティに溢れる小説を作ることができます。

設定できるオプション

「AIのべりすと」では、様々なオプションを使用することで、より自分の理想に近い小説を書くことができます。

出力オプション

出力オプションでは、文章のスタイルをはじめとした細かい設定ができます

元の文章の文体に忠実な「ゴーストライター」という設定や、自由な展開がされる「クリエイティブ」などの様々な設定があります。

「ゴーストライター」と「クリエイティブ」の2種類の設定をデフォルトの文章を元に実際に比較した結果、以下のような文章が生成されました。

「ゴーストライター」で設定して文章を生成した結果

吾輩は猫である。名前はまだない。
そんな吾輩は今、お父様の膝の上にいる。
「にゃー」
「どうしたんだ? 今日はずいぶんと甘えん坊だなぁ」
「にゃあ......」
撫でてくれる手が気持ちいい。お父様の手はとても大きいのだ。

「クリエイティブ」で設定して文章を生成した結果

吾輩は猫である。名前はまだない。
そんな吾輩は今、お嬢様に飼われている猫だ。いや、猫というのは正確ではないかもしれない。なにせ今の身体は猫ではなく人の形をとっているからだ。まあその辺のことはまたいつか話すとして――とりあえず吾輩の話をさせてもらうことにしよう。吾輩とあの

(※黒字:入力したテキスト|赤字:自動生成されたテキスト)

このように、初めに入力する文章が同じであっても、出力オプションによってその後に生成される文章の文体を変えることができます。

クリック一つで、小説の作風を変えることが可能です。

ストーリー設定

ストーリー設定では、禁止ワードの設定や脚注など、小説を書く上で守りたいルールをあらかじめ設定することができます

キャラクターブック

キャラクターブックの機能では、文章において特定の言葉が登場した際に人物や状況などの設定を認識させることが可能です

小説を書く際には人物の背景や設定などを忘れてしまいがちですが、キャラクターブックの機能を利用することで、設定を一貫してこだわった小説を書くことができます。

環境設定

環境設定では、文字のフォントなどデザイン面の調整をすることができます

小説の内容によってフォントや文字の色を変えるなど、細かい設定が可能です。

また、行間の広さや字間の調整などもできるため、快適な作業環境を設定することができます。

小説以外に使える使い方

「AIのべりすと」は、小説を書く以外にも様々な目的において使用することができます。

豊富な小説の学習により得られた知識により生成されるAIの返答は、多様な場面で活躍します。

アイディアを手助けしてくれる

「AIのべりすと」を用いて、アイデアのヒントを得るために活用ができます

例えば、質問項目のアイデアを得ることが可能です。

以下のような質問を入力すると、解答のみならず質問事項の提案を作ることができます。

Q. 好きな食べ物はなんですか?

以下のように、質問事項も実際に考えてくれました。

Q. 好きな食べ物はなんですか?A. 焼き魚 Q. 好きな音楽は? A.洋楽 Q.好きな本は? A.漫画 Q.好きな映画は? A.洋画

Q.好きなキャラクターは? A.犬 Q.嫌いな食べ物は? A.納豆 Q.好きな言葉は? A.愛している

何か質問をするという場面は、初対面の人とのコミュニケーションや世間話など意外に多くあります。

そのため、自分の中で質問事項のストックを増やす際に「AIのべりすと」を生かすことが可能です。

自分では考え付かなかったような新しい質問の切り口を発見できることもあるため、面接などの機会がある際にもぜひ「AIのべりすと」を活用してみることをおすすめします。

また、自然な質問に対する切り返しの仕方も参考にすることができます。

キャラクター設定に使える

「AIのべりすと」では、詳細なキャラクター設定を作成するのに生かすことが可能です

通常キャラクターの設定は非常に時間をかけて行われており、創作の最初の段階でありながら難所でもあります。

既に思い描いている特徴や名前、セリフなどを入力すれば、AIによって自動でその後の文章を生成させることが可能です。

展開していく設定の中で自分のイメージにより忠実なものを厳選していけば、様々な創作活動に活かせるキャラクター設定を簡単に行うことが可能です。

また以下のような入力を行うことで、AI側で詳細なキャラクター設定や特徴などを作成することができます。

名前:(好きな名前)
性別:(男・女など)
性格:(明るい性格など)

上記のキャラクター設定の作成方法は、「AIのべりすと」の生成するおおよその文章を指示する機能を用いています。

名前や性別、性格の他にも同様な項目の書き方でさらに細かい設定が可能なため、小説に限らず創作活動を行う方にはぜひ知って頂きたい機能です。

ストーリーや文章の要約をさせる

「AIのべりすと」では、文章を要約することができます

要約したい文章を入力した後に

ここまでのストーリーをまとめると

と入力することで、簡単に文章の要約をすることが可能です。

誰かにおすすめの本などを紹介する際に簡単にあらすじをまとめたり、会議などで伝えたい要件を事前に絞ったりする際にも活用できます。

長いニュース記事を読む時間がないという方や、要点だけを知ることで時間の節約をしたいという方にもおすすめです。

また、自分が何らかの目的で作成した要約と比較することで、重要事項の見落としや新たな視点を発見することもできます。

その他にも、複数の記事の要約のみを比較して鍵になる用語を抽出するなど、様々な方法で活用が可能です。

一日に起こった出来事を文章化し日記に付ける

「AIのべりすと」には、上記で紹介したストーリーの要約機能があります

そのため、一日に起こった出来事や感じたことなどを散文的な文章として打ち込めば、簡単に日記の文章を作成することが可能です。

日記は、手書きで文章を書く場合習慣づけることが難しいという方も多いですが、「AIのべりすと」を用いればそういった心配が必要ありません。

過去に自分が何を考えていたかをとどめておくことは、後々見返した時に新しい気付きを得る上で役立ち、問題に直面した際の精神的な支えとしても重宝します。

そのため、これをきっかけに「AIのべりすと」を活用し日記をつけてみるのもおすすめです。

食事の献立やコーディネートを考える

「AIのべりすと」では、献立やコーディネートを考えることが可能です

例えば以下のように入力することで、AIが箇条書きで献立の続きを作成してくれます。

今日の献立

・ご飯

上記のように入力すると、以下のようにAIが献立を考えてくれます。

今日の献立

・ご飯

焼き鮭

豆腐とわかめの味噌汁

納豆

ひじきの煮物

野菜サラダ(きゅうり、レタス)

卵焼き

タコさんウィンナー

ハムチーズ巻き

ミニトマト

また、コーディネートを考えたい場合には、以下のように入力することでAIが服装を考えてくれます。

今日のコーディネート

・セーター

上記のように入力すると、AIによって以下のようなコーディネートが完成します。

今日のコーディネート

・セーター:白のVネック、紺色。袖が長い。

スボン:黒。裾をロールアップしている。

靴下:黒のハイソックス(ふくらはぎまである)。

カバン:茶色で肩掛け出来るタイプ

箇条書きの点を書くことによって、様々なものがリスト化された形で提示されます。

組み合わせなどで何か迷った場合には、この機能を使用することですぐに決定することが可能です。

献立やコーディネートはほぼ毎日考える必要があり、出来ればそれらについて考えるのを日常のタスクからなくしたいという願望を持つ方も多くいます。

献立やコーディネートの他にも、今日一日をどのようにして過ごすかや、読む本、みる映画のジャンルなど様々な場面で活用が可能です。

また、自分では思いつくことのなかった新しい選択肢が知りたい場合に使用するのも、おすすめの使い方です。

AIのべりすと文学賞を開催!

現在、「AIのべりすと文学賞」という文学賞が開催されています。

第一回目の作品応募の締め切りは2022年6月30日であり、「AIのべりすと」を使用して描いた小説であれば誰でもジャンルを問わずに応募が可能です。

AIツールを使用して新しいものを想像するという経験が、大きなインスピレーションにつながる可能性もあります。

1200字から応募可能なショート部門も用意されているため、ぜひこれを機会に文学賞に挑戦してみるのはいかがでしょうか。

まとめ

今回紹介した「AIのべりすと」は、無料で使用する場合でも非常に高性能な機能を利用できるツールです。

これまで小説を書くことにチャレンジしたかったものの、物語を展開するのが難しくて断念してしまったという方や、要約や質問事項の作成などにかかる時間を節約したいという方はもちろん、そうでない方でもぜひ一度使ってみることをお勧めします。

そして今回取り上げた他にも、様々な無料で使用できる高性能なAI系ツールがWebに存在しています。

今回の「AIのべりすと」の精度の高さに驚いたという方や、AI系ツールに関心がある方は、ぜひ以下の記事も参照してみるのがおすすめです。

執筆者:Qbook編集部

ライター

バルテス株式会社 Qbook編集部。 ソフトウェアテストや品質向上に関する記事を執筆しています。